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封神草紙  作者: 野中
第二部/第二章
43/87

第二撃 再びお眠り頂く



思わず清音が叫んだとき、


―――――リィン…


囁くような涼やかな音。帯に挟んだ残雪を見下ろす清音。梓にも聴こえたか、残雪を見る。そのとき。

「…ああぁっ!?清貴くん、口に入れちゃダメッ!!!」

清音の声を上回る、刀馬の絶叫。

「清貴っ!?」


一瞬で、弟に意識が向く清音。そういえば、いつの間にか手を離していた。

刀馬の工房は、どこに何があるか分からない。

もっと慎重にならなければならなかったのに。


悔やみながら、顔を上げる清音。

その目に写った光景は、まっくろい粉を小さな片手で掴んだ清貴と、その手首を掴む刀馬。刀馬の前にある机の上に並んだ薬品の表示と、それが示す意味を瞬時に把握した清音は、慌てて清貴に駆け寄る。

おとなしくても、やはり子供。清貴は、好奇心旺盛だ。それに、なんでも口に入れようとする。


清貴の腕の中で、これも静かに時雨が鳴いていた。

清音が気付くなり、残雪ごと音が止まる。


「…清貴」

心配のあまり、怒鳴ってしまいそうになるのをぐっと堪え、清音は低く呼びかけた。見上げてくる弟と目を合わせる。小さな肩を抱き寄せ、刀馬が掴んでいる腕を、彼女も掴んだ。

「これが、元あった場所はどこ?」

感情を抑え、努めて理性的な声を放った。

だが、姉の怒りを敏感に察したのだろう。目を丸くする清貴。走る、怯え。だが、許さない。

「机の上だよね。上にある、どこから取ったわけ? …私、前から言ってるよね。何か分からないものを考えなしに口に入れちゃだめって。さっきまで時雨も警告してたでしょ。なんで聞かないの。しかも、何?ここ、どこだと思ってるの。楠木さんの工房だよ。他人のモノ、勝手に盗ったの?」

刀馬とは、幾分か気心が知れた仲で、しかも、清貴は子供だ。

勝手に手に取ることが悪いこと、と、行動の前に、清貴は考えもしなかったろう。


相変わらず、清貴に表情はあまりない。だが、清音には分かる。清貴は今、盛大にうろたえている。硬直し、次第に罪悪感に染まっていく清貴の瞳。

気付けば、工房の中は静まり返っていた。それにも気付かず、清音はいっしんに弟を見つめる。


「おねえちゃんが何言いたいか、分かるね、清貴。それは、もとあった場所に、ちゃんと戻すの」


清貴は、そっと背伸び。

おそるおそる、机の左端に広げられていた紙の上に、手にしていたものを戻す。見るからにホッとして、清貴から手を離す刀馬。同じく、清音も弟から身を離す。

ばかりでなく、厳しい顔で、その先を清貴に促す清音。

「…それから?」

清貴は、ほんのわずか、真剣に考え、


「―――――ごめんなさい」


時雨を抱えたまま、深く頭を下げた。刀馬に。

「え」

刀馬はまったく、謝罪など予測していなかった。彼が反射的に「いいよ、この程度のことで」という直前、今度は清音が刀馬に頭を下げる。

「ごめんなさい。清貴から手を離した私も悪い。清貴も、ごめん」


洞窟で二人、身を寄せ合っていた頃なら、清音が清貴から意識を逸らすことなどあり得なかった。城では、清音も気が緩んでいるのかもしれない。


「ん、いや、その…、今後、気をつけてくれたらいいからさ、頭、上げて」

言葉選びに悩みつつ、刀馬。ホッと、顔を上げる姉弟。

清音は清貴の頭をなで、いい子、と謝れたことを褒めた。同時に、冷や汗を拭う。



「楠木さんが調合してるのって、―――――火薬だよね」



思わぬ指摘に、目を見張る刀馬。膝を落とし、清貴を抱きしめる清音。一歩間違えればとんでもないことになっていたかもしれない。

そんな危険な調合を人前でする刀馬も刀馬だが、急ぎの仕事だった。なにより、居合わせた人間は、その扱いを十分以上に心得ている。とはいえ、確かに、清音たちが入ってきたとき、警句を発さなかった彼らにも非があった。

しかし。

清音は誰に言われるまでもなく、刀馬が作っているものの正体を見破った。

知っていた、ということだ。

「…分かるのか」


小さく震える彼女に、鋭い義孝の声が飛ぶ。

氷でできた刃のような視線が、清音を射抜いた。

「てめぇがいたのは、刀工の村だろ。火薬を扱ったりするか?」

清貴の髪に頬をうめながら、清音。


「―――――鉱石の発掘に、必要なときがあるから」


いくつかの、探る眼差しから疑惑が抜ける。いつもの聡い清音らしからぬ様子で、それに気付かず、彼女は弟の小さな身体のぬくもりに、しだいに身体から緊張を抜いた。

一瞬工房内に走った緊張を宥めるように、刀馬。


「そうだよね、いくらなんでも材料がなけりゃ、刀だってつくれないもんね。そっか、白鞘村って、材料を買い付けしてたんじゃなくて、自分たちで発掘するところからはじめてたんだ」


