表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と店長の他愛もない話。  作者: 仮『どん』
私と店長の休日。
6/41

#6 私と店長の休日の午後。

更新遅れましたΣ(ノд<)


ほんっとに申し訳ないです…


話の内容はまとまっているのですが、文にする能力、時間が足りずこうなってしまいました。


明日からは春休みですので、部活の合間等を利用してせめて週に1回の更新を目指します`▽´)ノ



そして、新たにお気に入り登録して下さったユーザー様、この小説を読んで下さるユーザー様。


とても嬉しいです!


ありがとうございました!


長くなりました…。


ではお楽しみ下さい♪


午後4時。


店長は私が買ってきた牛丼を食べ終えるとすぐに奥の部屋に消えて爆睡し、一方の私はというと、テスト勉強もそこそこに喫茶店のテレビを点け、テーブルには自分の部屋から持ってきたお菓子を広げ、いかにもな休日の午後を過ごしていた。



◇◆◇◆



あまりにも自然な説明だったので普通に見受けられたかもしれないが、ここは営業中の喫茶店であり、この2人はこの喫茶店の店員である。


だが、私を含めこの2人にはまるでサービス業の労働従事者としての緊張感がない。はじめから客なんぞ来ないと決めつけて、したいがままに振る舞っている。


普段は朝寝坊する店長を叱ったり、学校でも割りと真面目な態度をとっていたりと、基本的に真面目でしっかり者の私だが、今は絶賛だらけ中。


何事も、ほどほどに。

人間ちょっとは楽しないと生きていけないと思うんですよ。


これが私の本性である。



午後4時。


このままあと2時間ちょっともすれば、かの有名なご長寿アニメが始まる時間だ。因みにあのアニメ中に出てくる男性陣はほとんどが高学歴なそうな。


どうでもいいですか。ちょっと昔のテレビ番組でやってたのを思い出して言ってみただけです。


そんなことはさておき、本当に暇である。

暇なことは、幸せなこと。そうは言っても暇は暇。


だから私は取り敢えず、爆睡している店長を起こしに行くことにしたのです。


店長の部屋はカウンターの内側のそのさらに奥にある。


この説明だけでは分かりにくいかもしれないので簡単に言うと、それはお客さんからは見えないそのお店の人しか知らない場所にある。要は喫茶店の裏側だ。


即ち、今私が店長の部屋に行けば、その間店には誰もいなくなる。


それでも、店長を起こしたらすぐに戻ればいい。


どーせ、客は来ないのだから。


すっかり労働者としての心は腐り果てている私だが一応、万が一の時に備えてテレビは消して、広げっぱなしのお菓子も片付けた。


ガタッ、


私はカウンターの内側に入ると、そのまま店の奥へと入っていった。


店の裏側は普通の家のようになっている。


毎朝私が入る裏口には玄関があり、その玄関から見て右側にシャワールーム、左側には店長の部屋と2階へとつながる階段がある。2階は物置小屋と化しているらしく、見るのも怖いので私はまだ2階に行ったことはない。


今は店側から見ているので、左側にシャワールーム、右側に店長の部屋と階段がそれぞれ見える。



〜ガラッ


部屋を開けると、やっぱり店長はごみ溜めの中心で爆睡していた。


美久さんが朝掃除してくれたので、部屋の汚さは全盛期に比べるとまだましな状態だが、たった半日で綺麗な部屋をごみ溜めにさせるのが店長の恐ろしさである。


「店長ーっ!」


…………………。


「店長ーっ!!」


………………………。


起きる気配はない。


私はいつものデコピン作戦を決行することにした。


だがその作戦を実行するに当たって、まずはごみ溜めの中心にたどり着くまでが一苦労なのである。


自分の足下を見ながら、散らかっているごみを踏まないように、恐る恐る店長へと近づく。


慎重に、注意深く……。


ところが、


「!」


ドンガラガッシャァァン!!


