675/967
怪盗のお望みは
セキュリティが
どんどん頑丈になっていって
それを破ろうとする一派も
どんどん手を変え品を変え
強固なガードを突破して
かの人は何がしたいんだい
初めのうちは
確かに
金品が目当てだったはずなのに
今となっては
破ることに意義がある
怪盗オリンピックみたいさ
「そんなに簡単に破れるんだったら
代わりに他の誰からも守ってよ!」
ぽろぽろ涙をこぼすヒロイン
それを見て
はっと息を呑む凄腕の怪盗
よくある展開に拍手喝采
「守ってやるよ
その代わり──」
彼が求めるものは
今も昔も
たったひとつ




