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異能の星

二作目になります。

一作目と並行して執筆しますので更新頻度は期待しないで下さい。


拙い文章ですが、厨二心を再現した熱い内容にしていきたいです。


暖かい目でお読みください。



異能の星。かつてそう呼ばれた惑星が存在した。



この星で生まれた子供は皆、何故か特別な力を持って生まれてきた。人よりも異常に足が早かったり、火を自在に操ることができたり、空を飛べたりと。

簡単にいうと超能力のようなものである。



星に住む人々は、初めはその能力のおかげで豊かな暮らしや快適な日常を送っていたそうだ。



しかし、人間というものは欲望に走る生き物である。次第に人々は能力を悪い方に利用しはじめた。


争いの道具として、人を傷つけていった結果、星に住む人の数はみるみる内に減っていく。


そんな悲惨な状況を憂いた当時の星の(おさ)は一つの掟を作り、人々に遵守させた。


聞き及んだ所によると、星の長の能力は「契約化(けいやくか)」と呼ばれ、ある一つの取り決めを定め、それを指定した人々に遵守させるというとても強力なものだったそうだ。


もちろんデメリットもあり、能力を使用すれば使用した人物は死んでしまう。


しかしその力は偉大で必ず打ち破られることはない。その代わり生涯で一つしか契約を行えないというものであった。


ともかくその長のおかげで、異能の星の人々は平穏な暮らしを取り戻したのである。




そんな平穏も束の間、ある時異能の星は攻撃を受けた。


他の星からの侵略である。



異能の星の噂は宇宙の間で密かに広まっていた。


それを聞きつけた異星の者がその能力ほしさに人々を攫いに来たのである。


その異星の者達は数名の若い男女を攫うと、星に見切りをつけ破壊していった。


もちろん異能の星の人々は己の能力で懸命に抵抗したが、その異星の者らの攻撃力は凄まじく、異能の星の人々は虚しく敗北を喫したのであった。



異能の星は消滅したと判断し、異星の者らは早々に帰っていった。



そんな壊滅的な状況の中、星の形も崩れ、崩壊寸前の異能の星のある土地で一つの出来事が起きていた。





「えらく酷い侵略じゃったわい。急いで作ったこのシェルターがなければ死んでおったかもしれんのぉ」

白衣を着た白髪の研究者の様な老人が、その長い髪をなびかせて空を眺めていた。


シェルド=ロブスキー。異能の星における生存者であった。


彼は「発明化(はつめいか)」の能力を持ち、その自らの力で研究施設と居住区域を守り、異星の者からの侵略に耐え抜いたのである。


「さて、おそらくこの星もわししか生き残っておらんかもしれん。どうしたものかのぉ」

頭をポリポリと掻き、困ったような様子で研究施設の内部を散策していた。


すると、研究施設の外側から何かの物音が聞こえてきた。



コンコン。コンコン。


「あの、誰かいらっしゃいますか?…」


幼い少年の様な声が聞こえる。

どうやら扉を叩いているようだ。


シェルドは急いで研究施設の外に出向こうと扉を開ける。


(わしのほかにも生存者がいたのか!?まさかあの被害で生き残るとは…一体どんな子なのだ?!)


シェルドが扉を開けると、そこには6.7歳と思える子供達が立ちすくんでいた。


背の高い子に、か弱そうな女の子、目が死んでるような子もいれば生き生きと活発そうな子。男女様々な13人の子らがそこにいた。



そんな状況に固まっていると、先頭にいた1人の赤髪の少年が言葉を発した。


「あ。やっぱりいた。シェルド博士ですよね?良かった。生き残っていてくれて。とてつもない侵略でしたね。あ、どうやって生き残ったかを先に言っておくと、ここにいる子達は少々特別な異能持ちでしてね。それで助かり、ここまでやってきたんです。」


唖然としたままのシェルド。子供であろうとは思っていたが、まさかこんな6.7歳程度の子達とは思っていなかった。

それに加え、先程から喋っている少年があまりに知的で冷静な物言いにとても驚いていた。



「驚いてるところすいませんが、博士にお願いがあります。僕たちをここに置いてくれませんか?行き場所も無くしてしまい、食べるものもありませんので。あ、申し遅れました。僕の名前はリュウです。リュウ=メルトニア。」


あまりにも落ち着いた様子で、その少年は語りかけてきた。

その瞳は決して、先程の残虐な侵略に絶望しておらず、むしろ希望に満ちたものであった。


こんな悲惨な状況の中、12人の仲間を引き連れてこんな辺境な研究施設までたどり着いた少年達に驚かされるばかりであった。


シェルドは頭の整理が追いついていないながらも、状況を何とか飲み込み、子供達を受け入れた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その後、シェルドがリュウ達13人の子供を受け入れてから早5年が経った。


あれからシェルドは子供達に食事と寝床を与え、能力の開発の為に研究施設も貸し与えた。


シェルドが「発明化」の力で、居住スペースや訓練場、そして宇宙船開発エリアを増築した。


異能の星はもはや形はなく、生活していくのが困難な状況となった以上、いずれはこの星から旅立たないといけない。

それを解り、シェルドはこの子達に未来を託そうと尽力していた。



いつか、この星を襲った異星の者に復讐をしてほしい。そして同胞達を奪還してほしいという願いの元、可能な限りを尽くしてリュウ達を育てていった。



しかし、そんなシェルドの願いも束の間、シェルドは老衰により死を迎えてしまう。


いくら異能が優れていようとも人の死は避けられなかった。


リュウ達は悲しみに暮れ、必ずや異星の者を見つけ出し、復讐することを胸に誓った。


それからしばらくしないうちに、リュウ達の手によって宇宙船は完成された。故郷を旅立つのは寂しいが、同一の目的の元、新しい道へと歩みを進めたのである。


そして5年後、、、

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