案の定、見事に転倒してしまった。


痛たた……。


頭から着地してしまったので、とても痛い。

でも怪我はないようだから、それは不幸中の幸いか。



その時、私の頭に何かが触れている気がした。


そして、それは優しく私の頭を撫でているようだった。


これは、手?誰の?…まさか………


「っ、店長?」


後ろから人の気配がする。


どうやら私は、店長のすぐ隣に着地してしまったようだ。着地地点が少しでもずれていたら踏み潰していたかも…。


頭だけ振り返ると、そこにはやはり寝息をたてて爆睡している店長の姿が。


「すぅ、すぅ……」


無意識に人の頭を撫でるとは、さては変態だな。


かく言う私も頭を撫でられるのが意外に気持ちいい。これでは私も変態になってしまうのだが……。


変態の汚名を被せられても許せるほど店長の手は温かくて、気持ち良かった。





いつの間にか私の体は店長の毛布の中だった。


相変わらず彼はすぅ、すぅと寝息をたてている。

私もだんだんと、眠くなってきた。

店のことなど、とうの昔に忘れていた。


少しずつ視界が狭くなる。どんどん意識が遠退いてゆく。まるで魔法にかけられたかのように、体がふわふわと………


それきり、私の記憶は途切れた。






「ん…ぅぅ」


私は自分の体温の高さで目を覚ました。


とても熱い。体の至るところから汗が出ている。そして、真っ暗。視界は何かで遮られている。


私は未だに朦朧とした意識の中、自分の視界を遮っている何かに手で触れてみた。



〜フワッ


布…? 布……? 毛布か!


私はここで、さっきまでの出来事を思い出した。

店で過ごす1人で退屈な夕方のこと。それを解消するために店長を起こしに来たらすってんころりんしてしまい、寝たままの店長に頭を撫でられるのが意外に心地良かったこと。


私、あのまま寝てたのか!


まずい!流石にお客さんは来ていないだろうが、泥棒にでも入られたら大変だ。店の鍵を閉めとかないと!


まずは店に戻って鍵を閉めよう。店長を起こすのはその後だ。


私は今度こそ転倒しないように慎重に、慎重に部屋を出る。


店は真っ暗だ。私が最後にこの部屋にいた夕方はまだ明るかったので、電気を点けていなかったのだ。



〜パチッ


電気を点けて、店内の様子を見て回る。


……。


……………。


何かが違う。


何かが何なのかは分からないが、確かにいつもと何かが違う。


さらに店内を詮索する私。


「むむ?」


カウンターで妙な紙を発見した。


私はどこからともなく白いピチピチの手袋を取り出すと、その紙を手にとって、自分の目線と同じ高さまで持ち上げる。


まるで刑事ドラマで証拠物を押収する場面のように、ジロジロとその紙をあらゆる方向から凝視する。


「ふむふむ、これは誰かに宛てた手紙のようですな」


声を低くして如何にも刑事っぽく言ってみたが、周りからの反応はない。当たり前だ。店内には私1人しかいないのだから。


この光景を店長に見られてたら恥ずかし過ぎるし、1人でこんなことをするのも寂し過ぎる。


という訳で刑事ごっこはおしまい。(ていうか、何故始まったのだろうか?)


私は手袋を服のポケットに入れると、改めてその手紙の内容を見てみる。


そこには、、


『せっかく来てやったのに、鍵開けたままで無人営業とは相変わらず適当だな。今日は俺のとこに来いよ! by井上』


井上?


うん。なんか聴いたことのある固有名詞だ。(※3話参照!)


多分、店長の友達だったと思う。


俺のとこ?


