四人のおじさん、古代遺跡にテレポートする
※凌辱はあってもエロ描写はしません。
※倫理的にNGだったり表現的な規制で通報されるようなら問答無用で消します。はい。
閑散としているボロボロの酒場にて、4人のおじさん達が卓を囲んでいた。そのうちの一人である筋肉ムキムキのマッチョマン風のおじさんは、極限まで水で薄められた安酒をグビグビと飲み下すと、大きく溜息をつく。
「ハァ…ハァ…、女もねぇ、金もねぇ、装備もねぇ、稼ぎ話もねぇ、俺達いつまでこうしてるんだ? 折角闇の軍勢に下ったってのにもう1ヶ月は女一人凌辱できてないせいで、いい加減俺様の#自主規制#がズボンからはちきれそうになってやがるぜ」
「もう少し落ち着けよジョン。もはやこのクソ不味い安酒くらいしか飲めず、馬小屋で雑魚寝するしかないとはいえ、今日には魔王様の使いが俺達に悪事を斡旋してくれるはずだ」
手入れだけはされているボロボロの皮鎧を身に纏い、口元以外の表情が殆ど見えない角付き兜を被った戦士風のおじさんは、上半身裸の筋肉達磨のジョンをなだめていた。
「ベン、そうは言うが……私達に何が出来るのだろうか? 近頃は闇の軍勢も劣勢を強いられてる。私達のような"クズ"が最前線の農村で略奪を働こうものなら、王都から派遣された馬鹿みたいに強い上級騎士に鎮圧されるのがオチだぞ」
自分を含めた四人のおじさん達をクズと称した騎士鎧風の男の名はレノン。彼は四人のおじさんの中では身なりや佇まいが一番綺麗で理知的であるが、あくまで"おじさんの中では"の話である。
「ああ!? 何が鎮圧だよ、チ#自主規制#を圧するのは女のマ#ピー#だけで良いに決まってんだろ」
ジョンという男は、脳味噌全てが筋肉と下半身だけで出来ている。ジョンだけに限らない、この場に存在する四人のおじさん達は皆、下半身に正直なのでジョンの下品な物言いに一々ツッコんだりはしない。むしろ、ツッコむのは下半身の役割だと確信しているくらいである。
「ヒヒッ、どうせ悪事を働くならやはり女を襲いたいぜ」
頭部がモヒカンでローブ姿の男の名はモウヒ。毛皮と書いてモウヒと読みたい所だが、モヒカンなのでむしろ頭部は肌面積の方が広い。そう、四人のおじさんは欲望に忠実なのだ。
「話は聞かせてもらった!」
突如、四人のおじさん以外の声が酒場に響くと、一瞬視界を埋め尽くす程の閃光が走った。
「なんだ!?」
驚いた四人のおじさん達の前に現れたのは、魔王当人であった。なお、騎士風の男レノン以外は魔王相手に跪いたりはしない。三人のおじさん達にはその程度の教養すらも身に着いてはいないからだ。
「お前達に丁度良い重大な任務がある」
「女は?」
もはや条件反射と言ってもいいレベルのジョンの反応に魔王はニヤりと笑ってみせると、テーブルに地図を広げていく。
「勿論だ。この目印の場所にある古代文明遺跡に、光の軍勢から遺跡探索者が派遣されているようでな、その大半が"女"だと報告を受けている」
「おお…」「ヒヒッ……」「へへっ……」「……」
四人のおじさん達はそれぞれ息を呑んだ。そして、
「つまり、その女共を凌辱すればいいんだな!?」
ジョンの頭悪い発言を受けてもなお、魔王様は割とフランクな顔をしている。
「お前達の意気込みは買うが、それはまず不可能だろう。"勇者"やそれに近しい戦闘能力の持ち主も遺跡探索者の一員である事が確認されているからな」
勇者とは、魔王を討ち果たせる可能性持つ者である。例えば、今の四人のおじさんが四千人のおじさんになったとしても、ものの1秒で殲滅できる程度には高い戦闘能力を有している。つまり、クズは何人集まってもクズであり、アリンコが幾ら人様に群がろうと気分次第で巣ごと水没させられるのがオチである。
「でだ。お前達には奴ら、光の軍勢が遺跡で何を探しているのかを調査してもらう」
「……魔王様、この任務で私達は支援をどの程度受けられるのでしょうか?」
「前に放った連中からの連絡は皆途絶えてるからな、基本的には"現地調達"だろうな」
「アッハイ」
どれ程戦闘能力がクズでも、偵察くらいなら一応出来なくはない。そして、クズなら偵察に失敗してその場で野垂れ死んだとしても、闇の軍勢にとっては全く痛手にはならない。
「では、早速遺跡までは余が魔法で転送してやろう」
【瞬間移動】
それは、選ばれた勇者か魔王だけが使える特権であり、一度行った事がある場所に瞬時にワープする魔法である。その恩恵を授かる事ができるのは、術者の周囲5mに居る者達だけであり、それ以外の制約はあんまりない。
眩い閃光が辺りを照らすと、四人のおじさんと魔王は古代遺跡の前に呆けた様子で立っていた。
瞬間移動という神の御業を体験した衝撃や、実際に任務を受けるという合意もとってないなければ、酒場で飲んだくれていたままの状態、即ち食糧や薬品や装備などの事前準備を一切してないだとか、遺跡に出現する化物の強さはどれくらいだとか、普通の人間が冷静であったなら懸念事項を数えればキリがない。
「うむ、着いたな。では一応お前達に余が作った念話ボールを渡しておこう。何かあったらこれで連絡をよこせ。ではな」
そう言い残し、魔王は閃光と共に消えてしまった。
「よし、行くか。女共が俺達に凌辱されるのを待っている」
戦士風のおじさん、ベンは清々しくそう言い放った。
「ああ!」
それに反対するおじさんはいない。四人のおじさんは遺跡の中へと踏み入れていったのだ。
※更新優先度は低い(下剋上ネタが思いついた時に逐次書く感じになるため)
人物紹介
・戦士風のおじさん:ベン
一応リーダー格で盾役、硬くて、強くて、遅い。アー〇ン。昔は冒険者っぽい事をしてたけど色々あってクズに堕ちた系。意外と熱血。
・騎士風のおじさん:レノン
回復魔法と魔法剣や攻撃魔法も使える騎士崩れ。悪く言えば器用貧乏。どちらかと言えば物理の方が得意。脱走騎士。地味に下戸。
・筋肉達磨のおじさん:ジョン
物理攻撃特化のおじさん。野性味があるので罠とかを直感で気づいたりする。巨〇。
・モヒカンおじさん:モウヒ
攻撃魔法専門おじさん。「汚物は消毒だぁ!」とファイアを繰り出すけど、豆腐みたいに柔らかいのでベンに毎回庇われてるのを地味に気にしていたりする。攻撃されると痛いし血もでる。地味に天才。
・魔王様
「全部お前がやれ」と言いたい所ではあるが、【テレポート】が使えるのが魔王様だけ、闇の軍勢自体非常に劣勢なので世界中を駆けずり回ってたりと案外多忙。彼に従う悪魔も基本的スタイルはエンジョイ&エキサイティングで人間を見下してるので、人事とか殆ど一人でやってる。
「世界観補足」
光の軍勢にとってモヒカンは経験値。以上。