「オフィシャル・ゾンビ」09
やっとそれらいしバトルが始まったと思ったら、よもやこんなことにw
かわいそうなタヌキくんですwww
オフィシャル・ゾンビ
ーOfficial Zombieー
09
これまでのおおざっぱないきさつ――
ある日、いきなり人外の亜人種である〝ゾンビ〟の認定・この宣告をされてしまったお笑い芸人、鬼沢。おなじくゾンビにして、その公式アンバサダーを名乗る後輩芸人の日下部によってバケモノの正体を暴かれ、あまつさえ真昼の街中に連れ出されてしまう。
そしてその果てに遭遇した、おなじくゾンビだという先輩のお笑い芸人、コバヤカワには突如として手合わせ、実地訓練がてらの実戦バトルを強要され、初日からまさかの〝ゾンビ・バトル〟へと引きずり込まれてしまうのだった……!
時は、ある休日の、それはうららかにした昼下がりのこと――。
戦いのはじまりを告げるゴングもなしに、いきなり〝バトル〟がはじまった……!
舞台は、閉鎖されて人気のない廃屋と化したオフィスビル――。
ギャラリーは、見てくれのおかしなクマがただの一匹。
そんな中で相対するは、有名なベテランのお笑い芸人と、正体不明のタヌキのバケモノだ……!!
タヌキは顔こそタヌキだが、この身体つきはまさしく人間のそれで、かつかなりの大柄、しっかりとみずからの二本のあんよで地面に立っている。
完璧な直立姿勢であり、それはまたこれを見守るクマも同様にしてだ。
もはや完全にとっちらかった状況で、完全にパニくったタヌキ、その実態は中堅どころのお笑い芸人の鬼沢が裏返った声を発する。
「い、いきなりなんだよっ! かかってこいって、何が何だかさんっぱりわかんないじゃん!! コバヤさん、俺、これじゃきっと手加減なんてできないよ? だってまだこの自分の状況にも慣れてないし、納得もできてないのに、バトルだなんて正気の沙汰じゃないっ! おい日下部、おまえも黙って見てないでなんとか言えよ!?」
そう思わず助けを求めようにも、黙ったきりのでかいクマはむしろ、一歩、二歩とその身を背後へと後ずさらせるのみだ。
完全に外野に徹している。
目の前でズイと一歩、みずからの右足を踏み出すオヤジが渋い声で言った。
「おう、いい加減に観念せい! オニザワ、おのれ今さら泣き言なんて言うてもしゃあないで? そないな見た目ばっかりでゾンビはつとまらへん! 実際に能力を発揮せにゃ、おのれはこの先、生き残ってはいかれへんのやさかい。ほな、とっと覚悟を決めい!!」
強い語気で迫られて、でかい図体の腰が引けて仕方ないタヌキの鬼沢は、毛皮で覆われた獣の顔面に濃い苦渋の色を浮かべた。
だのに今このキバをむきだして相手を威嚇するのは、果たしてそれが野生の動物の本能なのか、はたまたおのれの内の闘争心がなすものなのかもわからない。
するとこれを傍から冷静に見つめるクマ、さながらリングサイドのセコンドよろしくした日下部が言った。
「別に殺し合いをしろと言っているわけではありませんから、できる限りでいいんですよ。鬼沢さん? 本気でやっても目の前の先輩さんは、きっと互角かそれ以上にやり返してくれます。このおれが保証しますよ。かく言うこのおれも、以前はずいぶんと苦戦しましたからね?」
「はっは! そう言やそうやったな、ほならあの時の決着、今ここでつけたろか? そこのしょうもない腰抜けのタヌキをちゃっちゃとしばき回して! せや、こないなもんに三分もかからへんのやさかい!!」
「さ、三分? え、でも俺、今、こんなんだよ? 確かにコバヤさんてばいかにも男っぽくてワイルドなキャラで売ってるけど、現実に格闘技でそこまで強いだなんてイメージはないんじゃない?? でも戦うって、俺はどうしたらいいんだよ?」
とりあえずファイティングポーズを取ってはみせたものの、その先のアクションがまったくもって想像つきかねる鬼沢だ。
