「タマニキズ」作戦
北朝鮮の武器輸出への「嫌がらせ」の地味な作戦です。
これは、ブラックマーケットに流れる北朝鮮製造の弾薬に小細工する、「地味な嫌がらせ」です。
銃弾は意外とデリケートな代物です。
こいつを特定の製造単位について、すり替えてしまうのである。
例えば、小銃弾の雷管(弾の後ろについていて、それを叩くと点火され、弾の薬莢の中の装薬に点火する部分)の感度を良くしすぎたり、悪くしすぎたりするのである。
良すぎると、ちょっとした衝撃で発火、つまり暴発につながり、悪いのは、不発弾となる等問題になる。
また弾薬の弾頭(飛んでいく部分)の製造公差を越えるものを混入させる等で、薬室(弾が装填され発射されるスペース)でのトラブルを引き起こし、薬莢がスムーズに出てこなくなって連射できなくなる等の故障を起こさせる。
こんな一見わからない「不具合」を起こすように「製造された弾」を正規の弾と差し替えるのである。
万が一、調べたとしても、特定のロットのみに症状が現れて、そのロットがなくなると、起きなくなるために、「たまたま」工程の不具合があったと受け取られることなり、真の原因が究明に至らない可能性がある。
しかしユーザーにしたら、金を払って買った弾が「たまたま」使えませんでは堪らない。
「セールストークと違うやないか!」と北朝鮮製造の兵器への信頼感を損なうのである。
そのための作戦名「タマニキズ」は悪趣味な担当者がつけた作戦名であり、後年これを聞いた、北朝鮮の担当部署が悔しがったとのことである
うまく行けば、北朝鮮の商売をこちらからも邪魔できます