【エッセイ】台湾旅行の思い出 ~ 台中編 ~
物語を中断して、ここで私の台湾旅行記みたいなものを差し挟みます。
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台湾へは3回、行きました。
台中へ1回と台北へ2回です。
海外旅行は今のところ、これだけです。
3回とも中国語がペラペラな連れと2人で。言葉が通じる人が一緒なのがとても心強かったです。
最初に行ったのは台中。訪れたのは2017年の冬でした。12月だったのに、とても暑くて……、びっくりしながら半袖Tシャツ1枚になって街を歩きました。
台湾を訪れる日本人のほとんどが台北か高雄にしか行かないそうで、台中には日本人に有名な観光スポットとかあまりないみたいです。私はどうせそういう所よりも現地の人の生活に触れてみたいほうなので、ただひたすらに連れと街を歩いて見て回りました。連れの目的はお気に入りのシンガーソングライターさんのライブが主だったので、私の散歩に快くつき合ってくれました。
「あれが宮原眼科だよ」
連れがそう言って示した建物は、古い大きな洋風建築の洋菓子屋さんでした。第二次世界大戦よりも前、この街で眼科を開いていた宮原さんの建物を、そのままお菓子屋さんに改造したみたい。
台湾は第二次世界大戦中までは日本だったのだそうです。日本人がインフラを整え、台湾の人たちに日本人名を与え、日本人として教育していたのだとか。実際、台中の街は昭和の時代の日本にタイムスリップしたいみたいで、異国情緒もあるけれど、時間旅行をした気分にも少しなれました。
でも日本語を喋れる人はほぼ皆無でした。
ホテルの受付の女性が日本語を喋れるとエクスペディアで聞いていたのですが、これが見事にカタコト。ほぼ簡単な単語しか喋れない。連れがいなかったら会話不可能……。
部屋はとても綺麗で安心。しかもダブルで料金約3千5百円ほどでした。台湾のホテルは人数いくらではなく、1室いくらなので、2人でもその値段! 激安でしかも朝食バイキング付き! お風呂は共同のシャワーしかありませんでしたが、これも綺麗なシャワールームで大満足でした。ちなみにその後行った台北にはこんな安いホテルはなく、ケチった結果散々な思いをすることになりますが……、それはまた後々お話ししましょう。
ちょっと不安だったのがトイレでした。台湾のトイレは水圧が弱く、トイレットペーパーも水に溶けにくいため、使った紙を便器に捨ててはいけないと言われていました。しかも便座に靴で上がる人が多いらしく、決して便座にお尻をつけるな、と……。便座に触れず、中腰で用を足せ、と……。
おそるおそるホテルのトイレに入ってみると……。まあ! なんて綺麗なトイレなのでしょう! 便座に敷く紙のシートも用意されていて、何の不便もなくしょわしょわ~することが出来ました。
ただ、目の前にでっかいゴミ箱みたいなのが置いてあって、使った紙はそこに入れなければいけなかった。
昼は台中公園を中心に歩いて回りました。公園には野生のリスがいて、かわいかった。結構大柄なリスさんで、私がにこにこ近づいて行くと、「敵だ! 逃げろ!」みたいな感じで木に登って逃げて行きました。それでよい、それでないと外敵にやられるからな。
地元の人しか入らないようなお店に入って、色々なものを食べました。牛肉麺、魯肉飯、肉肉しいソーセージ、陽春麺。正直昼に食べたものはどれもイマイチだったかな……。
感動したのが噂のタピオカミルクティー。ひねくれ者の私はミルク抹茶にしましたが……。
吸っても吸ってもタピオカが産まれて来る!
しかもでかい!
しかももっちもち!
ミルク抹茶も連れのミルクティーも香りがぴちぴち跳ねる勢いで、うまし!