これに先輩芸人の怒声が響く。
「ええから! おのれの身体と心の向くままにやってみい、考えるよりも感じるままその身のなすがままにや! おのれがまごうことなき真のゾンビなら、その見てくれと特性に合ったおのれなりのやり方っちゅうもんが、おのずと見えてくるやろ?」
「は、え、いや、何がなんだかさっぱりわからないよっ…………あ、あれ?」
正直、何がなんだかさっぱりちんぷんかんぷんの鬼沢だが、自然とこの利き手がその腰のあたりにあった大きな腰袋みたいなものをまさぐっていて、そこからいざ取り出したものに目を丸くする。
ごつい指先には、ぴらり、といつぞやの白いハンカチらしきがつままれていた。用途がまるきり不明な、およそ見た目と実際のサイズ感がまったくもってそぐわない謎のアイテムだ。
それを間近で認めるオヤジの先輩芸人がちょっと小馬鹿にした感じで喉仏をクックと鳴らすのには、思わず内心で焦る鬼沢だ。
はっきりと顔にまで出して、声がすっかり裏返っていた。
「なんや? いきなりそないなハンカチなんぞ持ち出しよって、手品でもしようっちゅうんか、おのれは? はん、笑わせよるわ、よもやそないなもんがおのれの特殊能力なんか?」
「能力って、そんなの俺が知るわけないじゃん! こんなの手を拭く以外の使い方なんてなんにも思いつかないもんさっ、あ、だからなんでこんなにでかいんだよ!?」
指先で軽く振って開いたはずの一枚のハンカチが、その実やたらな大きさとボリュームでもって目の前にばさ、ばさり!と広がるのに、またしても困惑することしきりだ。
ともすればシーツよりももっとサイズがでかい感じで、もういっそ漁船の大漁旗のようにたなびく白い布に、はっ?と目を細めるベテランは渋い地声を震わせる。
「おいおい! なんや、マジでやるんか? 手品!! おいオニザワ、その見てくれでその芸人根性は見上げたもんやが、褒めてはやれん! いやちゅうか死ぬぞ、マジで? 悪いがそないなシャレが通じるような甘ったれた世界やあらへんのや、わいらみたいなゾンビの生きる獣道は!!」
「知らないよ! やるわけないじゃん!! 手品なんて知らないし、このハンカチはなんて言ったっけ、その、エックスなんたらっていう、なんかよくわかんないけど特殊なアイテムなんでしょ? でも使い方がさっぱりわからない!! それでも持ってるとなぜか安心感があるから、じゃあ悪いけどこれで戦うよ、俺!!」
「はあん、ゾンビのみが持ちうる疑似特性物質、それすなわち人呼んでX-NFT! いっちょまえに〝神具楽〟なんちゅうもんを扱えるのか? だが使い方がわからないならただの宝の持ち腐れやろ、そないなもんでどうやってこのおれにダメージを与えるっちゅうんや?」
「知らないよ! ただのでっかい布だもん!! でも使いようによってはどうにかできるもんなんじゃないの? そうだよ、ヘタに棍棒なんて持たされるよりかよっぽどこの俺の性に合ってる! 俺、暴力とかほんとにキライなんだよ!! だからもちろん、格闘技なんてのもマジで大っキライだ!!」
派手にたなびく白いマントを利き手で振り回して、目の前のオヤジの芸人を牽制するタヌキだ。まさしく闘牛士のマントもさながらだが、これを傍から眺めるクマが思案顔してついでに思ったことを口にする。
「こんな屋内で風もないのにバサバサと良くはためきますよね? まるでみずから意思を持ってるみたいだ! あるいは鬼沢さんの意思を反映しているんですかね? なるほど、だとしたらこれって本当に使いようだ……!」
「ふん、せやからそいつ自身が自然と身の回りに風を起こせる、〝風の属性持ち〟なんちゅうこともありよるんやないのか? そうやとしたらこのおれとは相性がすこぶる良くないのう! やりづらあてしゃあないわ!!」
