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為せば成る・・・のか。本当に?

作者: SHIRUSHI08

KAYA全ては偶然から・・・・きっかけはそうかもしれない。でも・・・・


森羅万象  なにごとも・・


為せば成る、為さねば成らぬなにごとも、ならぬは人な為さぬなりけり


やっちゃってください。

 なるようにしかならない。これは半分諦めのことば・・・

 為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり。とは過去の偉人が言った言葉

 上杉鷹山だったかな?

 言い回しが難しいけど、「やんなきゃできるわけないじゃん」だよね。きっと

 うん。自己紹介している場合かどうかわかんないけど、私は深雪・・春野深雪28歳


 浅く広くが私の知識「あ、聞いたことある。」とか、「深くは知らないなぁ」がわたし。

 もちろん趣味もいろいろと持ってます。あ、持ってましたです。もう。

 子供の頃は、読書とか、あれもこれもと興味は持ったけど・・・そういえばあんまり深く嵌ってないなぁ。

 あとは何が趣味って言えるっけ?

 あぁどれもこれも中途半端だし、思い返せば文学少女ってほど本も読んでないし。

 あーもっと何か打ち込めるもの探していれば・・・ってもう遅いよね。


 たぶんあれがうわさに聞く『三途の川』

 ほら、岸辺に櫂で漕ぐ和船が泊まってるでしょ。それでもってよく見たら・・・ほら

 何かしつらえたように一人分空席があって・・・あれきっと私の席ね。

 船頭さんが「こっちこう。こっちこう。」って徹招きしてるし。


 大概生き返れるなら、こっちの・・私が来た方から「行くなぁ」とか「帰ってこい」とかじゃないとしたら

 向こう岸からお父さんとか、お母さんとかが、(あ!まだ両親生きてるわ)だっから、おじいちゃんとか、おばあちゃんとかが「まだ来るなぁ!」とか「帰れ!」とか言ってくれ・・・て、ない。

 前と後ろをきょろきょろと見て回すが、手招きの船頭さんしか見えん!聞こえん!

 しかも、船頭 圧が強くなってないか?

 石でも積んで、時間稼ぎでも・・・ってあれは水子の仕事?だったっけ??いずれにしても鬼の出てくる話だよね。積んだ石を蹴り崩されて泣きながらまた積むんでしょ?

 私には無理だぁ。鬼にも会いたくないし、だって怖いじゃん。せっかく積んで壊されたら腹立つじゃん。

 あー、でも鬼には喧嘩売る勇気ないし、だから泣く泣く積むしかないのか?

 いっや、それ水子の話だし、やっぱ乗るしかないのか。


 泣く泣く乗っても、船頭がキッと睨むだけで、ほかの乗客は何にも言わんし、こっちを見もせん。ただ水面を黙って見ながら波に揺られていくだけ。

 バスとかで出発遅らせて睨まれることたまにあったけど、あれに比べたら楽かもって思う。

 うーん今更だけど乗船中の人乗客でいいのかな?

 船賃払ったわけじゃんないけど・・周りの人を見れば何やらしっかりと握りこんでる人もちらほら

「あ!あれって渡し賃の・・六文銭だったっけ?」

 おじいちゃんの葬式で紙の六文銭入れてあげた記憶がよみがえる。

 私、渡し賃持ってないんだけど・・思い当って船頭を振り向いてみても船頭はただ黙ってあごをしゃくって前を見てろと言わんばかり。

 いいのかな?後で無賃乗船とか言わないでよ。


 何か三途の川を渡っているのに妙に落ち着いてる自分に逆に驚く。

 もっと泣きわめいたり、現世に未練を残したりで大変かと思ったけど、意外と大丈夫だわたし。

 確かに、未練を残すほど現世に楽しい思い出・・・あったかな?・・・ないんじゃない?

 あ、それも寂しいね。恋人とかもいないし・・もういなかったし。仕事に充実感も感じてない・・か。

 あー寂しい人生だったなぁ今思うと・・・

 そう、このまま三途の川を渡り終えてあの世とかに行くんだ。

 そこで、なにするんだろう?

 あー、閻魔様か。 閻魔帳とやらで私の人生点検して、プラスだったら天国で、マイナスだったら地獄だったっけ?

