A White Morning
あまりに静かに 世界は終わった
その朝には 白い光が 目を刺す
息を潜めて 光の向こう
懐かしい香り
二人 何もない先を 歩いている
何もない所に 立ち尽くすまま
「これからもそうだ」と笑うのだ
真昼のしじまに 浮かぶは薄月
その下では 僕の心よ 汚れて
焼けて爛れて 魔法の向こう
解けてしまったなら
僕は何でもない 何でもないままでいる
窓から季節が見つめていたから
カーテンを閉めよう 閉じてしまえば
蜃気楼はもう眠りについた
一人 いつの間にか 歩いている
はぐれた手のひらを かき消して行く
「これまではそうだ」と言ったのだ
日照りの野を行く 景色が揺らいだ
乾いた風が 心も運んで
静かな空気と騒ぐ心 どこまでも
どこまでも行かなければ
赦される日まで