─月─日 ─曜日
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宇宙。それが、この空間で意識を取り戻した時に、最初に抱いたイメージだった。しかも、宇宙の中でも最も深い所、つまり宇宙の果てが思い浮かんだ。
俺が今いる空間がどんな空間なのかをわかりやすく説明するとするならば、失明してしまった人の世界。
瞼を開けても閉じてもただ闇が広がっているだけ。ここはそんな空間だった。
幸い、俺はまだ失明したことはないため、これは推測にすぎないけど。
それにしても、俺はどうしてこんなところにいて、どうやってここに来たんだろうか?
考えれば考えるほど、ここにいる意味がわからなくなってくる。でも、なにか大切な用事があったから、ここに来ている気もするのだが……なんだったっけ?
俺はしばらく、自問自答を繰り返していたが、なんの答えも見つからなかった。
わかるわけがないか、忘れてるんだから。
そう思い、無駄な思考をやめた。すると、まるでそれを待っていたのではないかと勘くぐってしまいそうなタイミングで
「暁平」
と、だれかに、名前を呼ばれた。
その声は温かく、耳に心地よい声だった。
「誰だ?」
とりあえず、名前を聞いてみた。
しかし、その問いの返答はなく、逆に俺がなにかを問われたが、うまく聞き取れなかった。そして、その問いの直後、漆黒の空間は、ゲレンデのような、一面真っ白い空間に変わった────。
はじめまして、伊部瀬 圭です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回はいわゆるプロローグです。
次回から本編に入ります。ですので、次回からも読んで下さるとうれしいです。
なお自分は、まだまだ未熟者ですがプロ作家志望です。 なので辛口コメント、また、その改善方法をお願いします。おもしろい! 等の感想も大歓迎です。できればどこがどうおもしろいかも書いていただけるとうれしいです。