 えっと、何がプラスかマイナスかだったっけ?楽しさ、充実度・・違うなぁ

 え~~っと思い出せ。う~ん う~ん。

 トントン。

 もううるさいなぁ。一生懸命思い出そうとしてるのに・・邪魔するな!

「プラス・・・マイナス」

 トントン

「だから!思い出せないから気をそらせるな‼」

『ブツブツとうるせぇだ!』

 おーーっつ。船頭様。相すみませぬ。ってしゃべるんかい船頭さん。

『全部声に出ててうるさいわ!』かなりお怒りの様子。

 まあ怒らせついでで、事情もわかってるだろうからついでに聞いとこ。

「ねえ、閻魔様って何のプラスマイナス見るんだっけ?」

『おめえの生前の『徳』の積み具合だ。わかったらもう黙ってろ!』船頭さん青筋見えてそう。

 ごめんね怒らせて、でも検索もできないし解らないままじゃ気になるし・・でもわかったから

「ありがとう」

『フン』


 もうすぐ対岸に到着します。って自分で自分にアナウンス。

 ここ上陸しちゃったら本当に帰れないんだよね。ひょっとして今なら・・・

 ちらっと船頭の顔を見るが・・表情が見えない。って・・それより船頭さん顔ないんじゃない?

 なのに何故かわかっちゃうんだよね。これって感応力?

 まあ、いいやそんなこと。

 駄目だったら、連れ戻されるだけ。マイナスが増えるかも知んないけど、上手く行けばもう一回現世に戻って、それこそ死んだつもりで人生残り楽しむのもいいかも・・どうせ一回死んだんだし。

 なら、ままよ!

『あっ!こら』

 もう遅い。・・がちょっと流されるんですけど、思ったより流れきついじゃない。

 無理かも・・・・「為せば成る・・・」って今ここでリフレイン?しかも頭の中で・・・うるさい。

 私もスイミングスクールで習い事してたんだよ。(得意じゃないけど)

 何とか元の岸まで・・(息継ぎってどうだっけ?)

 体力持つかな??・・(もっと運動しておけばよかった。)

 ハア..ハア..ハア (苦しい)

 死んでるのに苦しい・・・

 何でこんなに流れが速いのぉ~

 息が続かん・・目の前が・・・・ブラックアウト・・・本当に死んじゃうかも。(あ、死んでるのか。)

 いや、こんなに苦しいのはまだ生きてる。・・はず。

 え~い!神様~っ・仏様~っ私をお助けろ~っ・・仏様の方がいいのかいまは?

 まあどっちでもいいや。聞こえたら助けて。


 もがく私は何かをつかむ、細くて細くて・・・糸のような?

 これって、蜘蛛の糸?これを伝うとどこに行くんだっけ?天国だったか生き返るんだったか?

 いづれにしてもこのままだとおぼれそうだから掴んでおくしか手はないよね。

 って船頭!私を逃がすまいって追ってくるな。おとなしく対岸に船付けてろ!

 あ。自分でもだんだん口が悪くなってくるのを実感するけど、今はそれどころじゃない。

 全然違うけど脱獄ってこんな気分なのかな?

 すごくドキドキする。

 ん?ドキドキできるって心臓が脈を打ってるってことだよね。やっぱり生きてるよ私。

 そう、思い出した。蜘蛛の糸だと天国のどこか忘れたけど天国だ。そこに行っちゃったら結局死んだことになるよね。…じゃ、ダメ。蜘蛛の糸はいらない。船も近づいてくるし、いったん流れに任せて距離を取る作戦。

 名付けて、「浮き草作戦」 決行

 うん。なんか余裕出てきた。流されつつ現世側の岸にちょっとづつちょっとづつ寄れれば・・いけるかも。

 よし、そうと決まれば手を放して・・・手を放して・・手を・・離れんじゃないか!

 落ち着け私。

 こういう時の定番は・・なんだっけ??