「ああ、コバヤさんもどちからと言ったらそっち側の体質ですもんね? これはどうやら思いの外に面白い戦いになりそうです。ならばしっかりと見届けさせていただきますよ」
「おうよ、よう見とけ! しのぎを削る男と男の熱い生き様、しっかりとその脳裏に焼き付けとき! ほんまに見物やで!!」
「なんだよっ、俺はまだなんにも納得できてないんだから! とにかくどうすればいいんだよ、コバヤさんに一発入れればいいのか? てか、いいのかこんな真っ昼間から他事務所の先輩にそんなことして!?」
かなり自暴自棄になりかけてるタヌキがみずからの太いシッポをぶんぶん振り回して、ついでに利き手の白旗もぶんぶん振り乱してはわめき散らす。
覚めた目で見るクマがまた平然と答えた。
「はい。どうにか頑張って善戦してもらえれば……! いきなりあのコバヤさんに参ったを言わせるのはさすがに無理でしょうけど、あのひとがそれなりに手応えを感じられればそれでたぶん、御の字です。このおれも公正中立な立場と目で見ていますし……」
「おう、ええから全力で来いやタヌキ!! まずはこの人間の姿のままのおれと互角にやりおうて、無様な赤っ恥をさらさなければそれでOKや! おまけ万一にもこのおれの本性を暴くことができれば万々歳、褒美にうまいもんたらふくおごったるぞ! そこの立ち見のクマ助も込みでやな、せやからどうかこの他事務所の先輩さまにいい先輩ヅラをさせてくれや!!」
「なんだよっ、わけわかんないよ!! 俺はそんな暴力なんてものとは真逆のキャラで、この先はもっと家庭の主婦とか安定した家族層の支持を取り付けたいと思ってるんだから、こんなのPTAとかから嫌われちゃうじゃないか! お笑い芸人がやるようなことじゃないよっ!! ああっ、もう、この、このっ!!! ちくしょう、俺、きっとコバヤさんのことキライになっちゃうからねっ? あと日下部、もちろんおまえのこともだぞっ!!」
毛皮で覆われていても顔面真っ赤なのがわかる鬼沢の血相に、憎らしいことどこまでも落ち着き払った日下部はそのいかつい肩をすくめてみせるのみだ。もう余計な茶々は入れないでじっと静観することに決めたらしい。
持ち主の荒れた言葉と一緒に、バサバサとよりいっそうに激しくはためく一枚のマントかカーテン、もしくはベールと言えばいいのか?
薄っぺらい布が無闇に鼻先をかすめてそのたびに風を巻き起こすのを、少しめんどくさげに見やる先輩芸人のコバヤカワは、やがて小さく舌打ちして喉を鳴らす。
「なんや、こうしてよう見てみるとマジで邪魔なビラビラやの? だが要はただの一枚の布っキレやろ? ゆうてしまえば! だったらかまわずひったくってしまえば、おおっ! 待て待て、マジで意思があるんか? こっちが手を伸ばした途端に引っ込みおったぞ! あるいはおんどれ、マジで手品をやっとるんか??」
「やるわけないじゃん!! でもなんかコツがつかめてきたぞ、ほんとにこの俺の思う通りに動いてるみたいだ、理屈がさっぱりわからないけど! 触った感じの感触じゃ、どうやら柔らかくて伸び縮みがするけっこう丈夫な布っぽいから、これならきっとこのカタチも自由に変えられたりするのかな、えっと……!」
「うお、なんやっ!? おい、今っ、一瞬、へんな感じに形を変えよったぞ? どえらいブサイクな、バケモンみたいな?? コイツは、ひょっとしておまえの顔か、オニザワ!?」
「は? ブサイクで悪かったね!! んなわけないじゃん!! いやそうじゃなくて、もっとこう、こうゆうカンジにっ……!!」
利き手で掴んだ布とは逆の空いているほうの左手の拳にグッと力をこめて、何やらそのイメージを送り込んでいるらしい。
一枚の薄っぺらい布が、やがて大きな袋のように丸くなったかと思うと、やがてそこに微妙な凹凸を刻んでそれはそれは大きな握り拳のような形へと変化する……!!
