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思い出の中のひとへ
どんなに暗い海の底でも
息ができない高い山でも
隣にアナタがいてくれるなら
それだけで他に何も要らない
──そんな風に
頼られる人間になりたかった
不特定多数じゃなくていい
たった一人
キミにだけ
そうさ
オレの腕は二本しかないんだ
欲張ったって
手に入れられるものは
たかが知れてる
守れるものなんて
ほんのわずかだ
だから
あれもこれもなんて
欲をかかない
ただひとつ
ただひとりだけ
それだけをココロに描いて
今日も剣を振るう
そして
今はもういない
キミに捧げる