『むだだ』うっ。船頭の声が。もしかしてこの蜘蛛の糸って・・船頭と赤い糸ならぬ白い糸ーーっつは、「いやあーーーーー」

 声だけは大きいんだ私。

 ふっ。あまりの破壊力に船頭が耳を押さえて・・糸を放したな。・・よし。このまま流される。作戦再開


 追いつ追われつ数分時。こうなったら川底の石につかまって・・・・よし。

 ついに船の方が下流に行った格好になった。船頭潜った私を探してるよ。キョロキョロしてる。

 水面から顔を出さないぎりぎりで息を止めて下流を確認する。水面が揺れてるから視認しづらいけど何となくわかる。振り切った。

 もうちょっとの我慢。10・・9・・

 ゼロ。 ぷはぁー苦しかった。あとはゆっくりと岸に・・お!近いじゃん。


 何とか岸に這いあがれました。何はともあれ溺れる心配がなくなった分気持ちに余裕が

 余裕が出ると相手を思いやれる気持ちまで生まれるんだね。

 船頭さん、乗船客を乗せたまま下流まで行っちゃって・・船を上流に運ぶのって大変だろうな。

 船を向こう岸に付けた後、乗船客も動員して川岸から曳くのかな?

 川から上げてみんなで担いでいくとか?それはそれで重たそう。ごめんね。誰か知らないけど他のお客さん。

 とにかく息を整えて、気持ちを整理しながらどうすればいいかを自分で考えないといけない。

 そんなことを考えながら岸辺に腰を下ろしいていると、何気なく付近の石に気が行くんだよ。

 積めぇ、積めぇって思わず石を手に取って石を・・・いかん!

 鬼が来るではないか。慌てて立ち上がり周辺を確認するが。鬼らしき姿は・・・・ない。

 う~ん。こんな時は『志村!後ろ』だっけ?

 念のためそ~っと振り返る。万一居たら全力で逃げる準備して。

 ・・・・・


 いない。・・助かった。だってまだ積んでないもんね。石

 これで一つわかったこと

 石を積むのは、しゃがんだりして石との距離が近くなった時だと推測。それなら子供の方が小さいから影響を受けるんじゃないかと・・私の持論・自論ですがね。ハハ

 でもどうなんだろ?このまま対岸と逆方向に歩くだけでいいんだろうか。

 ずっと開けた土地が見えるだけだが・・・私どうやってここに来たっけ。思い出せないな。

 気付いたら居たって感じ・・だったような。

 もしそうなら、何か得体のしれない力がないと戻れないのかもね。「帰ってこい。」とかの呼び声

 まあ、とにかく石のない所まで歩こう。じゃないと、また石を積みたくなっちゃうかも

 そうすれば、鬼に見つかっちゃうからね。


 よし、とにかく歩くぞ。少なくとも積みたくなる石のない所まで。

 黙々とひたすら歩く。

 時折周囲を警戒しながら。とにかく初めての場所だから何が居るのか何が有るのか全く知らないし、

 過去の記録たどっても、三途の川周辺をうろうろした人はたぶん私が初めてじゃないかしら?

 大抵の人は、呼ばれて帰っちゃうんでしょ?

 なんか大霊界とか何とかと言う本にもうろうろする人のことは書かれてないんじゃないかな?

 これも私は読んでないので深く知らないけど・・・結局私って今までこれだったんだよね。

 ただ、・・だよ?どれだけの人が満足な知識持ってるのよ?みんながみんなオタク的な深い知識って持ってないでしょ??

 い~え。文句や愚痴ではありません。それが人間ってもんよ。と私は思うのね。


 あーうだうだ考え事していたら結構歩けたんだけど。今度は一面お花畑?だよね。これなんてお花かな?

 グー〇ルで検索って、、携帯持ってないし・・まあ、いいやそこまで興味の湧く花でもないし。

 ただいい香りなのよね。

 どこかで嗅いだ覚えがあるような・・あ~思い出せない。ここまで出てるような・・まあ、そのうち思い出すかもしれないし。

 でも何ですね。こう川から離れるように歩いていても心なしか後ろに引かれる感じが半端ないのよ。

 恐るべし三途の川、二度と来るものか。こんくそ!

(普通の人は一度きり・・それも逆方向にはいかない・・・か?)

