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愛玩人形

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

何も知らず、何も出来ず、庇護欲を抱かせるのが病的に上手い。そんな少女の話。


何時も、私に関係のある話は私の居ないところで進められ、そうして事が起こる直前に全て言い渡される。何時も蚊帳の外。何も知らされないまま、全てが終わっている。

だから聞いた事がある。『そんなに私はか弱いですか?』と。そうしたら、言い終わる寸前で返答が来た。『か弱い』と。『他の人間と比較しても、余りにか弱い』と。


少女と行動を共にする事になった。事前情報によると、世間知らずとの事だった。圧倒的に無垢で、何一つこの世界を知らないのだとあの方は仰った。

だから事前に事細かに説明を行った。私達が知り得る暗黙の了解に至るまで、須らく。

彼女はせっせと言われた事をメモに取り、私から言われた事を順繰り繰り返して、頭の中で整理をかける。細かい事をよく聞かれた。大して重要では無いことを細かく。

「君のそれは、わざとなのかな?」

目の前の少女にその一言を投げかける。少女は何を言っているか分からないという様に、酷く困惑した表情を浮かべた。それから視線を泳がせて、ぽつぽつ話し始める。

「何か間違った事をしましたか? やり方が違うですとか、此処がおかしいですとか……」

非常に困惑した顔をして、焦った様に質問を返す。自分が書いたメモを見返して、挙動不審になる。別に彼女は間違った事をしていない。万人が見ても、当たり前な行動をしている。

「あぁ、成程。わざとではないのか」

そうして作業が終わった。彼女はただ言われた通りに、機械的に事を終わらせた。


「愛玩人形で御座いますねぇ。あの子」

全てが終わった後に、あの方の元に訪れた。所謂、報告という奴だ。上の方は黙って顔を上げて、此方を凝視した。

「本当に何も知らない。きっとペンより重い物を持った事がないのでしょう。鞄の重さも、持ち方も、てんで分からない。挙動不審に奇天烈な行いをして、相手に手を焼かせる。そうして言われた事をただ従順に行う。なんの疑問も持たず。何も知らない無垢な子だからこそ、庇護欲を抱かずには居られない。もう、十の後半を迎えているのに」

本当に何も知らない子だった。世間知らずを通り越した、産まれたての赤子の様な子だった。違いと言ったら読み書きが出来ることくらい。

驚く程に素直で、従順。人から言われた事に反抗せず、ただ受け入れる。そうして何も出来ないからこそ、周りの人間の庇護欲が掻き立てられる。愛される事しか出来ない、圧倒的なまでの愛玩人形。

余りに自分に従順で、何一つ反抗せずに受け入れる子は人気ですよ。小説、現実問わず。

改めて、意志薄弱だとは思いますが


そうして何も知らず、傷付き易いからこそ、周りが段々と過保護になるんです。

何も出来ないから、此方で難しいのはやっとこうとか。

言ったら傷付くから、後ろで処理をしようとか。


文句を言われないから、事後報告でも問題ない。

傷付いてしまうから、本人の事でも蚊帳の外。

ただ可愛がられる、愛欲を満たすだけの人形。


それが『ただ素直なだけ』という事。


素直なのはいい事ですよ。

でも素直なだけなのは少し危ない。

悪意のある人に良いように利用されてしまうから。


神様の話でも良かったのですが。

生きてる年数が余りにも違うから、思考も大きく異なる。

神様視点では生きとし生けるものは、全て赤子だと思ってそうですし。

そうなると『ただ愛でるだけの存在』になってもおかしくはないかと。

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