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VELLFIRE  作者: 和菓子
3/4

 タァァァン……!!


 ジョージの顔が跳ね上がった。血の飛沫が床の赤と同化する。

 意志を亡くした人形はもんどりをうち、アンティークの椅子諸とも倒れた。

 ジョージのルガーが撃鉄を引くことは無かった。ルガーは彼の死体の手に握られていたが、もはやそれの存在意義は鉄屑に等しい。

 振り返ると、ニコルが微笑んでいた。


 任務終了だ。


 私兵の死体を通り抜け、廊下を引き返す。ビルの死体には額に風穴を開けられていた。

 館から前庭に出て、VELLFIREに乗り込む。

 すると、門が二人を阻むかのように下がり始めた。

 ニコルはアクセルを踏んだ。


 車は下がる鉄格子の間を抜けた。

 そして、石橋を走る。

 後ろに遠ざかっていく館を一瞥すると、二人はキスをした。

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