カッチカチ
「うみゅ~♪可愛いのお、スーちゃん」
「ゲコゲコ♪」
傍から見るとスーは人と蛙の中間にしか見えない。そのスーを可愛いという、魔族の女の子。
殺して魔石を獲ろうとした相手を何故か家に上がらせた。魔族の女の子。名前はマーゾ。
根っからの変態ぽい名前だ。しかし、スーをかわいいという子だ。悪い子ではないのだろう。
マーゾは四つん這いのままギャンの方に向きを変える。「今日はもう遅いのでここで一泊させてくれ。」!!緩めのふわりとした黒のへそ出しTシャツにショートパンツ。ギャンに顔を向けることによってTシャツのネックの隙間から小さい膨らみ胸と乳首が丸見え。
「こちらA地区、突起物発見、ピンクのビー地区です!!」
追い出す気力がないわ。もういいわ。
数時間後、ギャンは後悔する。寝相が悪いマーゾが人の耳朶をチュウチュウ吸いながら寝る。興奮して眠れない、ギャン。
「ギャンのヤツ遅いのう。」パルル支店長はいつものようにギャンはまだかと心配する。ギャンの強さはアンタが一番知ってるでしょ。栗鼠人のリズが心の中で毒舌を吐く。
ギャンが町に来た。いつものように魔石とドロップアイテム、素材を金に換えに来たか。
「くそー!寝不足と、こいつに苦戦して1匹しか狩れなかった。」
「まあ。そんな日もありますよ。」栗鼠人のリズは残念そうな顔を作りギャンに話しかける。
ゴドン!ギャンの手から石が落とされる。これは!!「ちょっ、ちょっと待って下さい。」
と支店長室に行く。「支店長、ギャンの持ってきた素材見てください。」「ちょっと待て!今髪を梳かして、綺麗な服を・・・」「そんな事どうでもいいです!」「まっ、待て!ギャンに嫌われ・・・」リズに無理矢理引っ張られてギャンの元に行く。
「支店長これいくらかならない?」
こっ、これはメタルスライムのドロップアイテム【メタルスライムの剣の玉】通称メタルのキャンタマ。3つそろうとメタルスライムの剣という不懐性の剣。
「ひゃ・・・100G・・・だな。」相変わらずギャンには厳しい(+_+)
「まあ3つあれば、計500Gにするよ」
「そうか!以前に同じ相手から獲った玉を狸の置物に、金玉かわりに付けておいたから、2つあるわ。急いで取ってくる。」ギャンが猛ダッシュで取りに帰る。
・・・「支店長、メタルのキャンタマ。1個100万Gもする超レア素材ですが。鬼ですか。」
・・・「流石にギャンさんが可哀そうすぎます。」
・・・「ばれたら、店長の自称【ギャンの恋人に一番近い女】から【ギャンの殺意に一番近い女】に変わりますよ」
やめい!今晩枕がぐっしょり濡れそうだ。(T_T)
ギャンは今朝からの事を思い出す。
朝から周っても魔物に会わない。まあそんな日もあるわな。・・・ってこれだと収入がなくて飢える日がすぐ来るわ!昨日大金が入ったからと言ってもすぐ無くなる。
何かいないか、ギャンはかなり神経を研ぎ澄まし、ようやく発見する。
こいつか。厄介事が続くな。こいつは固くて速い。メタルスライム!
メタルスライムはクルクルと回転しだすと、ギャンの右脇をすり抜ける様に逃げる。右手で受け止めるが、重い。そのままギャンは体全体を回転させメタルスライムの力を腕1本で吸収せず、体全体で吸収。そのまま持ち上げて地面に叩きつける。が見た目ダメージゼロ。そのままメタルスライムがギャンの頭目掛けて飛ぶ。ギャンは両手で捕まえてそのまま後方にバク転、着地。そのまま上に飛び、地面にメタルスライムを投げ、落下の勢いでメタルスライムに正拳突きを繰り出す。
「痛っつ~。」堅いメタルスライムに正拳突をしても逆にこっちがダメージ喰らう。一度逃がすと最後。このスピードでもう追いつけない。
神経を集中して、捕まえる、投げるを繰り返す。2時間かけてようやく倒す。
これ相手に、負けは無いが、マーゾより厄介だったな。
「ほら、あと2つ。」パルルに残りを渡す。500Gゲット。
よし!と喜ぶギャンの顔を見ると心苦しい。隣のリズがジト目でこちらを見る。ヤメろ!そんな目でみるな。
「助かった。コロッケ3つ買って帰ろう。」
「何3つ?」
「ああ昨日から女の子が泊まりに来て、夜通し寝かせてくれない。」
「なっ、女の子?夜通し?」
「天罰ですね、店長。」
「なんで付いてくる?」
「うむ、丁度森で鍛えようと思ってな。」
「店長強いのに何故フル装備!」
「今宵、男をたぶらかす、不届き者を成敗せねば」
??なんだ??森にサッキュバスでも出現したのか??
「言っとくけど家に泊めないからな!」
「おう、鍋料理のセットとお泊りセット、おニューの下着。準備万端じゃ。布団はギャンと一つでいいぞ!」
「泊めねえって言ってんだろ!」
次回予告
パン工場に行きました。見学です。
パンが流れてくるかと思ったら、ダッチワイフ。
うん?オリエント工業?
試食会の変わりに試射会!わーい。
次回
「夢みたい」