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朝の電車
朝
電車の中
切り取られた日の光は
ひし形
前の席の背もたれに
ぽこんと浮かんだ
明度の差分
そっと
人差し指の先で
なぞってみる
わずかな温もり
まっさらな朝に
飛び込んできた
きらめきのスタンプ
ぽん ぽん ぽん
時に陰って
また現れて
光り輝く
その光を掬うように
かざした指先を
朝日のかけらは
ちか ちら ちか
照らしたり
温めたり
そうして
やがては
まぶしくなりすぎて
ブラインドを閉められて
残るは影ばかり
エアコンの涼しさに
ほっと息をついて
お日さまの温もりは
まだまだ
先の楽しみにしたいね




