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ボクたちのてのひら【旧版】  作者: 雨露りんご
第27話 大陸を結ぶは自由の象徴
153/196

27‐3

 買い物の後の雑談を楽しんだ一行は3人に別れを告げていた。


「次こそは強くなってる……はずッス!」


 気合十分にそう言うマルコにノーウィンはふっと笑いかける。


「自分のペースで、な」

「はいッス!」

「心配せんでもマルはウチがちゃあんと立派な()()に育てたるわ!」


 横からタアラがそう言うと、マルコはえっと一言、後ずさった。

 その様子を笑った後、バルベッドが一行の方を向く。


「気を付けてな」

「次もええモン仕入れとくわ!」

「またね!」


 大きく手を振るタアラにローヴも手を振り返した。

 一行の姿が見えなくなると、再びバルベッドはマルコと荷運びを始めようとする。


「お父ちゃん」

「ん?」


 父に声をかけたタアラは、見えなくなった彼らの方をじっと真剣な眼差しで見つめていた。


「……二丁魔拳銃。あれ、帝国製やね」

「……ああ」


 タアラの話にバルベッドは驚かない。

 娘はそんな父の方を向く。


「あれ使ってる姉さん、というかみんな気づいてるんやろか。何なら今言いに行った方が」

「タアラ。さっき注意したことを忘れたか?」


 バルベッドが厳しい表情でそう言うと、タアラは焦りを見せた。


「でもなんか嫌な予感すんねん!」


 しかし父はやはり首を横に振る。


「それは根拠のあるものか?」

「それは……」


 タアラはうつむく。


「根拠のないことを安易に話してどうする? そうすることによって彼らに何らかの支障が発生したらどうする?」

「…………」


 父の言う通り、今行って「その銃は帝国製だ」と伝えることで何がどうなるのか。

 何か支障があった際にどう責任を取るのか。

 それを明確にできないタアラは何も言えなかった。


 バルベッドは小さく息をつくと、娘の頭をわしゃわしゃとなでる。


「商人たる者、清く、明るく、正確に、だ」

「せやったね……」


 ようやく顔を上げたタアラは、父の目を見ると小さく笑んだ。


「まあ、彼らなら大丈夫だろう。何せ俺たちが提供した武器を持ってるんだ」


 親子で彼らの方を見つめていると、後ろからマルコがやってきた。


「バルベッドさーん、荷物運んだッスよー」

「おっと、俺たちも仕事しないとな」

「うん!」


 タアラは元気よく返事をする。

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