 川から離れるだけで、こんなに疲れるなんて・・息が切れそう。

 それでもかなり離れたせいか、ちょっとは歩くのが楽になってきた。もう少し、もう少しこの場から遠ざかれば、完全に開放されるのも期待できるというもの。

 そう言えば、昔話であったような・・地獄に落とされたんだけど針の山は鉄下駄履いて平気で歩いたり、熱湯地獄?何かも知恵と工夫で克服して結局地獄の鬼の方が困って現世に返されたとか言うやつ。

 何だったかなぁ?そうべえさんに仲間がいたような・・気になったら調べてみて。


 ふぅ。何とか重力圏脱出。・・これより宇宙空間を慣性飛行に移ります。て具合な何か急にプチンと音がしたような、つながっていた糸が切れたようなそんな感覚があって本当に言葉どおり、突然引っ張られる感覚が消失したんだよね。で、今

 信じられないけれど、今度は地に足がついていない感じ。

 そう、宙に浮いてるって言った方がいいのかしら。こうしている間にもどんどん浮いて行ってて・・

 いやぁ~。今度は逆方向に引っ張られ始めた?風とか顔に当たってって感覚はないんだけど、もうすごい勢いで飛んでるよ、わたし。

 雲を突き抜け・・・ってこういうことね。初めて飛んだけど、これってすんごく爽快!

 確か天国ってお空にあるんだったわね。

 いやいや。天国にも行きたくないんですけど・・今は。

 このどうも中間?の現世には簡単に返してもらえないようで・・・

 でも、もしも、もしもだよ。ここから無事帰還できたとしたら?

 そりゃ凄い体験ですよ。この体験語るだけで大騒ぎ間違いないだろうね。

 いや待てよ。ありえないってフェイクの烙印押されるのが落ちか。

 ただ、今私の経験中のこれってまぎれもない真実だよ。・・・ね?

 何か夢落ちとか言わないよね?

 ちゃんと死んでる?わたし。って死んでること自問自答して死んでますって安心するのも変だし。

 苦しいとかドキドキは生きてるあかしだよね。いったいどうなってるんだろう?わたし。


 このまま行きつくところに行っても天国じゃいやだし、いましばらくは現世で生きていたい気にもなったし、こういう時は・・心に願うんだ。

 現世に戻りたい。現世に戻りたい。・・・・・

 両親に会いたい。両親に会いたい。・・・・・

 もっと人生楽しみたい。・・・・・・・・・・


 あぁ温かい。・・・

 う~ん。眩しい・・

 温かくて心地よいんだけれど、前方の光がちょっと眩しい。眩しくて前が見えない。

 でも体が光に溶かされていくような感じ・・・

 これって成仏?・・・・成仏!だめ!成仏NO!

『って、そろそろ黙ってもらっていいかな?』

「・・・だれ?」

『そう。君の声は心の声も結構駄々洩れでね。』

「はずかしい・・・・」

『まあ、おかげで君が何を考えているかもあらまし分かったし』

「わかったし?・・」

『一応採用ってことで・・よろしく頼むよ。』

「さいよう?・・わたし・・たのまれた??」

『そう。採用する。詳しい内容は後程とりあえず急いでくれ』

「内容は後って・・急げってどこによ?」頭の中が整理できない。何言ってんのこいつ。

『はい、出発!』ヒュンて音がしたかと思うと、見知らぬ土地に立っていた。

 で何よこの格好?私の服、ぶかぶかになってるじゃない。何で服がこんなに大きく・・・ってこれ

 これ私の手?なんか小さくない??

 え?髪は長くなってるし、って地面近っ!

 え~足も・・靴が大きくなって・・・じゃない。私が縮んだ??

 かがみ、かがみ。キョロキョロしてもただの草原。

 草丈も低いというかきれいに刈り込まれてるね。これ人間の仕業に間違いない。・・よね?


 周りに石もないのでとにかく座り込む。(石にトラウマ持っちゃったかな?)

 状況が解らず、何より服が大きくなりすぎて、靴もだけど実際着衣していないのとほぼおんなじね。

 これじゃ、どうしようかって・・・動けないよぉ。

 ここに来る前のあの場所、よく聞く、って言って良いのかな転生ものとかで通る神様クラスの居る白い部屋の類だった?

 どれもこれも根拠ないよね。そもそもファンタジー小説って体験記じゃないものね。

 でも私がこの体験を書けば、それはファンタジーじゃなくてノンフィクションなんだけど、それどうやって本を出すのってことだよね。

 もうこの話は良いや。今はこの現実をどうするか?ほぼ裸の乙女(って自分で言うのも変だけど)がどうやってこの危機を脱するか?の一語に尽きる。


 シャツはとにかく絞って絞って上手に絞って腰で結べば・・・うん。何とかワンピース風に着こなせそう。

 となると、靴は絞れないし・・・履いてたパンツは長すぎて引きずるだけ。

 そもそもウエストが馬鹿が付くほど広すぎて使えなさそう。なので・・・って

 今思い出した。三途の川に向かうとき白装束だったじゃない。いつ着替えたのかは覚えてないけど。

 で今このぶかぶかの・・・でもこれって私が好きでよく着てた服・・・だし。

 確かにこの靴も・・サイズが24cm・・と。

 ん?  んん?

