2013年12月22日 島の神話
こんな夢を見た。
そこは王様が統治するある島だった。
島の学校が突然崩れた。危険なので、近辺は立入禁止とされた。
島では最近、突然地面が陥没する事故が多発している。学校の崩壊も、それが原因だ。そして、長雨も続いている。雨のせいで地盤が緩んでいるのでは、と意見があがっていた。
その意見は正しいように思うが、何か釈然としないものを王様は感じていた。
止まない雨。
荒れ狂う海。
上がる水位。
地面の陥没だけでなく、島が海に飲み込まれるのかもという不安が島民に広がりだしている。
王様の頭を、島の神話がよぎった。
降り続ける雨のせいで島が海に沈みかけた時、神々は島を持ち上げた
そんなある日、一人の少女が地面の陥没に巻き込まれた。
少女の身長よりも深くすっぽりと下に落ちたが、真っすぐに落ちたせいか幸い、少女に怪我はなかった。
登ろうと思えば登れる深さでもあった。
少女と共に行動していたが陥没に巻き込まれなかった祖父が、上から少女に手を伸ばしてくれている。
少女はその手を掴もうと、足掛かりを求めた。崩れやすくなっているので、少女が手や足をかけた側から土が崩れていく。
そんな中、土ではないものを少女の手が捉えた。ベルトのような、革の手触り。
その時、また、足元の土が崩れた。
だが、少女の体がさらに下に落ちる事はなかった。とっさに、ベルトのような物を掴んだためだ。
ベルトだけを頼りに、宙に浮いた状態で少女は見た。
足下にどこまでも広がる空間。
何本もの柱。
見上げれば、自分の手が掴んだベルトのような物は網のように柱の上部にめぐらされている。
少女の頭に、島の神話がよぎった。
降り続ける雨のせいで、島が海に沈みかけた時、神々は島を持ち上げた
少女は理解した。
自分が今まで暮らしていたのは、持ち上げられた地面であったのだと。
そして、慌てた。
持ち上げられた地面が崩れてしまえば、島は海に飲み込まれるのだ。
少女なんとか自力ではいあがり、祖父に自分が見た物を伝えた。
そこで目が覚めた。
島は救われただろうか。