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ふよふよよ
昔むかし
そのまた昔
まだ人が
はいはいの赤ん坊しか
いなかった頃のお話です
その頃
赤ん坊たちには
お乳をくれるお母さんが
いなかったので
赤ん坊たちはみんな
花の蜜を吸って
暮らしていました
花の蜜は千差万別
ひとなめで一か月は
お腹が空かなくなるもの
ゾウと同じくらい
体が大きくなるもの
たんぽぽのタネと同じくらい
体が小さくなるものなどなど
赤ん坊はそんな風に小さくなると
たんぽぽの綿毛につかまって
飛んでいきます
ふよふよよ
今日は良い風が吹いてるね
どこまでだって行けちゃいそうだよ
飛んでいきます
ふよふよよ




