表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
佐藤ユウタはプレデターに転生したが異星人にモテても嬉しくねぇ  作者: にゅぷにゅぐ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/112

第80話「せんじょう」

あー、ねんまつ

皆さまよいお年を!

『ああああああステーション』は構造の中央部、宇宙港にて。

駐機場に泊まっているサトゥーの宇宙船、その操縦席でサトゥーとサメちゃんは平和にジュースを飲んでいた。


≪何か賑やかですね。じゅぞぞ~≫

「ね。何だろね。じゅぞぞ~」


二人が眺めているキャノピーの外、駐機場では何やらガショメズとガショメズが争っている。


サトゥーは当初、アナウンスと共に臨検隊が()()()に向かってきていたので、『もしや自分の船が嫌がらせで臨検されるのでは?』という疑念を抱いていた。

しかし直後、近くに停泊していたガショメズ船が臨検隊に向けていきなりビームを発射。

そして今は船から降下したガショメズ兵と、宇宙港のガショメズ兵とが目の前でドンパチ賑やかに戦っている。


どうやら臨検隊の目的は、『いきなりビームを発射したあの船』だったらしい。

内心、安堵するサトゥー。


(どうせガショメズの事だ。

 あの船が禁制の品でも運んでて、それを取り締まろうとした結果……ってとこだろ)


キャノピーからは、激しく撃ち合う両陣営が見える。

流れ(ビーム)が時折飛来するも、稼働させたバリア装置が早速活躍して全て弾いていた。


『チ、チチチチーー!!』

『きゃあああー!』

『うああ逃げろぉーー!』


駐機場にいた各種族が、戦闘に巻き込まれまいと一斉に逃げ出していく。

――のだが、その中に。


『『『~♪』』』


何故かスキップをしている集団が居た。

そのウッキウキな集団は逃げる群衆の流れに逆らいながら、何故か駐機場の方へと向かっていく。


それを見たサトゥー――


(む、まさか……あの愉快なシルエットは!?)




『 スペース奴ら 』


作詞:サトゥー  作曲:サトゥー


街をつつむ Fighting fog

 愉快な Silhouette 動き出せば

  それは紛れもなく ヤツら


ヤツら Leaving me blue

 ヤツら Fearing you true

  ヤツら Only huge debts after you


背中にまといつく 支払いは

 賠償という名の ものがたり

  許されるはずもない Violence & Violence


 SpaceYatura Ⓢ SATOO Record Co.Ltd



現れたのは奴ら。

それを見たサトゥーとサメちゃん、思わず叫ぶ。


「げぇヤウーシュ!」

≪で、出たーー!!≫


駐機場にスキップで現れたのは、ニコニコ顔のヤウーシュ達だった。


銀河の星が輝く陰で、闘争のリズムがこだまする。

星から星に泣く人と、特に関係ないけど宇宙の始末!

戦闘種族ヤウーシュがー! お呼びとあらば即、参上!(呼ばれてない)


戦いの熱に引き寄せられて……来ちゃった♡

闘争。

ヤウーシュ。

一つ屋根(ステーション)の下。

何も起きない筈が無く――


≪あれ……?

 あのヤウーシュの人たち、何もしませんね……?≫


――と思いきや、何も起きない。


意外、それは傍観!

駐機場に現れたヤウーシュ達は、ソワソワしながらも何故か戦闘に加わろうとしない。

サトゥーがその理由を説明し始める。


「あぁ、サメちゃん……あれね、待ってるの」

≪待つ……? 何をですか?≫

「もうすぐ来ると思うよ……。ほら来た」

≪……?≫


サトゥーの説明に、助手席でサメちゃんが首を傾げる。


やがて駐機場に答えが現れた。

それは外部から新たに駐機場へやって来たガショメズの一団で、彼らは長テーブルや複数の荷物を抱えている。そして戦闘エリアの外縁に長テーブルを並べると、抱えていた荷物――鳥かごの様なものを複数――をその上に陳列し始めた。


準備が終わると一斉に声を張り上げ始める。


『さぁ新装開店や!』

『新鮮なグ ㇷ゚ジヮ入ってるよ!』

『今ならレジャーシート付きや! 花柄もあるで!!』


戦場の真横で何を始めたのか。

サメちゃんがサトゥーへと尋ねる。


≪あれ……何してるんですか?≫

「弁当屋だね」

≪弁当屋≫

「戦場で臨時オープンするヤウーシュ向けの弁当屋で……ほら、ヤウーシュが動いた」


説明するサトゥーの言葉通りに、戦いを傍観していたヤウーシュ達が一斉に弁当屋へと走る。そして次々と弁当、そしてレジャーシートを買い付け始めた。


『その弁当Aくれ!』

『俺は弁当B! あとレジャーシートも!』

『毎度! 柄は何にするんや!?』

『あー……そのお星さまのやつにしてくれ!!』


飛ぶように商品が売れていく。


だが今、何故ここで?

