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事故物件×事故物件=  作者: 鳥山正人


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2/8

2話

次の怪異は自宅でのことです。


当時の私は怪異とは思っていませんでした。そのくらい違和感を感じたことはありません。


ですが、今となってはおかしなことだらけでした。


私の住んでいたアパートは会社から徒歩5分で行けるような場所です。車生活が必須の田舎ではありえないくらい近い場所にありました。


私が寝床にしていたのはアパートの部屋の西側にある部屋です。


夕陽しか入らないその部屋は、湿気の溜まりやすい場所で、入居してすぐの時は、除湿器がすぐ満杯になるくらい湿気のある部屋でした。


それでも一週間もすれば湿気は落ち着いてきます。なので若かった当時の私は何を思うことなく、普通に生活していました。


今思えばですが、他にも水回りの件で異変はありました。


入居した時の話です。


そのアパートは少し変わった場所にありました。住所としては町と町の境目にある場所です。そこは隣町の程よく栄えていた場所でしたので、水道局は隣の町の水道局の取り扱いという場所でした。


水道局の人を呼び、立ち会いの元で、水が出るか確認する。


台所、お風呂場、そして、トイレの水が出るか確認する。でも、トイレの水だけが流れなかった。


「トイレだけ水出ないみたいだけど、あとは大家さんに聞いてね」


そう言い残して、水道局の人は帰っていきました。


あとになってわかったことでしたが、水道局の人がトイレの水のタンクを開けて閉めた時に、水の配管から少しずれたので水が上手く流れなかったのです。


「あのクソ野郎め」と当時の私は思ったくらいですが、私にとっては、入居してすぐに水回りのトラブルがあったなという感じでした。


それでも住めば都という言葉があるように、快適な生活をしていました。


隣りには綺麗な女性が住んでいました。たまにすれ違うくらいでしたので、女性が住んでいるんだなという認識でした。


この隣人の部屋が事故物件といわれる部屋になります。


平屋のアパートで、隣りの部屋と繋がっているタイプ。そういう意味でいうと、私の部屋も事故物件の一部ということかもしれません。


とはいえ、私の部屋で何か怪異があるということもなく、隣りの部屋から変な音が聞こえるということもありません。


当時はそう思っていました。いろいろあって引越しして、その後になって友人から、ある話を聞きました。


「お前が前住んでいたアパートだけど、有名な事故物件らしいよ」


友人は近くの酒屋で配達のアルバイトをしていました。居酒屋やスナックに配達している内に、その話を聞いたらしいのです。


そして、もう一つ。あることを聞きました。


私の隣人は夜の仕事をしていたということです。


その時、初めて気付けました。あの部屋の怪異に。


女性が住んでいたことは知っていた。そして、私はこうも思っていた。


小さな子どもが2人いる。お兄ちゃんと妹の兄弟。5歳と3歳の小さなお子さんがいると思っていました。


一度も見たことはありませんが、そう思っていました。


夜、寝ている時に寝床の向こう側から、二人の小さな子ども達が遊び声が聞こえていましたから。


それは私にとっては心地の良い子守唄のように、適度な音楽だと思うほどに、何の違和感もない出来事でした。


だけど、隣人が夜の仕事をしていたと知ると話は変わってきます。


私は隣人をシングルマザーだと思っていた。


幼い子ども達を残して、仕事に行くとは考えられない。


何故、私は見てもいない子どもがいると思っていたのだろうか。


日中は一度も子ども達の声を聞いたことはない。


夢と現実の狭間にある、ウトウトしている時間の時だけに聞こえる子ども達の声。


これが私が自宅で体験した怪異です。


次はもう一つの工場で起こった怪異についてのお話です。




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