第9話 フェンリル売却
「で?他に俺に挑んでくる奴はいるのか?」
正文が周りの冒険者達を睨み付けると周りの冒険者達はいっせいに目を逸らした。正文はそれを見て満足すると解体所の方へと歩き出すのだった、、、
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「すまん、解体して欲しい物があるんだが。」
あの後、解体所へと来た正文達は近くにいたゴツイおっさんに声をかけた。
「おぅ!分かったそこに出してくれ」
そこに正文は迷いなくフェンリルの死体を置く。鉄の台の上に5メートル以上はある白い狼が現れる。
「うお!?なんだコイツは!俺も見た事ないモンスターだぞ!?いったいこんな奴どこで倒したんだ!?」
「マサ、、、こんなの倒してたの?」
おっさんとリアが目を見開いてフェンリルを凝視しながら、こちらに問いかけてくる。
「ああ、コイツの名前はフェンリルって言うんだ、どこで倒したかはダンジョンの隠し部屋にいたのを俺が倒したんだちなみにそいつはダンジョンボスだったぞ。」
正文は包み隠さず真実を語る。正文は、わざわざフェンリルを隠そうとは全く思っていなかった。なぜならこれから生活していく為には金が必要だったからだ。
なのでフェンリルの素材を売ろうと思ったからだ。
「フェンリルだと!!?神話級のバケモンじゃねぇか!?これは俺1人では判断出来ないな、ギルドマスターを呼んでくらぁ」
そう言うと、おっさんはギルドの方へと走って行った。
「マサ、すごい」
リアが声を弾ませながら褒めてくる。
カワイイ、、、
「、、、は!?まぁ、なんだ成り行きで倒したんだよ」
リアの可愛さに一瞬意識が吹き飛びそうになりかけるが、正文は何とか踏みとどまる。そして正文がリアと話していると、おっさんがおっさんを連れてきた。2人のおっさんがこちらに歩いてくる。
キモイ。
「お前がマサフミか、俺の名前はディランだ、ここのギルドマスターをしている。突然だがあのフェンリルを白金貨1000枚で売ってくれないか?」
(白金貨1000枚か、へぇなかなか太っ腹じゃねぇか。)
この世界での硬貨は、鉄貨、銅貨、銀貨、大銀貨、小金貨、金貨、大金貨、白金貨となっている。白金貨は一枚1000万円なので、それが1000枚という事は日本円にして、百億円にもなるのだ。ウハウハである。
(百億、、、フヒwwwフヒフヒwwwwなにに使おっかな〜)
「それで、売ってくれるのか?」
正文が百億円の使い道について考えているとディランから声がかかる。
「ああ、分かった、売ろう。」
「ありがとう、それと君とその子のランクをBまで上げて置くよ。フェンリルを倒した者がFランクなんてのはちょっとアレだからな。だけどAランクから先はランクを上げるために試験が必要だから、私の権限を使ってあげられるのはBランクまでだ」
どうやら正文とリアのランクをBまで上げてくれるらしい、正文としては地道にランクを上げてくのは面倒くさいと思っていたのでちょうどよかった。そのあと正文達は、白金貨1000枚を受け取り、ギルドを出た。
「さてと、まずは宿を探してから、リアの防具だな。」
「私に、防具なんて買ってくれるの?」
リアが驚いたような顔で聞いてくる。
「当たり前だろ?そりゃあパートナーだからな!」
正文はリアに笑顔で言った、リアは最初は驚いていたが、嬉しそうな声で
「ありがとう!」
と言った。カワイイ。