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狩人ですが

豪勢な馬車が倒れている。6名の護衛の剣士が地面に横たわっている。

「ぐうっ」呻き声を上げる者もいるが、反応が全くない者もいる。

ワーベアが涎を垂らしながら、泣き叫ぶ女の子1人とその侍女2人を今、喰らいそうにしている。妹よお兄ちゃんは、今日はツキがないです(+_+)。

しょうがないですね。今俺が助けてあげますよ。

「やいやい、貴様!女の子・・・」

ワーベアの右手の振り下ろしが見事に俺の頭に当たり吹っ飛んだ。

「いで~!」

始まって数行で死ぬところだったわ!

「この位で許したるわ。熊公とっとと家に帰れ!」

シーン・・・反応なし。おう、それならやったるわ!

左足を前に右足を後ろにし右手は開いて顔面の前、左手を軽く握り腰辺りでてを揺らす。急所を突かれないように摺足で相手に近づく。

また右手を振り下ろすワーベア。

ダッキングして右手の攻撃をかわす。そのままワーベアの右手の毛を右手で掴み、奥に引っ張る。そのままワーベアの脇腹に左拳を打つ。さらにワーベアの右手を引き込み、左拳を引く軌道を変えて肘をワーベアの右腕に当てる。

「うん?これじゃあ倒れない?」

怒るワーベアが両手を上げて怒りを表現する。バカだな。前に出ている俺の左足をワーベアの右膝裏を刈るように思いっきり蹴る。バランスを崩したワーベアが倒れる。倒れるワーベアに合わせて一緒に倒れるようにし、眉間に肘を入れる。「グアアアア」ほれほれ、さすがに痛かったろう!

うん終了。女の子は逃げたかな?っておい!先程のまま侍女とへたり込んでいる。

「なんで逃げないかなあ(*_*)素手なんですけど俺」

「ああ、腰が抜けてたてません。」

めんどくさ。ホセ=メンドクサ。ワーベアが四つん這いになり、もうタックルしましょうかなんて顔してます。タックルなんてくると判断できると対処方があるのに。ワーベアはタックルし噛みつくと、コンボでの攻撃丸わかりじゃねーか!

右足を前に左足を後ろにする。こんどは重心を右足に持ってきて態勢を低く、前に両手を持ってくる。突進するワーベア。少し重心を後ろにし、右足を大きく踏み込むと同時に後方においた左足膝を飛ぶように前に出し、突進するワーベアの顎に思いっきりヒットさせる。ワーベアの上体が浮く。さらに、ワーベアの目を目掛けて左手の甲を撃ち込む。上体がさらに上がる。すかさず横から右膝、左肘をワーベアの顎に当て下から右肘を当てる。さらに懐に入り蹴り上げるように左足を顎に当てる。ワーベアはそのまま後ろに倒れ込んだ。

「ハイハイ終了。」毛皮のコートでも作ろうかな。ワーベアの革を剥ぐ。

「ああ、あのう、そこの方」

「なんだね、あそこの子」なんだか面倒なことにならないように冷たく言ってみる。

「助けて頂いてありがとうございます。すみませんが、もう一つ助けていただきたいのですが・・・

。近くの町まで送っていただけませんか?」

「うーん無理だな。その倒れている6人と、貴方達3人を庇いながら町まで送るなんてまず無理。せめて馬車が直ればね。

護衛の剣士が歩ければいいが、死んでる奴もいる。死体を放置するのか、生きているヤツも背負えば魔獣に見つかると先制攻撃を許してしまう。


「死体は放置せず、ここに埋めます。残る剣士は回復薬で処置し自己防衛に専念してもらいます。貴方は私達3人の防衛にまわります。」

ほう、冷静で素早く的確な判断だ。放置なんてすれば、他の魔獣がオイニーで直ぐに集まってくるからね。

ちらりと女の子に目をやる。ブーッ!鼻血がドバドバでる。大股広げて・・・パンツ職人が一体何日かけて作ったわからないレースのパンツが丸見えです。エロエロですよ!

「先程の戦いで怪我を?」

「頭の怪我はそうですが、鼻はたった今怪我をしました。」

「??」


死体を埋める、町まで送る。毛皮を売って、食料品を買う。急いで妹の元に帰る。

ぽくぽくぽく、チーン!

「兎に角、急いでくれ。家に妹1人なので死体の処理に時間がかかると護衛なんてできないぞ!」

生きている剣士2人に回復薬を飲ませる。

うん、回復薬終了。おいっ!準備悪すぎ!回復薬少なすぎ!

「すみません回復薬はもう何度も襲われたので、残っておりません。」

「何度も襲われる?ここ一応街道なので魔獣は少ないはずだが?」

「これのせいかもしれません」

女の子が、鞄からスッと何かを取り出す。うん?卵?・・・よくみると卵に邪悪そうな顔が!うっ、気持ち悪っ!ナニコレ?

「何だか分かりませんが、これを教会の本部に持って行く最中でして。武闘家様の護衛があれば教会まで安心なのですが・・・」

「武闘家はどこに?」

「?今私の目の前に・・・」

「あのお、俺、武器も買えない貧乏狩人ですが?」

「はい??でも今素手で?」

「狩人だけど道具が買えないから、素手なだけです。とりあえず、町で騎士でも護衛につけて教会本部の旅でもしてください。」

「あ、お金なら払いますから。」

「うん無理。妹1人置いてけません。町まではなんとか送りますよ~」


残念そうな顔されてもねえ。どうでもいいけど、早くしないと町にも送れませんよ。


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