 24㎝の靴がぶかぶか?・・・なら、わたしは・・・これ決定ね。わたし縮んでるわ。


 手を見て、足見て、ボディーライン見て・・・下した答えが・・・わたしは 幼女!

 最強かどうかはわかりませんが、わたしは 幼女 です。 

 なぜ最強かって?こういった話の主人公は転生後、生まれ変わったり、幼くなっていたりして、なぜか残った記憶で能力獲得して・・いや・・白い部屋とか、神様とかからだったかな?とにかくレアスキルを

 獲得したりして無双するんだよ。少なくとも私が読んできた本はそうだった。

 でもいざ自分がと思うと俄かには信じがたいなぁ。

 ここに考えが至ると先ほどの光に包まれた部屋でのやり取りが気になり始める。

 内容は後でとか言っていたけど、それっていつ?

 あっあの場所でレアスキルとかをもらう交渉しなくちゃいけなかったのかも。

 もう手遅れかな?でも再会の時は最低でも一度はあるんだよね。「内容は後で・・」だったから。


「ステータスオープン!」それこそ先ほどから力一杯何度も試しているけれど全く、応じる気配がない。

「ファイア!」右人差し指を前に突き出しても・・何も変化なし。

 魔法の使い方が違うのかもしれない。

 あと、魔物とかモンスターとか獣人とかエルフとかもいるはずなんだよね。こちらの方は生息地なりその場所に行かないと遭遇しないのだろうから、今は望んでないけれど・・・

 仮に今魔物とかと出会っても力一杯全力で負ける気しかしない。剣も魔法も不思議な力とかも使えないんだし。

「やっぱりフィクションだからしょうがないよね。」転生=魔法とか剣とかスキル じゃない。

 なので幼女無双とか・・・ありえないか。少なくともこの場面ではね。


 それでも精いっぱい足掻いて行かないと、あれだけ三途で足掻いたのが無駄にしかならない。

 ここは残った記憶をフル稼働して、知識の勝負・・・・うぶ・・ぶ。

 わたしの浅く広い?広いにも自信が持てなくなってきた・・・けど、しかたない。

 お腹もすいてきた・・・し、、、、ねむくもなって・・・きた・・・し。。。。。おやすみ



 全く無防備だった。今考えてもよくこんなところでグースカ眠れたもんだ。わたし。

 ここがどこかもどんなところかも全くわかってないのに・・・本能に忠実な・・ポッ

 って一人芝居やってる場合か!

 まずは昨日の続き、三途から遠ざかって光の部屋?に行って変な奴と少し話して・・・いや、ほとんど一方的に告げられて、今謎の地。んでもってなぜか私は幼女・・何才だろう?

 自分で自分の年解らないって・・ここの基準もあるし、日本人と西洋人でも、見た目と年は違うというし。

 今までの服が合わなくなったせいで、急拵えのワンピースしかないので後の服は用無し。とは言っても捨てても行けんし。

 とにかく一纏めに。う~ん、下が心持ち風通しがいいけど、気にしたら負けよね。うん、気にしない。

 どうせ誰も見てないし。

 でもこういう時、ナップサックとか欲しいんだけど、そんなの都合よくあるわけないし。

 ただジーンズ系履いててよかったと思った。裾の部分をぎゅって結んで、腰の部分を袋状にして、足の部分を前に折ってきてそのまま後ろまでちょこっとクロスするようにベルトループに固定しちゃえば私の身長ならなんちゃってバックになり・・・そう。なった。

 量はあまり入らないが何とかなる。何より素手で持たなくていいのがいい。両手が開くだけでも何かと便利、有利。

「では、本日のしゅっぱーつ」目を瞑ってゆっくりとその場でぐーるぐる。

 どれほど回ったか自分で解らなくなったところで止まって、そのままよしこっちに行こうと思う方向に目を瞑ったままの格好で体正面を指向・・・・ゆっくり目を開けて「こっち」とそのまま前進

 木の枝を倒していく方向を決めるあれ。木の枝がないのでなるたけ自分の潜在意識が入らない方法として考案したのだ。

 でも本当に方向感覚解らなくなりそう。たまたま、本当にたまたま偶然に今進んでいる方向が左に木の群れ。右に草原だだ続きな風景で森と草原の境界に向かって歩くことになったから迷いにくいとは・・思うけれど。

 木の群れって言ったのには訳があって、私知らないんだ、林と森の違い。どんだけ木が生えてれば森?

