パイ
前回までのあらすじ
わーい、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくです。
「なんだか、ここのギルドは段々と居座る者が多くなったのう。」
王都のギルドは本店になるので、冒険者が多く集まる。本店に難易度の高い依頼も多く集まるので当然だ。地方では近くにダンジョンや森が有り無しで冒険者の数も変わるが、クルドの町もダンジョン、塔や森が近くにあるが、初級に近い魔獣が多く、初級の冒険者が今までも多く集まる。
しかし、ここ最近、強力な魔獣が多く出没し、それに伴い中級レベルの冒険者まで顔を出す。さらに、ギルド支店長のパルル、【勇者】カイン、そして4つの称号を持つ非公式武闘家(本人が冒険者の登録を拒む為)ギャン。この強者が控えて何かあれば冒険者救出に来てくれるためクルドの町で冒険者デビューをする者がかなり増えた。
特にギャンは冒険者救出の事後費用が極端に安い。
事前にギャンに直接、「何時まで戻らなかったら救出頼む」と500G(500円)でも渡せば「気前がいいなあ。」と喜んで受けてくれる。
ただ、カインもギャンも居ないことが多いからこの町でのデビューはやめた方がいいとは、リズやベラが一声かけてはいるが、冒険者は増える一方だ。
町長は冒険者が増えれば安心と町に金が落ちると喜んでいる。
しかし、物価も上昇・・・とはならず、これまたギャンが格安で戦利品を流す為、物価も安定している。格安なのは、町全員の責任でもあるのだが・・・
ギャンが復帰しグリュネとベネットを連れて、森に入る。ギャンははじめ、ベネットと2人で森に入るつもりだった。回復系の仲間がいればいい。それほど危険な相手には出会わないだろう。それを聞いたグリュネが
「ギャンはなぜか危険な相手との遭遇が多い!私も行く!・・・2人だとギャンがいちゃいちゃと・・・ゴニョゴニョ・・・」
グリュネも守りながら、となると面倒だが、駄目と断る方が面倒だ。
何故か、ベネットが先頭を歩く。「ギャン、私の訓練でもいいかなあ?」
ギャンは自身の生活の為に魔獣探しに出たのだが、先日教皇からの依頼達成金が、20,000Gも出た。(実際は3,000万Gだが、こっそりパルルが抜いてまたギャン名義の預金に回す。)
また少し余裕が出来たので、ベネットの訓練でもいいかとギャンはOKを出す。
ついでに、グリュネも訓練。
グリュネもしばらく戦闘はみていない。
先日、グリュネは勉強の為、カインの訓練を見に行った。そこでの勇者パーティーの魔法使いをみて驚く。カインのパーティーの魔法使いアンネは直線単発魔法ではなく、広範囲若しくは複数魔法を唱えて相手に当たりやすい魔法を唱える。
ギャンの補助魔法の強化だけでなく、相手に当てる魔法も覚えたい。
「危険と判断したら俺が出るからな。」
ギャンはそう言うと後ろに下がる。ベネットとグリュネの2人は装備を整える。ベネットの服は前の十字架の横のラインがシースルーになっており、下乳が見えるのでエロイな~とガン見する。巨乳最高~と、叫びそうになる。
しかしグリュネを見てギャンは悩む。少し緩めの服を着るグリュネ。腰を曲げ、ブーツの紐を締め直す姿を見るギャン。ネックの部分も緩いせいか、前屈みになるとネックの隙間から、グリュネの小さな胸が丸見えだ。よく見るとさらにピンクの突起物が見えた。こ、これはベネットでは味わえないラッキーだ。微乳最高と叫びそうになる。
ギャンはグリュネをガン見してると、グリュネが視線に気が付き、
「な、なに?ギャン」
少し顔を赤らめながらグリュネが言う。
「あ、いや。靴はしっかり固定しなよ。戦闘中は走るから・・・」
とワザとその態勢を維持させるようなセリフを言う。
記憶にしっかり残すギャン。先頭をベネットにしてその後ろにグリュネ。さらに後方でギャンが控える。