タヌキがただちに大きな歓声を上げた。
「やったね! これぞでっかいグー・パンチじゃん!! 俺の思ったとおりだ、接近戦でいい年こいたおじさんとボコり合いだなんてまっぴらごめんだから、これで距離を取って応戦できるもん! あとこのぶにぶにの風船パンチなら、コバヤさんにケガをさせることもないでしょ? ははん、俺ってやっぱあったまいい!! みんな褒めてこの地頭!」
悦に入ったさまでえへんと胸を反らせるタヌキに、対するおやじがだがこちらもニヒルにせせら笑う。
おまけ少しもうろたえるでもなく目の前のでかい握り拳に、みずからの右パンチのストレートをかましてくれるのだった。
大きいだけで中身が空っぽの布製特大パンチは、これにいともたやすくはじかれる。
「ふんっ、こないに中身のすっかすかな空洞パンチ、怖いことなんてなんもあらへんやろ! かまわずに間を詰めてクロスレンジでのドツキ合いに持ち込むだけやっ、なんや、おのれはもうちょい能がある芸人やと思っとったが、がっかりやぞオニザワ!!」
「うるさいなっ! 世の中、バカスカ殴り合いばかりが能じゃないでしょうっ? あとその目の前にあるのがただのグー・パンチだと思ってたら、そんなの大間違いだからねっ、コバヤさん! なんならその証拠を見せてあげるよっ、せえーの、そうれっと、はい!!」
「ん、コイツは……うおおっ!! なんやこれはっ? まさかこないなことになりよるとは、オニザワ、おんどれ器用にもほどがあるやろっ! たまげたわ!!」
「へっへん! どんなもんだい!! さあ、そんな油断してるからだよ、コバヤさん? その状態じゃもうパンチもキックもできないし、降参するしかないんじゃない? ならここはめでたくこの俺の勝ちってことで……!!」
「…………」
傍で見ているだけのクマ、日下部にしてやったり顔でニンマリした視線を送るが、当の黒茶のクマの亜人は黙ったきりだ。
気のせいか、あんまり冴えないような暗い顔つきしている。
妙な違和感を感じるタヌキの亜人の鬼沢は、目の前で戦闘不能のはずの先輩芸人に視線を戻した。
するとどうしたことか、そのコバヤカワは口元にさっきよりもさらに不敵な笑みを浮かべて、喉仏をクックと鳴らしている。
はじめただのグーのパンチと見せかけた巨大な風船パンチが、実は握っていた拳を大きく広げてパーに、さらにその開いた五本の指をすかさず相手の身体に絡ませて、再び握り込むカタチに変形、しっかりとその身を拘束していたはずなのだが、相手は少しも動揺したそぶりがなくてむしろ余裕のありさまだ。
怪訝に見る鬼沢に先輩のお笑い芸人が言った。
「まあ、こないなもんは、力で無理矢理引きはがすこともできなくはないんやろうが、とりあえずほめてはやるぞ、オニザワ! だがあいにくまだ勝負はついてはおらへん、おお、むしろこっからや。よう見とき、真のゾンビのありさま、他に類を見ないおっそろしい戦いようっちゅうもんを、今からおのれに教えたるさかい、その五感であますことなくしっかりと体感せい!! ゆくぞっ、うおおらぁっ……くらえっ!!」
がっちりと巨大な拳で捕らえられ、その身体をがんじがらめにされたはずのベテラン芸人だ。なのにそれがその身を震わせて、ついには轟然と雄叫びを発する。
その瞬間、鬼気迫るようなやたらな迫力を感じたが、目の端ではクマ、同業の若手芸人がその身をビクっ!とこわばらせるようなおかしな気配も感じた。
で、そちらに目をやると、そこにはもうそのクマの姿はなかった。
いきなりこの姿をくらます、それはさながらその場を慌てて逃げ出したみたいなありさまに、大きな頭をはてと傾げるタヌキ人間だ。
またおまけにこの直後――。
目の前からは何やら巨大な、爆発音のごときものがいきなりのタイミングで巻き起こり……!?
ぶるおおおおおおおおおっんんーーーーーーーーんんっ!!