滅びた白鞘村は、刀工の村、と名が知られている。だが、商品ができあがるまでの過程を、上のものが詳細に把握しているはずもなかった。

「確か、白鞘村は、山の斜面にあったな。近くに鉱脈があったのか」

独り言めいた、義孝の声。清音は、自分を落ち着かせるように、大きく吐息。

「元々は、村を構えてたところにあったんだけど…そこはとっくに枯れてて、近くの鉱山に足を運んで、そこで採取してたんだ」

姉を気遣わしげに見上げる清貴。清音は微笑んで見せる。

両手でからかうように、清貴の髪をかき回した。

かまわれることが嬉しいのか、への字口のまま、照れたように俯く清貴。


「なんでそっちに移動しなかったの?」

純粋に疑問に感じた鬼彦が、ぽつり。帯の上から、そっと残雪を撫でる清音。

「あの場所から、御神体が発掘されたから、だよ」

納得したように、宗親。

「あ、そうか…御神体って鉄鉱石だったな」


白鞘村の御神体。


長の血統が受け継ぐ御神刀は、すべてその鉱石から打ち出された。

それは五振り存在する。いずれも、白鞘村の始祖の一人がつくり上げたものだ。

黎明れいめいという両刃の無骨な直刀をはじめ、清貴の太刀・時雨しぐれ月影つきかげと呼ばれる槍、そして清音が持つ懐剣・残雪ざんせつ、最後に、風花かざはなと呼ばれるクナイ。風花だけは特殊で、五つ一組で、根元に蓮の花の形が刻まれている。

黎明は長が受け継ぐ刀剣だが、村が滅びた折、月影・風花と共に散逸、今はどこにあるとも知れない。

それらの原料となっと御神体は、たかが岩塊。村の人間以外のものが見れば、そう感じたかもしれない。だが。


刀鍛冶を生業としてきたものたちだからこそ、その価値を骨身にしみて理解できた。


そこからできる道具は、最上の一品になる、と。

仕事に対する、研ぎ澄まされた真摯さが彼らに、自然とその鉱石を大切に扱わせた。




鉱石に神が宿っていたから、そうなったのか。

村人の敬虔さのために神宿る鉱石となったのか。

それは分からない。


ともすると、神という存在などとは、無関係だったかもしれない。




今なお残る真実は、白鞘村には御神体があった、それだけのことだ。


清音も、見たことがある。

村の離れにあった、しん、と湿った洞窟の奥。

注連縄を張り巡らせた中心。蝋燭のひかりに照らされ、ものしずかに鎮座していた、一見、ただの岩塊。触れれば、ひやりとして、同時に何か、生き生きとした躍動を感じた。

そこにはじめて連れて行ってもらったとき。

長たる父親に、清音はあることを託された。


―――――いいか、清音。これも、長たる血統の者の役目。


それは。

もし、村が。

…望まぬ形で滅び行くとき。

村人以外の、その価値を知らぬ余所者に蹂躙される前に。




―――――この御神体を大地の奥へ還せ、と。




この御神体がまた必要となった時は、御神体が察して、きっと自らでて来てくれる。だが、分を弁えず、欲望に駆られて採り切れるまで採り尽くせば、枯れたきり、二度と蘇らなくなる。

