溶ける
詩のようなポエムのような。
境目あたりの書き捨てです。
それでもよければ。
とろり、と。
それはゆっくりと地面を侵食していった。
形など、当にわからなくなっている。
しかし、肌色をしたそれは、そのままの姿で、溶け続けていく。
再生と破壊を同時に繰り返している。
それは、何日、何ヵ月、あるいは、何年何百年と、溶け続けながら過ごしてきた。
ずっとそうしてきたのか、あるいは突然変異で溶け出したのか。
誰も、知らない。
もしかしたら、それも。
草は生い茂り、建物は朽ち果て、文明は発達し、人々は死に逝き。
それが当然の世界で、
彼、あるいは彼女は。
これから先も、ずっと溶け続けていく。
人知れず、ひっそりと。