無双主人公のガンガン行くお話
くそう・・・やる気がおきない・・・
取り巻きたちを撃退すると、そのまま取り巻きたちは逃げていった。
そして、二度目の襲撃を警戒しながらもギルドに帰ってくると、「よぉ」
大男が話しかけてきた。
「なんでもてめぇに俺の仲間が可愛がってもらったそうじゃねぇか、あぁ!?」
「なんの話だ、俺はそいつらから襲ってきたから撃退したにすぎない。」
「俺の子分共がそんなことするわけねぇだろうが!」
そう言いながら大男はニヤニヤ笑っている。
ふと取り巻きたちに目を向けると同じ様に笑っていた。
「アレスだな?副ギルドマスターの権限により貴様を拘束する。」
「何をいっている?証拠もなしに拘束するなど聞いたこともない」
「うるさい!つべこべ言わず来い!」
「そこまでだ。」
「!?…ギルドマスター。」
「貴様はなんの権限においてそこの青年を連行するつもりなのかね?」
「はっ、副ギルドマスター様のご命令であります!」
「では、副ギルドマスターを呼べ」
「ギルドマスター、お呼びですか?」
そして、来たのはやせ細ったなんともこずるそうな顔をした中年のおっさんだった。
「うむ、お主はなぜこの青年を連行しようとしたのかね?」
「はい、そこの男はこちらの冒険者のパーティメンバーを不当に攻撃した疑いがかけられております。」
「そうなのかね?」
「いいえ、そんな事実はありません。我々は被害者です。」
「ふむ、こうなったらギルド証に聞くしかあるまいよ。…そこの娘、このギルド証のログを見てくれんか。」
「かしこまりました、ギルドマスター。」
―――――――――――――――――――――
「さて、この青年の無実が確定したわけだがお主の情報はどこからのものなのかきいてもいいかな?」
「そ、それは…この冒険者の男からでございます。」
「ほう?その男が情報を?それはおかしいのぅ、その男がこのギルドにおる時間に青年が襲われておる。その男が情報を提供出来るとは思えんがな」
「そ、それは…」
「副ギルドマスターよ、もう言い逃れはできんぞ。その男と貴様が繋がっておることは既に承知している。…ギルドマスター権限においてサブギルドマスター、ブラグ・ブルックリンをサブギルドマスターから解任。拘束し、騎士団へ搬送する。…青年、すまなかったな。」
「いえ、助かりました。」
「ギルドとして、貴殿にはそれ相応の償いをせねばならんな。少し時間はあるか?」
「かまいません。メリアはどうすれば?」
「その子も被害者だ。一緒に来なさい。」
「いいかい?」
「は、はい。」
「では、いこうか。」
――――――――――――――――――――――
「今回は本当に申し訳ない。」
「いえ、助かりました。」
「それで、今回のことはギルドの失態だ。ギルド側としてはそれ相応の償いをしないとメンツが保てない。」
「はい、理解しています。」
「ギルド側が提示出来るものは2つ。金とギルドランクの上昇。この2つだ。まず、金だがこれは元サブギルドマスターの家財から出る。二人には各300枚の金貨を贈ろうと思う。」
「さ、300枚!?」
メリアが驚いている。
「ギルドランクは君たちはまだFだったね。Dまであげよう。」
「ふたつ…ですか?」
「私としてはこれは少ないと思っているのだよ。なにか、要望はあるかね?」
「…では物件の凱旋をお願いします。今からではないです。将来お金がたまった時にお願いします。」
「わかった。メリア君はどうかね?」
「そ、そんな、金貨300枚も頂いてギルドランクまで上げていただいたのにこれ以上など…」
「ふむ、まぁ君がいいのなら構わんが」
「話は以上でしょうか?」
「そうだな、君達にはこれを渡しておこう。ギルドマスターとの面会証だ。これがあれば最優先で私にも各ギルドのギルドマスターに会うことができる。」
「ありがとうございます。それでは俺達はこれで。」
「うむ、また会おう。」
――――――――――――――――――――
「それじゃあ、メリア。ここで、また明日ね。」
「うん…それじゃあまた明日!」
そう言うと彼女は何かを決意したような顔で歩いて行った。
「どうしたんだろう…?」
明日になればわかるだろうと俺はあまり気にしてなかった。
翌日、あんなことになるとは…
――――――――――――――――――――
「おはようございます!」
翌朝、元孤児院からでるとそこにはメリアが立っていた。
「…おはよう、なにしてるの?」
「少し、お話があります。よろしいですか?」
「あぁ、構わないよ。どうぞ中へ。」
「はい」
「さて、話ってなにかな?」
「…あ、あのですね…わ、わたしと、その…結婚!してくださいませんか!?」
「…ん?」
あれ?どういうことだ?なぜ、いきなり結婚?