こんな美味しいもの、まだこの世にあったんだ? そう思いました。
日本でもたぶん同じようなものが飲めるお店はあるのでしょうが、日本で飲んだら500円ぐらいするだろうものが175円とかですからね。とりあえずコンビニやスーパーで売ってるようなものとは違いすぎました。
びっくりしたのは街を歩いている女の子がみんな可愛かったことです。
その日は何かあったのか、なぜか女子中学生らしき子が大勢歩いてて、みんな健康的な褐色の肌をして、スタイルほっそりで、ナチュラルで顔つきも物凄く可愛かった。本当、褐色の妖精って感じだった。
たまに見かける大人の女性も、化粧っ気が全然なくて、ナチュラルに美人!
後に行った台北とはこれ、対照的でした。可愛い女の子が見たい人は台北よりも台中、オススメです!
街を歩いているとたまに歩道が通れなくなります。歩道上にバイクがびっしり停めてあるのです。
基本的に交通は、車もバイクも結構フリーダムな運転をしていて、なかなかニヤリとさせられます。日本みたいにスマホを見ながら自転車なんか漕いでたら、あっという間に轢かれることでしょう。はっきり言って、元気がよくて私は好きです。自分の身は自分で守れ!みたいな、そんな自由さが。
そんなんだから台湾の歩行者はしっかり命をかけていて足が速い。そう感じました。
作中でガフンちゃんが信号のない横断歩道をダッシュして渡る場面がありますが、あれは実際に台中で見た光景を元にしています。だだっ広い道に設けられた信号のない横断歩道を渡る時、40代ぐらいのお母さんと70代ぐらいのおばあちゃんが私達と並んで立っていました。
台湾の信号のない横断歩道は自動車優先です。2人の年配女性はハンターのように左右を素早く窺い、車の切れるのを待っていました。交通量が多く、バイクもよく走って来るのでなかなか隙間がありません。
私達が「ど、どこで渡ればいいんだ……」とキョロキョロしていると、僅かな隙を見つけたのか、2人の年配女性がダッシュでスタートしました。私達は彼女らを信じて、ついて駆け出しました。
速い! 速い! おばあちゃんの足がなんて速いんだ!
無事に渡りきることは出来ましたが、駆けっこではおばあちゃんに大差をつけられて負けました。
いやはや、『生きてる』って感じがしたよ。
夜は2人で街に出掛け、色んなお店を食べ歩きました。
小さな夜市が開かれていて、よくある観光夜市ではなく地元民用の夜市だったので、人も少なくて地味でしたが、日本にはないものが色々屋台で売っていて、楽しかった。
中でも2人ともが気に入ったのが台湾式バーベキュー。色んな食材が並べてある屋台で、好きなものをザルに取って黒いヒゲのおじさんに渡すと、その場で焼いてくれる。このおじさんがまたカッコよくて、そのまま映画に屋台の主人役で出演できそうな方でした。
「辛いソースかけるか?」と聞かれるので喜んでうなずいて(←辛いの好き
コンビニでビールをしこたま買い、近くの公園で2人で乾杯しました。
これがめちゃめちゃうまかった!
ホタテ?と揚げ豆腐、ソーセージ、豚の血をかためたコンニャクみたいなの、鶏肉、平天みたいなやつ、あとまだなんか買ったかな……とにかくいっぱい買ったのに、あまりの美味しさに手が止まらず、2回目を買いに走りました。素材がうまいんだな、と感じた。
台湾ビールの基本形、『金杯』。これ、最高。薄口だけどフルーティーな味があって、飲みやすくて超うまし。日本のビールでいえばプレモルから気取ったところを取った感じ。また、冷やせばキュキュッと、常温で飲んでもかえってまるまるっとした柔らかさが出て、どっちでも美味しかった!
他にフルーツビールも飲んだけど、人工くさい香料の味かと思いきや、これが嫌味のない、でも間違いなくフルーツって感じ(←語彙力……)で、意外なぐらいに美味しかったです。
おっと3000字を越えてしまった。
書き忘れたことないかな? ないよな?
えいっ! 投稿!




