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2022年8月18日 御披露目

 こんな夢を見た。




 私は子供で、一人、小学校の花壇にいた。


 レクリエーション中なのか休み時間中なのか、多くの子供があちこちで動き回っている。


 そんな中、場違いにいかつく堅苦しい雰囲気の大人の男が数名、私に近づいてきた。


 それを見て、ああ、ダメだったのか、と私は思う。


 男たちに促され私が向かったのは、小学校の隣り。

由緒ある寺で、以前私はここである人物と出会った。

今日、私がここに連れてこられた原因となる人物だ。


 彼は山門で私を出迎えた。

 平安装束で。


 彼は申し訳なさそうな表情で私を見た。謝罪はなかった。

 もう彼は簡単に謝意を口にだせる立場ではないので仕方がない。


 私は、寺の中で着替えることになった。

 私は御披露目に関係ないのだから必要ないと思うのだが、おとなしく従う。


 同じ場所で、彼の婚約者が十二単に身を包み嬉しそうにしていた。

 喜べているならなによりだ。


 彼と彼女はこれから、皇位継承者とその婚約者として御披露目される。彼は今までその存在を秘されていた皇族なのだ。


 御披露目と同時に立太子する彼。


 実はもう何年も前から進められていたこと。それを私は知っていた。


 たまたまだ。


 そして、秘密を知ったため私は彼の御披露目とあわせて彼の術者となることが強制的に決まった。


 私もまた隠していたのだ。類まれな呪術師であることを。


 彼と関わり、彼の関係者にバレてしまった。


 仕方ない。

 隠していたら彼を救えなかった。 

 仕方ない。

 出来れば自由でいたかったけど。

 仕方ない。

 逃げようと思えば逃げられるけれど。


 仕方ない。

 もうちょっと術者としての勉強を真面目にしよう。




 そこで目が覚めた。


 子供である夢の中の私は随分冷めていた。だが、仕方ない仕方ないと言いながら諦めて従っていた訳ではないようだ。


 彼と彼の婚約者の彼女のことを気に入っていたと思う。


 きっと、彼と彼女の事をしっかり守っていくだろう。

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