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下
タァァァン……!!
ジョージの顔が跳ね上がった。血の飛沫が床の赤と同化する。
意志を亡くした人形はもんどりをうち、アンティークの椅子諸とも倒れた。
ジョージのルガーが撃鉄を引くことは無かった。ルガーは彼の死体の手に握られていたが、もはやそれの存在意義は鉄屑に等しい。
振り返ると、ニコルが微笑んでいた。
任務終了だ。
私兵の死体を通り抜け、廊下を引き返す。ビルの死体には額に風穴を開けられていた。
館から前庭に出て、VELLFIREに乗り込む。
すると、門が二人を阻むかのように下がり始めた。
ニコルはアクセルを踏んだ。
車は下がる鉄格子の間を抜けた。
そして、石橋を走る。
後ろに遠ざかっていく館を一瞥すると、二人はキスをした。