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私と店長の他愛もない話。  作者: 仮『どん』
私と店長のニセコイ計画。
18/41

#17 決戦当日。(1)

話はあまり進んでいません、申し訳ありません。

区切りが良くなったので出しました。


短いですが、是非読んでみて下さい。

喫茶店、朝の風景です。

――ピリリ、ピリリリ



朝、6時半。


携帯電話にセットしておいたアラームの音が、冷たい風と明るい光の射し込む部屋に、大げさに鳴り響いた。


「ん〜〜」


私は携帯のクリアーボタンを押し、やけにうるさいアラームを止めると、上半身だけを起こし、ベッドの上で1つ伸びをする。


今日は志村くんと莉那ちゃんが、喫茶店にやって来る日。

2人が来る8時までには、店長を起こして、店を開けておかなくてはならない。


私はむくりとベッドから起き上がると、早速朝のランニングを開始すべく、上下共にまだ新品のジャージに着替えた。



タッタッタッ……


まだ少し冷たさが残る初夏の早朝。

周りのひんやりとした空気を切り裂いて、私は町内を駆け抜ける。


さあ、どうです。

この健康的な姿は。

火曜日から始めて、今日で5日目。

毎朝10分のランニングは、最早私の習慣になりつつあるのです。



ランニングを終えると、汗を流すべく冷たい水でシャワーを。

流石に毎日毎日こんなことをしていると、水道代ももたないので、これは学校が休みの日だけの特権ということで。


だから、ちょっとばかしの優越感を味わえる。

5分間の冷たいシャワー。



以上、爽やかな朝を終え、手短に身支度を済ませると、テレビの右上には"6:58"の時刻が表示されていた。


そう。

ちょうど、占いカウントダウンの時間です。


私の星座は乙女座で。

今日の運勢は6位だった。


まあ、普通の順位。


運気を上げるポイントは、身近な人の発言に耳を傾けることらしいけど、身近な人=店長の発言なんか、耳を傾けても何も得られないと思う。


「ま、いいか」


私はテレビを消すと、恐らく絶賛爆睡中の店長を起こしに行くべく、自分の部屋を後にした。



◆◇◆◇◆◇



コーヒー豆が微かに香る、静かな朝の喫茶店。

そのカウンターの奥からは、今日も美味しそうな匂いが漂ってきます。


店長を起こした後、窓際のカーテンをいくつか開けて、僅かな光を浴びながら店の掃除に勤しんでいた私は、一旦手を止めるといつものカウンター席へと向かった。


「はい、いつものね」


「あ、今日もありがとうございます。……先生」


「え?今さらっと先生って言わなかった?」


「いってないへふよー」


目の前にはいつものモーニングA。

ほんのり塩味の効いたホットサンドを食べながら、私は適当に返事をする。


「やっぱり先生の作るホットサンドはおいしいです」


「ね?いま絶対に先生って言ったよね? やめてよ。僕史ワースト5に入る黒歴史を掘り起こすのは」


「むむ。次の金曜はもうテストですかー。早いですね。赤点を取ったら夏休みに"特別な授業"を受けなくちゃいけないらしいです。頑張らないと」


「無視した上にさりげなくワード混ぜてくるのやめて、お願いだから」


どうやら今日1日は、店長より優位に過ごせそうである。




◇◆◇◆◇◆




「なかなか来ないねぇ」


「そうですねー。ヒマだからしりとりでもしますか?」


現在、8時20分。

約束の時刻を過ぎても未だに姿を現さない2人だが、どうせ寝坊とかそんなところだろう。

まあ、気長に待つとしましょう。


「じゃあいきますよー。 “しりとり”」


「“鳥人間コンテスト”」


「……、ストレッチ」


「ツチノコ大発見」


「…………、え?いま何て!? ていうかこのしりとり何か変ですよね?」


「よね……ヨネ……? ん、米○涼子」


「」


「どうしたの?彩音ちゃん」


「降参です」


その言葉を聞いて、得意げにコーヒーを啜る店長。

まさか勝ったとか思ってるんじゃああるまいな。


ルール改造に加え名詞以外の語句の使用まで許可されたら、埒があかない。

大人な私は、あえて自ら身を引いただけ。


私はふうっと息を吐き、ふと目を閉じる。


(まぶた)の裏には、アンティークな時計の秒針が時を刻む音と、欠伸を噛み殺す店長がスポーツ新聞をパラパラと捲る音だけ。


――静かな音が、共に程よく調和する喫茶店。



〜カランカラン♪


そこに突然、軽やかな鈴の音が響いて、私と店長の束の間のひとときは一時の終わりを告げる。


「「お邪魔しまーす!」」


そして今度は、志村くんと莉那ちゃんの2人が店に入ってきた。


この瞬間から、私と店長は恋人同士(仮)。

決戦(?)の火蓋が、いよいよ切って落とされるのです。



→続きます。→→

ここまで読んで下さった方。

更新を待って下さった方。


皆様のお陰で頑張れます。


今回はあまり話が進んでいませんね、スイマセン。

喫茶店の朝の風景を書いてみたら、区切りが良くなったので1話として更新したのです。


次はしっかりと話が動くはずですので、長い目で待っていて頂けると幸いです。


ではまた!

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