だから、生きるのに必要なものだけをそっと分けてもらって、それ以上は自然に還すことが正しい。


世界はそうやって巡っていく。

そして、再び現れたとき。

また価値を知る者が、正しく扱ってくれる。だから、それまで。



…再びお眠り頂くのだ。



その、ために。

御神体の周囲には、いつも、火薬が仕掛けられていた。

ただし、風通りの悪い洞窟内だ、湿気やすい。よって、村の長たる血統のものとして、清音が最初に教えられたのは、そのための火薬作りだった。

目的が、採掘のために変化したのは、もっとあとだ。


―――――一瞬、暗い目になる清音。

思い出すのは、白鞘村の御神体。その威容。

それを、大地に還したのは。


清音だ。


荒れ狂う炎に蹂躙されていく村の中、絶望に満ちて清音は大人を探した。

何をすればいいのか分からなかった。だから、大人を探した。頼れる相手を。

これから何をすべきかを教えてくれる人物を。だが。

背に負う弟のぬくもりを希望と感じたとき。

清音は足を止めた。

何をやるべきか。


―――――既に、教えられていたではないか。


気付けば、清音は踵を返し、駆け出していた。




逃げなければ。生きなければ。まだ、銃工たちは、村のそこここに潜んでいる。

きっと、噂を知っている者が、御神体を確認に来るはずだ。

その前に。


せめて御神体だけでも蹂躙される前に、…大地へ。




御神体が祀られた、洞窟へ続く獣道。

息を切らせながら、走って、走って、走って。

なにもかも知っているようにそこでしずかに鎮座していた御神体を見たとき、耐え切れず、涙がこぼれた。

火照った頬を押し付ければ、ひんやりとつめたい、だがやさしい感覚が清音を包んだ。


すぐさま、清音は震える手で火を起こし、―――――そして。

彼女が弟を背負って、洞窟から飛び出した直後。




爆音と共に、洞窟の底が抉れ、入り口が埋まり、次いで、轟音を立てて土砂崩れが発生。


その手順は、すべて計算されつくしたもの。

清音は巻き込まれることもなく、清貴と共に故郷を離れた。




村を滅ぼした銃工の村人は、許せやしない。

きっと、憎悪が清音の中からなくなることはない。だからと言って。

あの日失ったものは、もう清音の手に戻ってくることはないのだ。ならば。

清音にできることは。

…そっと清貴を見下ろす清音。


―――――唯一残ったもののために、真っ直ぐ生きること。


「ねぇ、清音ちゃん。ぼく、白鞘村の御神刀は五振りって以前聞いたんだけど」

鬼彦が、ふと首を傾げた。頷いた清音に、探るように問う。

「中でも、代々の長が受け継ぐものは、黎明という名の一振りらしいけど。清音ちゃんの懐剣は残雪で、清貴くんの太刀は時雨だ。…もしかして、他にも兄弟が、いた?」

言いにくいことなら、言わなくていいから。

鬼彦は、淡々とそんな風に続けた。

清音は苦笑。

「兄が一人、いたよ。私より六つ上。でも、村が滅びる五年前に行方不明になったんだ」

やりきれなさを吐き出すように、清音は嘆息。


「私が八歳の頃の話だよ。あの日、山裾の村に用事があって、本当なら私と母親が出かけるはずだったんだけど、荷物が多くなるかもしれないからって、代わりに兄がいくって言い出したの。やさしい人だった。だけじゃなくって、始祖の再来って言われる腕の持ち主で…、御神体が自らの破片で刀剣を打つことを許してくれた人でもあった。許されたのは、今まで始祖のみだったから、これはすごい誉れなの。なのに…」

きちんと咀嚼したつもりでいても、やはり、心の中にはわだかまりが残っている。

うまく言葉が紡げない。つっかえつっかえ、清音は続けた。

「山裾の村に下りたその日、兄は帰ってこなかった。夜中になってようやく帰ってきたのは母一人で、何があったのか、彼女は発狂してた。兄はいくら捜しても見つからず、翌朝、母は狂死…何があったのか、真相は闇の中。でもその頃から、今までわだかまりが強かった隣山の銃工との諍いが、怖いくらい顕在化したんだ。何かあったら、お互いのせいにして、なすりつけあい」

憎み合いは、止めようもなく加速し、真実は何一つ明らかにならないまま、結果。


白鞘村は、滅びた。


宗親が、首を傾げて清貴を見た。

「さっきの言い方だと、おかしくないか?お嬢ちゃんと弟君は十歳差だろ? 兄貴がいなくなったとき、弟君は?」

「あぁ、清貴は、私とは、母親が違うの」

薄く微笑み、清音は清貴の頭を撫でた。清貴はくすぐったそうに、目を細める。


清音の横顔を痛々しげに見遣り、刀馬が、遠慮がちに言う。

「あの、ね、清音ちゃん。おれも、妹を亡くしてるんだ、だから…家族を失った痛みを、…その、図々しいだろうけど、少しは理解できるつもりで、いる。でも、…ああだから何が言いたいかっていうと、」



