2.1 詠唱魔術(人界魔術)
この項ではソルティマにおいてもっとも特徴的な学問、魔術について記述する。
なお、内容は当時の歴史書を、著者の許可を経て引用している部分が多くあることをここに示しておく。
資料すらほとんど現存していないはるか昔、"作詞家"と呼ばれていた異能者によって作られた、術に対する没入度を高める単語や文を利用して魔術を放つ。
現存する多くの魔術は作詞家によって作られたものだが、詠唱そのものに対する研究が進み、一部才のある魔術師によって独自の魔術を作られている(これを俗に秘術という)。
人界歴(元は国毎に暦が違ったが、人魔大戦直後に統一された)1872年――第二次人魔大戦と移行するとほぼ同時に、各国から圧力を受けたラディーアが研究内容が公開した(ただし、ラチュリアだけは公開に関して強く抵抗した)。
情報公開を受けて、各地に散る魔術師がこぞって独自の魔術を研究し始めたが、まだまだ未発展であり、多くの場合は既存のものの方があらゆる面で勝っている。
だが、今後の発展次第では既存のものを大きく越えるものもが現れる可能性は少なくない。
すでに、銃と呼ばれる希少な火薬を用いた武器が存在するが、もしこれを魔力や魔術を用いたものにする事が出来たならば、魔界を制する日もそう遠くないのかもしれない。
※補足
異能者が死亡した場合、能力は同時期(約一ヶ月の範囲)に生まれた赤子に宿るため、現存する魔術が一人の作詞家によって作られたと言う訳ではない。