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器【夜明け】【新しい息吹】
静かな夜の向こう側では
朝の光があふれ出ようとして
少しずつ地平線にたまっていく
それまで天を支配していた星たちは
ひとつ残らず空に消えていく
淡い雲がそこここで光って
風に吹かれて散り散りに溶けた
時間だけで良かったんだ
必要なものはそれだけ
心の中で
わだかまっていたすべて
折り重なってとぐろを巻いていた
嫌なモノすべてが
朝の息吹に溶けて
なくなっていく
ずっと続くと思ってた
もやもやとわいていた
真っ黒いおりは自己嫌悪
その日一番
生まれたての光に当たれば
消えて空になってく
器だけが残る
誰しも持ってる
同じ器を
何で埋めるか
どう埋めていくか
決めるのは自分自身だ