 そもそも森と林の違いって木の生えてる密度?で合ってるの?

 んー、誰かちゃんにしかられそう。まあいい。誰かちゃんここにはいないし今はそれ重要じゃない。

 木でも森でもあーいうところって無防備に入っていくと危険なのくらい知ってる。

 卒業映画で作ったなぁ。「ンゾマアをさがせ!」とか言うタイトルだったか?探検隊が森・・そうあれは森だった。に謎のンゾマアってのを探しに行くストーリー。けどこいつが無茶苦茶、魔法使いは出て来るは何でもござれの詰込み映画だったような・・・これ知ってるのは私の同級生かおんなじ学校だぞ。 ・・・たぶん。

 連絡ちょうだいねって言ったところで・・むりよね?だって私こっちにいるから。

 でもありがとう記憶をたどると思い出せるね。森と林の大きな違いは人工的か自然発生的かだったようなとすれば、左に見えますのは・・・・森でございます。ですね。


 そう。あとね、一人で歩くときは歌を歌うか一人でも話を続けとかないと自分が保てない。

 だって寂しくなっちゃって、無言で黙々と歩くのも疲れにくいのかもしれないけど、精神力が強いと思えない私は気持ちが萎えちゃって、地面とお友達になりたくなるのね。

 歩いた先に何が有るのかわかってもいないけど、歩かなきゃって私の本能は訴えて来るのよ。ひしひしと

 たとえ着いた先に「絶望」があったとしてもね。

 そもそも、これだけ歩いているのに景色が動かないんだもの。人が歩く平均スピードを時速4キロとして、体感だけど数時間は歩いているから10キロ以上進んでるはずなのよ。

 だけど景色が動かない。きっとこの先は目で見えている以上に遠いのよ。だから景色が動かない。

 時速4キロ・・・あ!感覚ミス。・・私幼女。・・・時速って2キロくらい?・・もっと遅い?


「お嬢さん。乗っていきますか?」

「いいえ!ありがたいけれど・・お情けは受けられませんわ!」

「・・しかし、この先まだまだ・・人里にはかなりの距離がありますぜ!」

「ありますぜ!って、まあ」あーちがうちがう。

「人里まで、まだまだ・・・まだまだ・・・」

「カァーーット」自分で自分の妄想を切る。・・むなしい。

 折角優しい人が現れてやり取りをするはずだったのにセリフが何故か時代劇風に化けちゃうし・・

 正しくはなんて言うのか出てこなくなっちゃった。

 気分替えて、シーン65。カット4・・・で、どんな話作ろうかな?

 ってかもう飽きたぁ。


 なので次、歌を歌って。。。みなさん?歌って最後まで歌詞を見ずに正しく歌える歌、何曲持ってます?

 わたし歌い始めて気付いた。出だしとかサビはそこそこ覚えてる。で順調に歌い始めるのね。

 でもよ、気付いたらフンフフンとか、ハミングになってるのよ。ショックよ、ショック。そりゃね、カラオケとかも一人で行く勇気も時間もなかったから自前・・自前?頭の中で一人で歌うってことね。しかやってなかったから文字として視覚から取り込んでないからか余計に覚えていないみたい。おまけに旋律もうろ覚え、歌いきれるはずない。

 ほんと、スマホがあればゲームとかしながら、時間潰して寂しさも紛らせられるのにね。

 歩きスマホ禁止とか言わないでよ。ここ・・・そもそも電波ないか。圏外だぁ

 でもありがとうね読者の皆さん。わたしのはなしにつきあってくれて、おかげで、何となく目的地が見えてまいりましたわ。ホホホ


「いや、ごめん。昨日降ろした所に居ないんで、さがしたよ。」昨日のあいつだ。

「私も何も言われず放置されましたので、どうして良いやらわからず・・お腹も空きましたし。」キッと睨んで、今できる最大限の威嚇を試みる。

 が、まーったく気兼ねする様子もなく。

「そうだったね。急ぎの用が有ったので・・つい。」

「大切なことを伝えるのを忘れたと?・・・ん?」言葉の最後で顎をしゃくって、でどうすんだ?って具合に促す。

「いやぁ忘れたなんて。後でね・・とか言ったでしょ?ちゃんと」

「後でって言われてもね。あなたと私の時間感覚が一緒とも限らないし。後って言われてもわかんないわよ!」言える時に言っとかないとね。怒ってるのもあるし、饒舌よ、今のわたし

