表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集・日ごとにひとひら  作者: 夜朝


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

653/970

逃避行


彼らは


生まれ故郷である


この世で最も高くに位置する


山脈の頂から


はるか遠くを望んで


山を下る決心をしたところ


わずかな手荷物が


逆にその意志の固さを物語るよう


彼らの顔はみな一様に笑んでいた


「この山は下るのは簡単だが


 登るのは非常に難しい


 覚悟しなさい


 其方らは恐らくもう二度と


 この景色を眺めることは


 叶わぬであろう」


彼らを見送る形の長老は


引き止めるでも


喜ぶでもなく


ただ淡々と未来を語った


それを聞いた彼らは


ふるさとの


朝を見て


昼を過ごして


夜の星に包まれて


澄み切った明け方に


旅立った


数日後


空気が薄まりすぎた山頂には


生き物は


誰も


残らなかったというよ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