5話
現在の私は趣味でYouTube配信を行なっているごく普通の会社員です。チャンネル名は『4月1日生まれのマコト』。主に都市伝説の考察をしている配信者です。
都市伝説の中には触れてはいけないモノがあります。
その思うのは都市伝説の考察をしていれば、よくある出来事です。
UFOやUMA、陰謀論。娯楽として楽しめるモノから、どっぷりとハマってしまうモノ。それが都市伝説の魅力です。
幼かった頃の私は年末のオカルト特番をよく見ていた記憶があります。その番組ではUFO研究家と物理学者のやり取りが面白かった。
そこから大人になって、テレビからYouTubeへ観るモノが変わっていった時、私の人生は一変しました。
Mr.都市伝説、関暁夫。その人を見るのは初めてではなかったが、地方住みでリアルタイムでやりすぎ都市伝説を観る機会がなかった私には新鮮でした。
批判される話し方。その一方で、過熱する考察。都市伝説界隈のYouTube配信者はこぞって話題にしていました。
「これ面白いよね」
妻は一本の動画を見せてきました。まだ無名の配信者。他の人とは違う切り口の考察。
「うん、そうだね」
そう言った私でしたが、私の頭の中は違うことでいっぱいだった。
自分ならこう考察する。この考察より、こっちの考察をした方が面白い。とはいえ、その考察は妻にも誰にも話さなかった。
それから、他の配信者の動画を見るようになりました。
この考察は考察じゃない。この考察はつまらない。批判ばかりが募っていった。
それならば、私の考察はどう見えるのだろうか。そもそも、私は関暁夫さんのことをよく知らない。他の配信者とは違う切り口で面白い動画を出せるのではないか。
そう思ってからの行動は早かった。パソコンを触ることは慣れていたとはいえ、動画編集は初めての作業。
動画配信者のように上手くできるわけがなかった。それでも、拙いながらに動画を作り、公開することにしました。
やはりそこは有名人。関暁夫さんの考察動画は少ないながらも見てくれる人がいて、チャンネル登録者も増えていく。
自分も有名人になった気分になる。そこからは長い道のりだった。5年かけて、ようやく登録者が1000人を超えました。
私の考察の中で、1番有名になった考察があります。それは新紙幣の考察です。
新1000円札の北里柴三郎の左目のところで折って、裏返しにして、鏡写しにする。そうすると富士山の噴火のように見える。
私の考察は瞬く間に拡散されていく。とはいえ、そこまでチャンネル登録者数が伸びるわけでもない。
私は何になりたいのだろうか。考察が好きで考察を見てもらいたい。有名人になることは目的ではない。
だから、長い道のりでもやってこれたのかもしれません。
こんな生活をしている中で、私は一つの怪異に遭遇しました。
『死を呼ぶ黒い招き猫』
私が遭遇した怪異を一言で表すなら、この言葉がふさわしいと思います。