「だから後で来たんだけど、もう君がいなくってさ。」

「直後でも、何年何十年先でも後は後よ!まあいいわ、この話は。・・でご用件は?」

「君の採用の件だよ。覚えてる?」あぁ確かにそんなことも言っていた。私は別のことに意識が行ってたから思わず聞き逃しちゃって・・

「で、採用って何よ?」

「それはね。この世界の管理者に採用ってことでね。」思わず彼の前に右手を開いて突き出す。

 絵にかいたような『STOP』のサインだ。

「ちょ・・ちょっと待って・・世界の管理者って何??」

「続きを話してもいいかい?今から説明するから・・君、説明の前に止めるから。」

「あ、ごめん」思わず謝意を口にする。

「この世界の管理者と言うのは・・・」もう一度派手なサインでストップをかける。

「今度は何だい?これから説明するって言っ・・」

「う~ん。そうじゃなくて、この話って長くなります?」わたしは背が低いので、必然的に見上げる格好になるのだが・・

「君の理解力次第だけど?・・少しは長くなるかもね。」彼?は私を見つめながら少し・・ほんの少し間を開けてから『長くなるかもね。』って言った?。

「なら、どこか腰を落ち着けて、お食事でもしながら・・でいかが?」彼?の反応を伺いながらそう投げる。(見れば見るほど中性的なやつ。声も中性的だし・・男?・・女?・・そもそも・・人間??)

 彼?は私から目を話すことなく、少しい考えた様子で、

「君はお腹が空いていると言っていたね。・・では、この世界を視察がてら食事でも取りながら説明するとしようか。」

「そうしてもらえると助かります。私こう見言えて幼女なんです。な・ぜ・か?」最後の3語に力を込めたつもりだが、あーその件もね。と柳に風

「それと、私の名前『ハルノ ミユキ』キミではないので、と、そもそもあなたは誰なんですか?」

「あぁ、その件もだね。ではそれも食事を取りながらでいいかな?」

「わかりました。・・・でいいです。」まあ、食事でもと言ったのはわたし。う~ん確認してなかったけれど、当然おごりでしょうね。それ大切です。

「それじゃ・・いこうか?」わたしに向かって手を差し出してくるので、何となく素直にその手を取る。

 取った瞬間にブォ~ンと一瞬視界がゆがみ、歪みが元に戻った時には見知らぬ部屋

 無機質だけど一応リビングよね。これ。

 なんか、現代から何十年も先の未来の世界のような雰囲気のお部屋。

 例えば床、一見固い材質に見えるんだけどそっと足を包んでくれてるような柔らかい素材なの。

 壁も同じ、手で触れても・・そう低反発素材と言った方が分かりやすいかな?厳密には全く違うんだけど表面は固い樹脂素材にしか見えないんだよね。

「では、ここで着替えをしてもらおう。」彼?がそう言って手をサッと振ると壁面からにゅよっと・・本当ににゅよっと(分かるかなぁ?)盛り上がってクローゼットが出て・・じゃない。これ扉だ。

 訳が分からず彼?の方を振り向くと『どうぞ』って扉に入れとジェスチャーで促す。

 え~っ。得体が知れなくて、非常に怖いんですけど・・どうも入れず躊躇していると軽くため息をついてから、私の手を引いて扉の中に入っていく。私もひっぱられて入って行く。

「さっきとは・・別の部屋ですか?」明らかに扉を越えたのだが、さっきと変わらない造りの部屋

「ああ。クローゼットルームだよ。」とまたある一点に向けて手を振ると、上を向く彼?。

 釣られて上を見れば、これも同様に、にゅよっと一つせり降りて来る。せり降りつつ形になっていき・・・服だ!

