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今度の目的地ってエンドレス豪雨?
見渡す限り
若緑色の 草の波
雲ひとつない 抜ける空
どこまでも交わらない 空と大地
──そう思って
周囲をぐるっと見回したら
違うものを見つけた
それは円柱状の豪雨
はるか彼方の空から
その真下の地面へと
水煙を上げて
怒涛のごとく
流れ落ちていく
──何だあれ
雲があるようにも見えないのに
そこだけゲリラ豪雨
「あそこが気になるか?」
肩に乗せてる生き物から
耳元に問いかけられて
うん
うなずいた
「それじゃ次の目的地はあそこだな!」
──ええ!
そんな簡単に!
濡れるの嫌だなと思ったけれど
順番が前後するだけで
いつかは必ず通る道だと教えられ
自分は首を縦に振った
支度しなきゃな
レインコートとか?
いやその前に何はともあれ傘か!
そうと決まれば善は急げ
街世界に戻って装備を整えるよ!
くるりとその場で回ると
一人と一匹は
その姿を消した




