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あの舞台へ
負けて
苦渋を飲んで
大地に膝をつき
どんなに落ち込んでも
ほんの少しだけ休んだら
しばらくも経たないうちに
戻ってきてしまうんだ
それは夢の舞台
そこに立つことさえできず
かろうじて舞台袖や楽屋から
舞台を見つめる瞳が熱い
いつかはあそこで
スポットライトを浴びてみせるから
そうしたら見に来てほしい
今すぐにじゃなかったとしても
きっと叶えてみせるよ
この願いだけは
愛を諦めて
恋を突き放して
プライドも捨てて
これだけ見つめてきた
すべてなくした後に
ひとつだけ残るものがあるとすれば
それは夢だから
いつかはあの舞台へ
飛び込んでいくんだ
この身ひとつで




