王子様なんていやしない その3
調べる間が無かったので“ネタ”使いまわししてます。
どうもすみません(^^;)
あと…
今回はエチ要素ありです。
苦手な方は
ごめんなさい<m(__)m>
ちょっと昔のだけど…
『職場恋愛の経験者は4割越え、結婚まで至るのはそのうちの24%』
って記事をネットで見た。
すると…10人に一人は職場結婚??
結婚後も二人がずっと同じ職場とも限らないから…
そう考えて周りを見直すと
うん、
意外に当たっているかも…
ただ
私は…該当しない。
なぜなら、職場恋愛でもしようものなら…『帰れなく』なるから。
なにかと経費の掛かる東京に縛られ、挙句の果てに“薄給”の同僚と結婚なんて!!
どうあがいても“社宅生活”は免れず、真っ暗な『完全無欠の社畜生活』へと突入だ!
想像するだに恐ろしい。
どうせ!!
「ちょっと良さそう」と思える人は『成約済み』の札が付いているし…残りカスが蠢いているのは見るにおぞましい。
まあ、向こうもそう思っているのかもだけど…
あと『社内不倫はなぜ多い?』って記事もあちこちで見るけど…
所詮、人とは身近、手近で事足りさせようとするものなのか…
まあ、一日で一番長く顔を合わせるのが職場の人だし…テレワークがスタンダードなこれからはまた変わっていくのかもだけど…“必然”っぽい事なのかなあ
フットネイルが乾く間…こんな事をポンヤリ考えているとスマホに“珍しい人”の名前が表示された。しかも電話だ!
「もしもし」
『ゴメンねー!突然電話して』
「ぜんぜん! 美月からの電話なんて大歓迎!! それにこっちはフットネイルしちゃったばかりで身動きとれないし」
「アハハハハ 何、女らしい事してんのよ!」
何年ぶりだろう?…
美月は…今は丸の内勤めだと聞いていたが…
その気さくな喋り方は女子校時代そのままだ!
私達の会話は一挙に“あの時代”にタイムスリップした。
懐かしくも恥ずかしい…
二人の“ドキドキ”の関係も思い出されて
少しだけ膝を閉じてしまう…
『そっか! 泰子も自分でフットネイルするようになったか! 昔は全部わたしがしてあげたのにね~』
「それは…美月が上手だからだよ」
『何が?』
「えっ?!」
『何が上手だった?』
「えっ?!…それは…」
その先は意味深な笑いで、ふたり、キャハキャハ笑った。
『で、今はどういう人と付き合ってるの?』
「えっ?! 無い!無い!」
『やだなあ~!“オトコの子”とだよ!』
「無いよぉ~!!」
『マジ~?! “いいなあ”って人くらいは居るでしょ?』
「ホント!無いのよ! 私、全然進歩してない…」
懐かしいノリに“つい”ほだされて…私は自分の近況を美月に告白していた…
『じゃあさ! 今度の土曜、会おうよ!』
どうせ…さしたる用事も無い(お金も無いのだが…)私だ。
美月からのお誘いは『願ったり叶ったり』だった。
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『丸の内線を大手町で降りたらホームを…進行方向の一番端まで行った所で待ち合わせしよう』
山手線内側エリアなどまったく不案内な私に美月が提案してくれた待ち合わせ場所に現れたのは…まさしく『東京に磨かれた』感バリバリの匂い立つような“レディ”だった。
予め『一番カチッとした白のブラウスを着て来て』とは言われていたが…美月は私をどこへ案内するつもりだろう…
地下通路から大きな吹き抜けへ出てエスカレーターを昇り、グレーの大理石調の壁横に切り取られたピカピカのガラス戸の前に立つと、奥からドアガールのお姉さんがやって来て「ご宿泊ですか?」と聞いた。
軽く会釈する美月の後を…
『ねっ! どういう事?!!』と聞く訳にもいかず、静々と従う。
1階のエントランスからエレベーターに乗り込むと美月は最上階の38階のボタンを押し、そのまま上へ…
美月がバックから出した折り畳みパスケースのようなキーをかざすとLEDが緑に点灯してドアの鍵は開いた。
明るい和テイストの部屋は私の“部屋”の3つ分はあろうかと言う広さで…明るい窓の外は、まさしく『都心』が見渡せた。
「アフタヌーンティーをこちらに持ってこさせるよう手配したから」
物珍しさに耐えきれず部屋の中をあちこち見て回ってる私に美月は声を掛ける。
「凄い!! ビューバスだぁ♪!」
「後で入ったら?! 気持ちいいわよ!」
片手に何かのパンフを持った美月はサラリと言う。