「え、なに、今の音っ……!? なんだ、なんだ? な、な、なっ! く、くさっ!? あれ、なんだコレ、まさか、へ? あ、く、くっさ、くさあ! くさいっ、くせっ、なんだよこのニオイっ、わっ、くさいくさいくさいっ!! ぐあああっ、くっさいいいいいいいいっ!!?」
「ぶわははっ、どうや! 手も足も出んでも出せるものはあったやろ? ピンチはチャンス、これぞまさしく形成逆転のどんでん返しや!! まだこの姿のままやから死ぬほどっちゅうことはあらへんが、これからトラウマ級のヤツをお見舞いしたるぞ? おのれがここまで気張ったのに免じて、このおれの隠された本性を見せたる。そんでもって格別くっさいヤツをブッこいたるわ!!」
「ひいっ、ひい! くさいっ、くさいっ、くさすぎて息ができない! なにこれ、なんなのこれ! ああっ、くさすぎるっ、信じられない、コバヤさん、今、屁をこいたのっ!? あのバカみたいなでっかい爆発音っ、うそだっ、こんなの人間のおならのニオイじゃないよっ、かいだことないもんっ、こんなに強烈なの!! ああっ、だから日下部のやつも逃げたんだっ、ずるいぞ日下部っ、誰か助けて! 死ぬっ、死んじゃうっ、くさいし、息できないし、メンタルもうボロボロだっ! ぐ、苦しいっ、くさっ、くるし、くさっ、くさっ、くさあ、くっせええええっっ!! 俺の鼻が死んじゃううっ!!!」
「おい待て、落ち着け! まだこれからやぞ!! これからこのおれのかっちょいい勇姿を拝ませてやるんやから、その目と耳をかっぽじってこっちに注目せい! おい、そこまでやあらへんやろ? 不意打ちとはいえちゃんと手加減してやったっちゅうんや!! おんどれアホちゃうか? そやったらその手にしてるびらびらのマントで、その周りの空気を振り払えばええっちゅうだけの話やろ!! ついでにそのまるで役に立たへんぶっといシッポもぶん回せ!! おいコラ、話が進まへんやろ!!」
「ああっ、ああん、あ、そうか! あっち行け! くさいのくさいの飛んでけぇ!! ああっ、少しは楽になってきたっ、ああ、でもまだくさい!! うわ、マントにニオイが移ってるぞ? くせっ、これじゃこの俺の身体も臭くなっちゃうじゃんか!! くうっ、バラエティの罰ゲームでだってここまでむごい仕打ちは受けたことないのに、俺、訴えるからね? コバヤさんのこと! おならで殺されそうになったって!! こんなの殺人だよ!!」
「好きにせい! そないな訴えが通るんなら、世の中警察もなんも必要あらへんやろが? それよりも注目すべきはこっちやぞ、おら、しかと拝めよ、この漢の中の漢、ジュードーコバヤカワのいまだ知られざるパワフルマッチョな真の姿! そのありえへんほどかっちょええ、まさしくスーパーヒーロー的なビジュアルをな!!」
「あ、え、なに、コバヤさんの身体が、見る見る内に見たことない姿にって、あれ、なんだ? これ、ま、まさか……ううっ!?」
仁王立ちしてそこで不気味な気配をまとう先輩のお笑い芸人は、不敵な笑みがぐにゃりといびつにカタチを変えていく――。
鬼沢が目を見張って見ているさなか、人間のそれとはほど遠い色かたちへと中年のオヤジがたちまちの内に変化変身するのだ。
三人目の〝ゾンビ〟が覚醒するのを目の当たりにするタヌキは、唖然としたまま開いた口がふさがらない。
さながら悪夢を見ているかの気分だった。
まずグロテスクなシルエットは、そこに悪魔的なイメージを強く想起させる。今の鬼沢にしてみたら、それこそはまさしく悪魔だったか?
やがてそこには思いも寄らないものが、まっこと恐るべき正体を現した……!!
※次回に続く……!
挿し絵がそれなり持ち直してきたような気がするのですが、気のせいなのか?
連載自体はずっと前に頓挫しているから、こちらかあちらでニーズが出ることを祈っています(^o^)