そんな疑問を顔に浮かべているサメちゃんに、サトゥーが解説を続けた。


「ほら、ヤウーシュって喧嘩好きだから、戦闘と見るやすぐに参加したがるでしょ?」

≪それは……はい≫

「でも以前、部外者なのに乱入して『騒ぎを大きくした』って、アルタコから怒られた事があって……。そこで編み出されたのが、戦闘に介入したんじゃなくて『ピクニックしていたら偶然そこが戦場だった』理論」

≪ピクニックしていたら偶然そこが戦場だった理論≫

「自発的に戦闘へ介入したらダメだけど、いつどこでピクニックするかはヤウーシュの自由だから、たまたまピクニックしていたらそこが戦場で偶然巻き込まれました! って言うのが、彼ら『当てられ屋』の理屈」

≪当てられ屋≫


屁理屈やんけ。


呆れるサメちゃんとサトゥーが見ている先で、準備を済ませた『当てられ屋』達がズンズンと駐機場へ侵入(ピクニック)を開始する。

飛び交うビームをモノともせずに戦場の中央に居座ると、購入したばかりのお星さまレジャーシートを『ふぁさぁ』っと広げ、その上にどっかりと腰を下ろした。


『お前よォ、こないだのアレどうしたよォ!』

『おぉーあれかァ! あれはこう……アレしたよォ!』


そして談笑しながら、各々が弁当を広げ始める。


――と、そこへ。

駐機場に、更に『別の集団』が追加で現れた。


≪あれ……サトゥーさん。

 何か別のヤウーシュの集団? が来ましたけど……≫

「うん? あぁ、あれは――」


戦いの熱に引き寄せられて……さらに来ちゃった♡

しかも新たに現れたヤウーシュの集団は、何故か全員が武装を済ませている。

フル装備。

ヤウーシュ。

一つ屋根(バトルフィールド)の下。

何も起きない筈が無く――


≪うん……?

 新しく来たヤウーシュの人達、一体何を……?≫


――と思いきや、特に何も起きない。


新たにフル装備で現れたヤウーシュの一団は、そのまま参戦(ヒャッハー)する事なく、冷静に駐機場の外縁部で何か準備のような事を始めた。看板を立てたり、旗を立てたり――。

そして用意が終わると、一斉に声を張り上げ始める。


『暴力、暴力は要らんかね~!』

『遠からん者は()にも聞け! 近くば寄って目にも見よ! 我らギョカイン氏族、案件募集中ー!!』

『うおおおおお我こそは!! デヴァーン氏族最強の戦士コレダァケーなりィィィ!! 今ならお見積り無料ォォォ!!』


頭上で槍を振り回したり、飛び跳ねて身体能力をアピールしたり……。

そんな光景を眺めながら、サトゥーが解説した。


「あれは『押取(おっとり)屋』だね」

≪オットリャー?≫

「おっとり屋。武器を()っ取って駆けつけた、つまり大急ぎでやって来た"駆けつけ傭兵"って事。『当てられ屋』は被害者として参戦するけど、『押取屋』の方は正規の傭兵として雇われて参戦する感じかな」

≪なるほど……色んな戦略、戦略? があるんですね……。あ、じゃあサトゥーさん、あの(ヤウーシュ)たちは?≫

「ん?」


そう言って、キャノピーの外。

サメちゃんが指さした先には、更に更に別のヤウーシュの集団が居た。

しかし今度のヤウーシュの集団は、駐機場から離れた場所――宇宙港の外壁近く――で何やら大暴れをしている。


『レラレラレラレラ、ザッピ、モッツァレロ! ザッピ、モッツァレロォ!』

『ブンチキチキ、ブンツクツク、ペポパポピピペ、ハッハッハ! どれ、それ、あれ、そう!!』

『ペェェ~~! 何だっけ……忘れたァァワハハハハ!! ぜんぜん忘れたァァァワハハハァーー!!』


テンションが上がっているからだろうか。

暴れるヤウーシュ達は全く支離滅裂な事を叫びながら、宇宙港の備品を壊しまくっていた。その様を見ながら、しかしどこかワクワクした様子でサメちゃんがサトゥーへと尋ねる。


≪何か物凄い暴れてますけど……あの人たちは何て言うんですか!?≫

「あれはアバレ族だね」

≪アバレ族! それで、あのアバレ族にはどういう戦略が!?≫

「あれは暴れてるだけだね」

≪暴れてるだけ≫

「後でアルタコに怒られると思う。あと賠償請求が来るから、支払いする氏族長に絞られるんじゃないかな?」

≪なるほど……なるほど? なるほど……≫


せんじょうには。

いろんなヤウーシュが、いるらしい。


まこと銀河情勢とは、複雑怪奇なり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
7部アニメ化決定おめでとう
明けましておめでとうございます!コブラのオープニング、脳内再生余裕ッス。名曲ですよねー。
変わらず各種族の文化や性質がちゃんと書かれてておもしろい〜
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