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詩集・日ごとにひとひら  作者: 夜朝


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花開く日

寝覚め前の


夢うつつの時間


何かの花の香りがした


ああ これは 夢だ


夢の中で自分は


巨大な花の上にいた


真白い花弁の上


すぐ側に


朝日を浴びて艶光る水滴からは


甘い香りが強く放たれていた


これは朝露じゃない


花の蜜なんだ


自分は腰に差していたストローで


その蜜を ちゅー と吸い上げた


みずみずしいさわやかな甘さは


人工の甘味料と違って


あと口がベタつかない


もっと欲しいと思ったけれども


他の仲間にも残しておこうと


いくつも残る蜜粒に


自分は口をつけなかった


濃い黄色の花粉をつけたおしべが


風を受けて少しだけ花粉を落とす


そうそう


忘れちゃいけない


蜜のお礼に


ちゃんと仕事をしなくちゃ


自分は花粉をたっぷり両手に取ると


隣に咲いてる同じ種類の花へと


その花粉を届けた


すると


どこからかとても良い香りがして


完全に目が覚めた


部屋の中では


大きな百合の花


昨夜までつぼみだったそれが


今朝はあでやかに咲き誇っていた


時は流れていくものだ


どんなにかたいつぼみでも


花開く日は


必ず来るってことさ


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― 新着の感想 ―
[良い点] 夢の中での、蝶のような不思議な体験を、自分もその感覚に浸りながら読ませていただきました。 他の仲間にも残しておこうとしたり、蜜のお礼に花粉を運んだり、溢れる優しさがとても伝わってきました…
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