「…メリア。それは君自身よく考えて出した結果なのかい?」
「もちろんです!こんなこと誰にも言えません!」
「そうか、なら君は知らなきゃならないね。」
「知る…ですか?」
「あぁ、俺にはな、婚約者が二人と精霊の妻が六人居るんだ。」
「え?精霊の妻?ふぃあんせ?」
「そうだ。おーい、アクアー!アリスー!」
「「呼びましたか?」」
「あぁ、メリア。これが俺のフィアンセのアクアとアリスだ。」
「お、お二人ですか…」
「それと、すこし来てくれ。ウェンディ、サラム、シルフィ、ノン、シャド、サニー。」
「「「「「「呼んだかしら?(の?)」」」」」」
「あぁ、メリア。これが俺の嫁達のウェンディ、サラム、シルフィ、ノン、シャド、サニーだ。」
「ろ、六人…」
「どうしたの?いきなりみんな呼んで。」
「アリア、ちょうど良かった。メリア、こっちが俺の妹のアリアだ。」
「妹さん…」
「さて、俺は君に厳しい決断を迫ることになる。それはこれから彼女達と共に俺の嫁になるか、俺の魔法で俺に関する情報を消して生きていくか。…恐らく俺と共に生きるのはとても大変だと思う。よく考えてくれ。これは君の決断を侮っているわけじゃない。俺と共に波乱の人生を歩むか、ただの冒険者として普通の幸せを歩むか…。」
「…私は今まで隠してきましたが貴族の娘です。私は優しい母と父に恵まれ、ぬくぬくと生きてきました。しかし、祖父にそれはただ毎日を生きる屍のようだと言われて、不思議と納得しました。だから私は世間知らずとして生きてきた人生を捨て、冒険者として生きていこうとしました。でもやはりこんな世間知らずではまともな世渡りが出来ず、果てはギルドで助けてもらった時のようにしつこく絡まれる始末…」
「それは仕方ないと思うよ。メリアはかわいいから…」
「かっかわ…こほん。冒険者になってから3年ですが未だ…今はもう上がりましたが、ランクがFのままでした。それだけ何も知らず、わからなかったのです。だからこそそんな状況から助けてくれた貴方には恩を感じていますし、貴方だからこそ共に生きたいと思うのです。私に貴方と過ごす時間をくださいませんか?代わりに私の時間を差し上げます。」
「そうか、もう覚悟は出来てるんだね。わかった。俺と結婚して下さいませんか?ほんとはね、俺も気になってたんだ。フィアンセが二人もいるのに浮気症だよね…」
「いえ、英雄色を好むといいますから、それに多分私一人では貴方は大きすぎますから」
「ふーん?この子がメリアちゃん?…全く…アレス君は見る目が良すぎると言うか…」
「あら?それは違うんじゃない?女の子の見る目がいいのよ。私達と同じでね?」
「あはは、違いないね。」
アリスとアクアとアリアが笑い合っている。
「よかった。君達に反発されたらどうしようかと思った。」
「いいじゃない。私は仲間が増えて嬉しいわ。」
「そうね。アレス君程の人じゃ私達だけだと大きすぎるもの。」
「全く、俺はいい女の子に囲まれたもんだよ。」
―――――――――――――――――――
それから3年が過ぎた。
俺はもう18だ。あれからメリアとパーティを組んで
採取や討伐をこなして、時折2、3日かかるような距離にある中距離クエストを受けたりして、ランクがDからBまで上がった。
そして、長期間の貯金で相当な金額のお金が貯まった。今の孤児院では少しガタが来ているので新しい家を買うことにした。
今の孤児院を売り、家を買い、引っ越しをする。
今まで13年間過ごしてきた、自分の本当の家よりも長く過ごした家を離れるのは自分が思っていた以上に辛いものだった。
「…」
俺は黙って孤児院の中を歩きまわり、一つずつ記憶を掘り出し、しまい込み、涙した。
そして、最後に自分の部屋の前に来た。
静かに扉を開けると…
「アクア…アリス…アリア…メリア…」
4人がそこにいた。
「どうして…」
「あなたが寂しがっているかと思って」
そう言ってアリスと、アクアが笑う。
「お兄ちゃんは思い出とか大切にする人だから」
アリアがフォローしてくれる。
「アルスさん、私はここに来て少ししかいませんがアルスさんにとってここがとても大切な場所だったのはよくわかります。」
「だからね、お兄ちゃん。」
「「新しい家でも私達と一緒に大切な思い出作っていきましょう?」」
「…あぁ、そうだな。」
俺にとってここは何物にも代えがたい場所だ。
それは変わらないが、もうひとつくらい何物にも代えがたい場所わを作ってもいいよな?
