第7章 批判と意義――ストレージ学派の問題点と魅力
7-1. 検証不能性と比喩にとどまる問題
ストレージ学派が言う「ビッグバン=ストレージ起動」「ブラックホール=シャットダウン」「最後の審判=大規模リストアと評価」は、すべて形而上学的な比喩であり、実験物理学や天文学の定量観測から直接裏付けがとれるわけではない。よって、神域物理学派の主張は、ロマン的な世界観の提示にとどまるという批判もある。
7-2. 宗教・神学界との温度差
“ストレージ学派”の論点は、聖書などの伝統宗教が説く神や救済論を情報理論やIT的メタファーで再解釈する点に面白さがある一方で、神学者・宗教家の中には「神を機械的プログラマとして扱うのは冒涜」とみなすケースもある。とはいえ、近年の若者の中にはIT的理解で神学を説明される方が納得しやすいという声もあるため、意見が分かれるところである。
7-3. 無限後退と根源的疑問
仮に創造主のストレージを想定するならば、“その創造主の世界は誰が作ったのか?”という無限後退が止まらない。しかし多くの神学では「神は自存」として根源的質疑を打ち切る。ストレージ学派も「神域そのものが存在の最上位層であり、さらに上位はない」と定義づけるか、あるいは無限に連鎖すると受け入れるか、どちらにせよ学派内でも見解が分かれる。




