769/966
晴れ間【現代】【日常】【小雨】
雨降りの朝に
傘をさしていた手のほうから
差し込んでくる光は
やわらかな薄金色
真っ直ぐに
アスファルトの路面を
照らしていく
その上にいくつもある水たまり
その表に光る膜が張る
まだ降り続く雨に期待して
前後左右の空を見回した
虹なんか
出てるかなって
心はときめく
見上げた空は
もうすぐ晴れそうな予感を宿した
淡い淡い薄雲がかかって
ぱたぱたと傘を叩く雨音が
少し弱まったのも
晴れ間の訪れを告げる
いい瞬間に思えた
思い切って傘を閉じると
少し髪が濡れたけど
それもまた
いいねって
思ったんだ