「ええ?? でも、ここ…」
いぶかし気に見る私に美月は微笑む。
「少なくとも今は、あなたと私だけの空間よ。だから二人だけのお茶会をまったりと楽しみましょ!」
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イ●スタもやっていない私なので、いつもはこんな事しないのだが、スマホで写真を撮りまくっていた。
可愛らしく豪華なアフタヌーンティーが運ばれて来た時もチョー感激で…写真を撮りまくりながら美月に質問を浴びせた。
その答えは
「お仕事が多忙なカレが…『私がいつも週末を楽しめるように』って用意してくれるの」
だった。
「カレ、寛人くんって言うんだけど…『私の事、あんまり放ったらかしにしていると、この部屋で浮気しちゃうぞ!』って言ってやったの! でもあんまり心配させて仕事が手に付かなくなると困るから一緒に謝ってくれる?」
「そりゃもちろん!! こんな素敵なお部屋で素敵なアフタヌーンティーをいただけたんだもん!」
悪戯好きな美月は(こういう所は昔も今も変わらないのか…)
わざわざ私をベッドに寝かせておいて、自分の身を横から滑り込ませてグイっと抱き寄せ、頬を私の髪に埋めながら二人の姿を自撮りした。
「うん! 熱~いふたりが撮れた!」
右手でカレシにメッセを送りながら左手は…いつしか…
昔の様に私を撫でていた。
「…ん…ねえ…寛人さんってどんな人?…」
「優しくて…仕事ができて…そうね…王子様みたいな人…」
「…はふん…いいなあ…あ、あン! そんな人…居るのに…ん、あ、あ、あ、あぅ…んな事…だめ…じゃない?」
「じゃ、止める?…」
蕩けさせる美月の手の激しさが増す!
「ん、ん、ん、嫌ぁぁ!!…アン! ふ、ん、んぅ~」
切なく悶える私の耳朶に美月は『囁き』を流し込む。
「まだ知らないの? オトコ?」
「ふ、う、う、ん…」
と頷く。
「重くない?」
「う、う、う、あん!あん!あぁ~! わかんないよぉ~ ん! あ、あ、だめぇ~!!」
「あなたの持っているのは『可能性の鍵』なのよ。正しく使えば自分の世界を広げられるわ。だから…私にすべて預けなさい」
親よりもずっと!私の事を隅々まで愛でてくれた美月は…その昔…私の王子様だった。
その腕の中で何度となく歓喜の涙を流した私は…今ではすっかり麗しいレディになったカノジョの指でくちびるで『奏で』られていた。
「そうだよ、泰子はね、ストラディバリウス。滑らかな肌触りに美しいカーブを持つボディ…そして魅惑な手触りのネックと可愛らしく繊細なFホールを持つ…奏でられた音色で昔も今も…私の心をかき乱す…もう我慢できない!」
そう言いながら激しく私を吸ってベッドの上で私を溶かした。
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天上からの夜景は想像以上だった。
戯れを洗い流すために美月が用意してくれたビューバスに浮かんだ私は夢心地だ。
私も…このまま違う世界に行けるのかな…
ホテルのふわふわのバスローブの横に置かれた可愛い紙袋は美月からのプレゼント…
中を覗くと色鮮やかな美しいランジェリーだった。
私は裸の胸に包みを抱え、上気した頬でこっそり美月に近付いた。
カレシに電話かしら…?
悪戯で驚かせて
また愛してもらって
カノジョの手で
このランジェリーを着けてもらおう…
後ろからそっと覗くと
少し気の無い声が聞こえて来る。
「やっぱり! 美月は私との方がいいんだ…」
嬉しさがこみ上げて来て聞き耳を立てる。
『突然電話しないでよ! ええ!ええ!確認したわ! 最高のコンディションに仕上げて、今ビューバスで身清め中よ! 後は陽太のお好み通りの…ランジェリーが透けた白ブラウスにするだけ! あと小一時間で来なよ! だけどあくまで“商品”なんだから! あなたが手を付けるのは陽太の後よ!』
グニャン!!
目の前の世界が大きく歪んだ。
私は手に持ったクソ包みを「trash can」に落としてステルス着替えし
エレベーターに飛び乗った。
その早い降下で涙を振り切らせて
タワーを出る頃には
“着拒”も完了していた。
。。。。。。
イラストです。
冒頭の…
自室でくつろぐ泰子さんです。
ホントにもう!
昔の知人からのいきなりの電話
何気に要注意??(^^;)
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