少し歩くとデュラハンに出会う。この森に前はいなかったはず。なかなかの強敵に出会ったな。
ベネットがデュラハンに向けて走り出す。戦闘準備中にギャンから言われたことがある。魔獣は基本大きい相手も、小さい相手も、上段からの袈裟斬りで来ることが多い。特に頭部に向けての攻撃が多いので、1発目をかわすと同時に攻撃に入る体勢を維持し魔獣に一撃を加えること。
予定通り、デュラハンはベネットの頭部めがけて剣を振り下ろした。
あらかじめわかる攻撃をかわす。ベネットはメイスの持ち手の端を持ち、力を込めてというより、メイスのヘッドの動きを利用し自然にまかせた動きでデュラハンを殴る。
「あまり、感触がない・・・」
ベネットは不安に思うが、デュラハンがくの字に曲がりダメージを受けた姿を見て、以前ギャンに指導された戦い方に自信と確信が芽生えた。デュラハンがダメージを受けたのを見てグリュネが、火球を連打する【火憐花】。デュラハンに数発火球が当たる。
ギャンは頭を掻く。『惜しい、相手の足が止まっている時には豪火以上の大きな魔法が良かったな』
デュラハンが乗る馬にダメージが蓄積し、デュラハンは馬から降りた。ギャンは、『相手が馬に乗っている間にさらにダメージが欲しかったな』と考える。ただし、デュラハンが馬を使い突進の攻撃がなくなった事には安堵した。騎馬での攻撃は通常の圧力とは違い威圧感、スピード等で魔法の使うタイミングがなくなり、グリュネは逃げの選択のみとなる。
デュラハンが馬から降りると、馬上からの攻撃と違い剣のパターンが増える。ベネットには荷が重いかもな。
デュラハンがグリュネに向かっていく。ベネットがその動きを止めるためデュラハンに攻撃を仕掛ける。
「グリュネ!ベネットが足止めしてるうちに土系の魔法を!」
ギャンは思わず口出ししてしまう。
グリュネは土を固めて石のような硬さの、土弾を放つ。
ガーン!デュラハンの鎧に当たる音が響く。
デュラハンはベネットの攻撃を剣で受け止め、足でベネットの腹を蹴り、ベネットを倒す。
そして、魔法を放つグリュネの方に向かう。
グリュネは後退りする。が、後ろにギャンが立ち、後退できない。
「ギャン?!」
ギャンはグリュネを後ろから抱きしめ上体を再度、デュラハンに向けさせた。
「グリュネ、彼奴は剣の扱いは凄いが、動きは遅い!まずは足止めだ。」
グリュネは急ぎ、デュラハンの傍に水の魔法をかけ、すぐさま、土魔法をかけ、泥沼を作る【黄泉沼】。デュラハンは下半身が沼につかり前進のスピードが落ちた。
「グリュネ、あとは残りの魔力で大技を!」
土の魔法に白の魔法を加えてさらに黒の魔法を少量加える。デュラハンの上から大きな足が落ちる。
「いけ~!【サンダルフォン】!」
ドーンという大きな音と共にデュラハンを踏みつける。
「やったか?!」
ギャンはデュラハンを見るが、まだ動いている。
「ちっ、足止めの黄泉沼のせいで少しクッションになったか?」
しかし、沼にはまらない様に、大きくジャンプしてデュラハンの頭部をメイスで殴るベネット。
「ナイス判断!」
ベネットのメイスでデュラハンを倒した。
「すげえな!2人じゃ無理かと思ったよ」
「・・・ギャン・・・それより・・・」
グリュネが手を抓る。
「タッチ、マイ、パイ!」
・・・後ろから抱きしめた時グリュネの胸を掴んでいたギャン。
「ノー、タッチ、パイ!」
小さすぎて、わからなかったと言い訳するが、尚更、グリュネは怒る。
ベネットが、ギャンの傍に来て、
「私の胸の方が揉みごたえがありますよ」
何て言うからさらにグリュネが怒りまくる。
「こんなことなら、俺が戦闘した方が楽だったわ!」
次回予告
そろそろ、バンパイアとの再戦をと思うが、
「安西先生、そろそろおっぱい揉みたいです」
と俺が暴れ出しそうです。
次回
「パイパイ」