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詩集・日ごとにひとひら  作者: 夜朝


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空に昇りたい歌い手

空の高みへ昇りたい


そして届けるんだ


この歌を


ら ら ら


ららら


地上から見上げるあの空は


どこまでも遠くて


今は届かない


けれどきっと近付いている


そう信じて歌ううたう


ら ら ら


ららら


そんな風に


遥か空を見上げながら


歌う人の


なんと多いことか


不可能じゃないはずだと


落ちていこうとする視線を


必死に食い止めて


見上げた空に声を上げる


歌をうたう


自分はここだよ


ここにいるよ


求めるものは


天空から降ろされる


あるいは蜘蛛の糸


またあるいは縄ばしご


ここに


ここに


降ろしてほしい


そしたらしっかり握りしめて


天まで昇っていくから


垂らされた糸がたくさん見える


すぐそばの歌い手がそれをつかんだ


ああ


伸びやかな歌声が


辺り一帯響き渡る


豊かな声量


あでやかな声質


選ばれるべくして選ばれた


かの歌い手を連れて


糸はぐんぐん巻き取られていく


残された人々の群れの中から


色んな歌が


生まれては


消えていった


望みはあの空へ昇ること


そしてこの歌を届けること


大空と大地へと


ら ら ら


ららら


ら ら ら


ららら


あの歌い手は


ずっとうたっていた


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