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粋ながらえる虫  作者: つぐと
3/3

男の功罪

虫が読む

自我に目覚めた虫が胤人の日記を偶然に見る

幼い時に味わった死の恐怖

すっくと立ち上がった弟が自分の目の前で人間に叩き潰された


そして自己防衛から自我の目覚め

客観的に物事を考える思考形式

虫が感じるこころと自身の存在を感じながら生きることの意味、目的がすべて無意味に見えてくる。死んだ弟、何のための生きる行為


やがてその虫は他の虫たちの教育者となり、同僚、後継者に思想を与えた。

考えること、感じること、他者を意識すること、自我を意識すること

大勢の自我を持つ虫たちの集団ができた。

そして彼らは始めて自我を持った虫を始祖様と呼んだ。


年数を経て、今、裁判の場。始祖様に初めての恐怖を与えた男は、始祖様の弟を殺した罪に問われていた。男の書いた日記を元に過去の情景が展開されていった。

裁判では検察を弁護士がそれぞれの証人を呼んで議論を繰り広げた。

自我をもって、嬉しいをいうものが反対尋問では実は悩みが増えて苦しいという。

他者を意識して感情を意識してコントロールを始めたことで、本当の喜びを感じられなくなったというもの。

周囲を意識して閉じこもったもの。

乱暴なことをして常識的でないとされ、つまはじきに合う息子を不憫に思う母親

集団ができ、息苦しい、自分の意見が持てない、思ってもないことをしでかす

集団の長になろうと画策するもの

「男」の功罪を問う議論が続いた。


その「私」と呼ばれる男の功罪を問うその法廷の場がまさに佳境に差し掛かっていたそのとき、老衰した「私」が倒れた。

「神が、死んだ」

法廷のどこからかむせび泣く声が聞こえた。

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