「元気出してほしい。…でしょう?」



梓が言えば、刀馬はホッとしたように何度も頷いた。

空気を変えようとするように、義孝が口を開く。


「あ~…、なんだ、この火薬は、西にある久坂の銀山での作業に必要なんだ。ちっと目算が違って、足りなくなってな」

「大体、それは本の虫の計算違いのせいだろ? 自業自得だ、とっとと作れよ」

あかるい口調で、続く宗親。

合間に寄ってきた鬼彦が、清音と清貴に、小さな壺を手渡す。突然のことに首を傾げた清音に、鬼彦。

「水飴。あとで、食べる」


「あ、ありがとう」


微笑む清音。姉を見上げ、続く清貴。

「ありがとうございます」

ようやく、和む空気。

説教を続ける雰囲気ではなくなった中、―――――ともすると、本人たちはもう忘れているかもしれないが―――――項に手を当て、ぐるり、首を回す義孝。


「さぁて、と。…おら、ちょっと来い、八雲。仕事だ、仕事」

それまでハラハラと固まっていた八雲の襟首をむんずと掴み、工房を出て行く。音もなく鬼彦が、後を追う。

出て行く直前、振り向いて、清音たちに手を振った。

手を振り返し見送ったあとで、清音。


「なんだかんだで、仲いいね」


清音とて、自分の立場は分かっている。

だが、こういうのは輪の外から見ても、嬉しいし、楽しい。

「そうかぁ?」

どうでもよさそうに言った宗親に、上目遣いで睨みながら尋ねる。

「不知火さんにお説教されるなんて、…何したの?」

一拍、宗親は考える沈黙。すぐさま、にやり。

「細かいことは気にすんなよ、お嬢ちゃん」


「…いいけど、ほどほどにしておきなよ?」

どこまで効くか分からないが、釘を刺す。そして、首を傾げた。

「仲、いいのに。なのに。…東州王、今朝みたいに、身内の中に裏切り者がいる、みたいなこと、平然と言えるんだね。よく、分からないよ」

水飴の入った壺をいじりながら、清音は俯く。姉が落ち込んだと思ったか、その足にぴとっとくっつく清貴。

顔を見合わせる、宗親・刀馬・梓の三人。

いいにくそうに頭をかく宗親。


「お嬢ちゃん、征一朗のことは今朝聞いたよな?」

何を言い出すのか、と顔を上げ、ひとつ頷く清音。宗親は、遠い目になる。

「王サマ一番の側近だった。ソイツね、オレの親友殿。…だった」

『親友殿』。

からかいや、嘲りに似た響きの強い物言い。そのくせ。

奥に、確かな真摯さが宿るのを、清音は過たず感じ取る。

「すげぇデキるヤツでさ。…でも、なんでかいつも不機嫌そうだったな。だから、一見かなり怖ぇのな、迫力ありまくりでさ」

宗親はそんなことを言いつつ、嬉しそうに笑った。


「石頭小僧のヤツ、そんなヤツに憧れてたんだぜ。アイツだけじゃなくて、王サマも、ここにいる、本の虫も。…ま、気持は分かるけどな。なんたって征一朗、格好よかったから。―――――救いがたい堅物だったけどな」

思わせぶりに、梓を横目にする女好きの斎門。梓は呆れた顔。

「征一朗さまがアナタのようだったら、…アナタには誰も回ってこなくなるわよ」

宗親は楽しげに低く笑った。


「…鷲峰さまが生きていらっしゃれば、まだ義孝さまも気楽だったと思うんだけどね」

はじめて作業の手を止め、丸眼鏡を外す刀馬。眉間をもむ。

「鷲峰さまは、すごい人だった。刺客を相手取った程度で、命を落とす方じゃない。いくら、相手が強くっても…狙った相手が義孝さまである以上、あの方を守り抜いて生き残る、―――――そういう、方だったんだよ」

呟きは、どこか上の空の、虚ろな声。

刀馬は沈痛な表情で俯く。

「それなのに、あの方はいなくなった。その、理由って、…いうのがね」


「―――――内通者がいたんだよ、信じてた連中の中に」


続けた宗親の声は冷えきっている。一瞬目を見張る清音。

うろたえ、目を伏せた。思わず、口元を押さえる。

今朝、清音は義孝を責めてしまった。間違っているとは思わない。

が、罪悪感がわくのは止められなかった。


義孝は。

過去の苦い経験のせいで、誰も信じられなくなったのだろうか。

すぐさま、清音は首を横に振った。

違う。


(東州王は、そんなに弱くない)


何度裏切られても、信じることを恐れて他人を遠ざける人物ではない。

あくまで、客観的な判断として、清音はそう感じる。


義孝を、信頼しているわけではない。むしろ、苦手だ。

自分に自信を持って、迷いなく行動できる人物など。


…いや、実際の義孝がどういった人間か、清音はまだ知らない。二人の距離は、まだ遠い。


それでも、わかるものはあった。

義孝は。

傲慢で口が悪く、何でも自分の思い通りにしようとする強引な男だが、根底にあるものは自分の欲望より、…領地・東州のことだ。

いい意味でも悪い意味でも、どこまでも仕事人間。

ゆえに。


東州王に相応しくあろうと、誰より努力している。


もし自分に弱点を見つければ、それを克服するための努力を、彼はきっと惜しまない。誤魔化しも隠しもせず、不器用なほど懸命に、愚かしいほど真っ直ぐに、真正面から向き合うことをおそれないはず。


―――――裏切り者がいる。


彼の、あの言葉から、清音は。

切り捨てたり、あきらめたり、突き離す感覚しか、感じ取れなかった。

が、言葉の奥底には、




―――――なにかもっと、別の理由が、…あるんじゃないのかな。











読んで下さってありがとうございました!

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