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詩集・日ごとにひとひら  作者: 夜朝


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奇跡的な召喚【幻想】【事の起こり】【残念】

あの日の召喚の儀式は


我が国の命運をかけた


私にとっても一世一代の


大博打だった


城の最下層に眠る


巨大な魔法陣で


長い歴史の中


幾度となく繰り返された儀式


百回に一回


必ず奇跡的な成果をもたらすと


約束された魔導機構


魔族軍に攻め込まれ


わらにもすがる思いで


起動させたその魔法陣は


これまでの九十九回を


見事なまでの失敗で終わらせていた


約束された百回目の


奇跡的な成果を


善良な人々は


固唾を飲んで見守った


それは私も同様だ


どんな屈強な存在が


呼ばれてやってくるのだろう


陣の中央に闇が溜まった


中から出てきたのは


軍服のような


かっちりした衣服を着込んだ


妙齢の女性の姿


「わしを呼んだか」


声だけはしゃがれた老人男性の声


召喚を見届けた全員が


突っ込みたかったその声のギャップに


まだ気づかない軍服女性は


自分に集まる視線


そのもの言いたげな雰囲気に


首を傾げた


「どうした者ども」


「いや……老若男女どうなのかなって」


「え?」


どこからか取り出した


可愛らしい鏡に顔を映す


外見に見合った若い女性の声で


悲鳴が上がった


「やだっ、見た目が変わってない! サイアク!」


何となく奇跡を予感して


私は鎮痛な面持ちになった


「失敗か……」


奇跡的な



誰にも聞こえない声量で呟いた


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