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化け物は異世界で願いを叫ぶ  作者: 日置流 レルカ
覚醒と始まりの街での出来事
13/13

第13話 迷いの森

「よく笑って〜♪よく飲んで〜♪

親の金で焼肉いこう♪」

「・・・マサ、大丈夫?」

「うん?特に異常はねぇけど?」

「・・・そう」

「?」

正文たちは今、迷いの森の中を突き進んでいた。森の中は薄暗く、見通しが悪い。普通なら、周囲を警戒しながら慎重に進んで行くのだろう。そう、普通なら。この二人は全く普通ではなかった。

最早慎重という言葉など忘れ、まるでテーマパークを歩くような足取りで森を進んでいく。そこへ人間のような体で、頭が豚の魔物が二匹現れた。そう、オークである。くっ、殺せ!!


オーク達は正文達に気付くと、大股で走ってくる。

「ブヒィ!!ブヒブヒブヒィ!!」

「人間がいたぞ!男は殺して女は孕み袋にしちまえ!!」

「オークの言葉が分かるの?」

「いや、勘で言ってみただけ。ま、どうせそんな感じだろ『鑑定』」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

オーク LV 28

称号

ステータス

力 300

守 260

速 120

魔 0

スキル

性欲上昇

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オーク LV 30

称号

ステータス

力 320

守 280

速 130

魔 0

スキル

性欲上昇

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うへぇ、あいつ倒したら俺あのスキルゲットするかもしれないの?嫌だわぁ」

もしも正文が性欲上昇などというスキルをゲットしてしまったら間違いなくリアを襲ってしまうだろう。

このっ、、、ケダモノ!!


「なら、私がやる『ウインドカッター』」

リアが魔法を唱えると風の刃が発生しオークの二匹の首を跳ね飛ばした。リアの本分は炎魔法なのだが、ここは森なので周りに火が燃え移らないよう、風魔法を使っている。

「・・・オークって食べれるのか?」

「食べれる、というか高級品。高い店になると肉はオークかミノタウロスしか使ってない店もある」

どうやらかなりおいしいらしい。おいしいものが前にあって食わない者がいようか?否!断じて否である!!

「ただ、、、特殊な調理法で作らないと、、その、、、アレがおっきくなる。イヤん♡」

「この、クソ肉が!お前には失望したよ!!」

ただの肉片になろうとも決して消えることのない性欲、オーク恐るべし。

くっ、殺せ!


「さて、気をとりなおして更に奥に行きますか」

「でもマサ、これ以上進むには時間的にまずいと思う」

今の時間帯は午後の三時といったところだろうか、帰る時間も考えるとこれ以上先に進むと最悪この迷いの森(笑)で一夜明かす事になるだろう。それは出来れば避けたいところであった。

「ああ、でも大丈夫だ、この指輪があるだろ?これな転移のスキルがついててイメージした所に瞬時に行けるんだよな」

「すごい、、、」

「そういや、この刀と外套にも形状変化ってスキルがついてたな、使ってみるか。『形状変化』」

キラーん!!

すると外套と刀が発光し始めたではないか!そしてそのまま形を変えていき、外套は正文全体を覆い隠し左胸には狼の紋章、背中にはマントがついている甲冑に、刀は身の丈ほどもある金色の特大剣に変化を遂げた。

「何これ!?カッケェ!!」

「騎士様、、、」

「うっし、決めた、これからはこの格好でいよう」

「にょ!?」

リアの奇怪な悲鳴を聞いた正文はリアを見て首を傾げる。

「どうしたんだそんな変な声出して、トイレにでも行きたくなったのか?俺、後ろ向いといてやるよ」

「・・・違う」

「じゃあ、どうしたんだよ」

正文にはトイレを我慢しているようにしか見えないが、どうやら違うらしい。


「その格好でいつもいられるとマサの顔が見えなくて寂しいから、、、」

「お、おう、じゃあ宿の部屋にいるときはさっきの姿に戻る。それでいいか?」

「うん、、、!」

男たる者かわいい女の子のお願いは断れはしないのだ。否!断ってはいけないのだ!!

これ、全世界共通の常識だからな、覚えとけ。


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