――――――――――――――――
さて、しんみりした引っ越しを終え、新居にやってきたわけだ。
訳なんだが、初日からなんだか盛り上がってしまい新居で初日にも関わらずイタしてしまった。何をって?男女のアレとソレだよ。
なんというか、大声で言うことではないと思うが俺のモノは耐久力も高くてだな…え?興味ない?…まぁそらそうか。
アレとソレで思い出したが最近、精霊ともイタせることがわかった。
まぁそんなノクターンな話は置いといて、
引っ越しで少しドタバタしたから数日クエストを休んでゆっくりすることにした。
「あの…アルスさん…」
「どうしたんだ?メリア」
「その…アリスさん達に聞いたんですが…魔力譲渡で婚約者になれるって…」
「あぁ…そういえばメリアには魔力譲渡したことなかったね。」
「はい…それで…あの…わ、私にも!魔力譲渡…してくださいませんか…?」
「もちろんだよ、メリア。それじゃあ、手を出して。」
「はい…こう…ですか?」
「うん、それじゃあいくよ?」
「はい…んっ、」ビクンビクン
「終わったよ。」
「はい…なんだか…アルスさんが以前よりもっとかっこよく見えます…」
「あはは、そう?」
そして、メリアにはこんな能力が発現した。
転移(目に見える範囲もしくは深く印象に残っている場所へ転移することができる。)
既に自重する気のない俺の魔力。
そういえばメリアの情報はこんな感じだった。
魔法 木 影
固有魔法 転移(目に見える範囲もしくは深く印象に残っている場所へ転移することができる。)
才能 暗算(難解な計算も知識にあれば暗算することができる。)
固有魔法が発現した魔法しかないのは本来固有魔法を持っている人のほうが少ないので、ごく当然のことだ。むしろ、俺の周りにはチートが多すぎる。…お前が言うなって?
それにしても、メリアはメリアですごいな。
―――――――――――――――
そんなこんなで数日過ぎ、
俺とメリアでクエストを受けに行こうとしたところで
「私達もつれてってください。」
と、アリス、アクア、アリアがいってきた
「私は一応神官の証明書は持ってますが、アリスとアリアの身分を証明するものがないので冒険者という身分証明証を作っておいた方がいいでしょう。ちなみに私はついでです。」
「うん、いいんじゃない?身分証明証は必要になってくるだろうし。」
そう言って、三人のギルド登録も終わり、
「どうせならみんなでパーティ組んじゃいましょ!」
という、アリスの言でパーティ申請を出し、正式なパーティになった。
そんなふうに、三人を慣れさせるために簡単なクエストを受けたりしつつ、1ヶ月。
3人共慣れてきたし、パーティの連携も良くなってきたので
長距離クエストを受けることにした。
長距離クエストは俺も初めてだから少しワクワクしている。
さて、どんな旅になるのやら。
「異世界来たけど保育士めざします」
新作です。一作目すらまともに投稿できてないのに・・・