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詩集・日ごとにひとひら  作者: 夜朝


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字がきたない

字がきたないんですよ


ていねいに書いても


へたくそ扱いされるんですよ


練習用に


大好きな百人一首を


なぞり書きする本を買ったのが


二十年くらい前の話


そうですね


予想通り


最初の一ページだけ使って


あとはきれいなまま


置いてある


だってもったいない


それならコピー用紙をあてて


その上になぞれば


そう親は言うけど


分かってしまったんだ


そう


めんどくさい


結局はそれなのだということ


そして今も


自分の字はきたないままで


ただでさえ読みづらいのに


急ぐと


後から読んだら


自分でもなんて書いてあるのかわからない


そんな残念な文字の羅列


せめてていねいに書くよ


だから時間をくださいね


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