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詩集・日ごとにひとひら  作者: 夜朝


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高校の思い出【自分語り】【過去】【しんみり】【前を向ける】

医務室


保健室


休憩室


何も言わないで


ただ


休ませてくれれば


それでいいんだよ


それだけで


高校の時


不意に何もかもが面倒になって


授業中に仮病を演じて


保健室に向かった


自分は演劇部だった


名ばかりの部員で


休みがちだったけど


人数が圧倒的に少なかったから


役をもらって大会に出てた


その頃の話なんだ


「具合が悪いんで


 休ませてください」


「あら


 どこが悪いの?」


「どこ……」


そこまで考えてなかった自分は


ベッドの中で


ふて寝でもしようと思っていたのに


保健の先生に捕まってしまって


したくもない話に付き合わされた


彼女は演劇部の副顧問だったんだ


ぽそぽそと最近のもやもやを話していると


いやいやながら続けていた


演劇の話になって


演じた後に


審査員の先生方の総括があるんだけど


他のみんなはそれぞれ


どこが良かったとか


あそこはまあまあだったねとか


色んな感想をもらっていたけど


自分だけは何も言われなかったから


そのことを保健の先生に言ったんだ


そしたら先生は


「そう?


 あなたは上手だと思ったけどね」


そんな風に


さらりと言ったのだ


自分は何故だか泣けてしまって


ころころころころ


涙を転がした


演劇なんて


そんなに真剣に


取り組んでたわけじゃない


むしろサボりがちだったし


それでも


認められたかったのかなぁって


ちょっとバカみたいだと思ったよ


好きなだけ泣いたら


何だかすっきりしてしまって


ふて寝するつもりだった自分は


「もう大丈夫?」


と聞かれて


元気よくうなずいていたんだ


演劇部は一年経たずに辞めたけど


得難い経験ができたから


決して無駄ではなかったなって


今にしてみれば


思うよ


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