なんだろう。この人も何か店でも出しているのだろうか。


ていうか、この人不法侵入したんだな。まあ、流石に店の奥にまでは入ってないだろうと思うけど。


駄目な人間だ。


いや、営業中に店開けっぱで爆睡してる私らの方が悪いか。


とにかく、これ以上の不法侵入は止めなくてはならない。


私は店の入り口、ドアへと向かった。



〜カランカラン……


ドアを半分だけ開けると僅かに鈴の音がする。私も体を半分だけ外に出して、ドアに掛かっている札を取り替える。


新たな札には"準備中"の文字が。実際にはこの時間に準備など何一つしていないのだが、表向きはそうなっているのだ。


私はドアを閉めると内側から鍵を掛け、再び店の奥へと戻った。


とにかく、店長を起こさないと。井上さんも呼んでるみたいだし。



さっきまで自分が寝ていた部屋に入る。


しかし、そこに店長の姿は無かった。


代わりに反対側から、水が流れる音が聞こえる。


〜ザアァァァ……


シャワーを浴びているのか。


本当に珍しいことに、店長は自分で起きたみたいだ。


今朝だって、約束の時間をいくら過ぎても店を開けない店長に美久さんが痺れを切らし裏口から侵入→部屋に突入→叩き起こした。というお目覚めの経緯だったらしいし。


一先ず店に戻りテレビを点ける。



『さあ始まりました。今日は一体誰が連行されるのか!アハンポリスの時間です!!』


〜ワアアア〜!パチパチパチ!


テレビ画面の向こうでは、盛大なる歓声や拍手が沸き起こっている。


この番組は日曜日の午後8時から放送されているバラエティー番組。有名な芸人さんが集まっており、結構人気のある番組である。


にしても8時か。お腹空いたな……。


普通なら自分の部屋に戻る時間なのだが、井上さんのことも少し気になるし、まだ手紙の存在も知らせていないのでテレビを観ることにした。



〜5分後


「おはようー、ってもう夜かー」シャワーを浴び終えた店長が店に入ってきた。


なぜか服はいつもの部屋着ではなく、結構お洒落な外出着だった。


「店長、なんで服が外出着なんですか?ていうか、自力で起きるの珍しいですね」


「ん、なんか暑くて目が勝手に覚めたんだよ。服は……、あ、間違えた。僕は寝ぼけちゃってたのかな?アハハ……アハハハハ……」


挙動不審。その外出着には何か訳があるのか。


まあいいけど。あの人は元々謎だらけだし。


それはさておき……


「店長宛になんか手紙が来てましたよ」


「ん?なになに?井上くんから?で、今日は俺のとこに来いよ、か……」


「店長、井上さんって何してる人なんですか?」


「居酒屋だよー……。近所の」



近所の居酒屋と言えば心当たりがあった。


登校時も、放課後も"準備中"の札が掛かっている店。


そうか、居酒屋っていうのは夜営業しているものなのか。


私は居酒屋に入ったことがないので良くわからない。


「店長今から行くんですか?」


「う、うん。そうだけど。あのさ、彩音ちゃんも一緒に来ない?」


やっぱり何か違和感を覚える。話し方、態度。今日の店長はいつもの店長のそれとはどこか違う気がするのだった。


それはさておき。うーん、店長と外食か……。初めてだな。でも、場所は居酒屋かぁ。


「居酒屋に……ですか?」


聞いてどうにかなる訳では無いが、一応聞いてみる。


「うん。居酒屋に……だよ?」


わざわざ口調真似なくていいだろ。と思うが口には出さない。

この少し人をバカにした話し方はいつも通りの店長だ。


そして、この申し出に対して私が断る理由はない。


なので。


「良いですよ。でも奢りでお願いしますね?」


きっちり全額、お支払いは彼にお任せする。


「よし、いいよ。じゃあ行こうか!」


珍しく気前の良い店長はどこか、嬉しそうな顔だった。


日曜日の午後……。なんか切なくなりませんか?


私はなります……。


なんかね、もう休日が終わるのかって…


それだけです。すいません。



ここまで読んで下さった方、ありがとうございます!


これからも応援宜しくお願い致します!!



ではまたです`▽´)ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