 服だけど、何このデザイン。ほとんど円筒に袖が付いてるようなものたぶんサイズも私よりかなり大きい。大人の頃の私(この言い方・・変だけど今幼女だからね。)にも大きいんじゃないかしら?

 当然の結果として、彼?の顔を伺う。本当にこれを着るの?ってね。

 そんな私を彼?はスルーして出てきた服を手に取ると、私が苦労してサイズ合わせしたワンピースの腰ひもをするりと抜き取って、真上にスッと引き抜く。一瞬のことにわたしは隠すことすら忘れて呆然。

 頭の中で、何?なんで?とグルグルしているうちに、次は先ほどの円筒服を私にうえからカポッと被せる。カポッと言うよりストンかしら。

 まあ、素材が柔らかいので仕方なくその服の袖に腕を通す。

 え?・・えぇ?・・なにこれ!だって思いもよらない変化が起きるんだもん。

 まず全体が私のサイズに合わせるように縮んだかと思えば、サイズぴったりなレオタード?なのこれに変化。

「あ。そうか、知らないのね?」

 知るわけないじゃない。こんな変化する服。しかも最初に何の説明もなし。知ってろ!っていう方がおかしくない?

「そいつは下着用。好きなようにイメージすればいい。色も形も、思った通りに変化するから」

「それは解った。けどわたし、あなたの前で下着姿になるの?」お嫁に行けなくなるじゃない。とは本気で思わないが、誰とも分からない、しかも男?の前で着替えなければならないとは・・・幼女とは言え・・恥ずかしいぞ!

「誤解のないように言っておくが、わたしは一応女な。誤解してたろ?」

「・・・」いや、確かに中性的に見えるが、私の基準ではかなりのイケメンの部類だぞ。

「んでもって、KAYA って言う。」

「ん~、かや さん?・・・」

「一応、K・A・Y・A でKAYAね。」

 名前は解った。でも誤解するな。も無理があるとおもう・・・・のだが、女って言ったよね。

「ごめん。・・だって、そんなこと何にも言わないし。その見た目じゃ・・・ね?」軽く同意を求めるが

「君だって・・あ!ミユキだって女ってわざわざ言わんだろ?」確かに、いちいちごもっともなんですが、どう見ても私女でしょ?・・・って彼女もそう思っていたってことか?

「しかも、ミユキの場合は幼児体型で余計に区分がつきにくいんだが。ね?」

 確かに今の私は幼児。なので区分は・・さすがにつかない?男か女かぐらい。

「あー、そのままでいいならそれでも良いが・・いいのか?」わたしがさっさとやらないのでレオタード?のまま。

「いいなら、次を出すが?」

「ちょっと待って。イメージすればいいのね。やるわ。」深くこだわらない。幼児なんだからシミーズとパンツ・・・以上。

 色も白でいいんじゃない?幼児に黒で妖艶を求めても・・・ね?

 ハハ、うさちゃんのワンポイントとか入れたり・・・はさすがに・・ね?しませんよ。

「ふむ。無難なところですか。では次の服・・・はいどうぞ。」同じように出された円筒服を着用して今度は下着の上に着る服を考える。いつものあれで。

「それは、・・・以前に着ていた服と変わり映えしないな?」なんか服装にケチ付けられたので無意識のうちに反応、キッと睨みつける。わたしってここのところ短気になってるわぁ。

「いや、構わないんだが・・今から食事に行くんだろ?」

「普段でもこれで行ってたわよ。近所のお店でしょ?」

「まあ、近所と言えば近所かな?  まあ、いいか。ドレスコードがあるわけじゃなし。」左上を見ながらそう言うと今度はわたしに向き直り

「その服・・上着の方ね。いつでも好きな形に変えられるから。ちゃんとイメージして『こう』って決めればそうなるので、覚えといて。でも下着は使い捨てだから途中変化はしないわよ。使い終えてポイね。」

「・・べんりですね。」ちょっと私の理解を越えてる部分もあるけどそういうものだと認識し直そう。

 では、子供用のワンピース。色は赤で・・・フリフリフリル付き。

 変わった。確かに変わった。頭の中にイメージした通りの変化。こわっ。

 センスがない人どうするんだろ?って考えちゃいます。私もセンスある方?と思いたい。


 彼女は特に意思のない表情で私の衣装を上から下まで通してみたあと「ふむ」と一息吐くと、「では次ね。」と。

 続きがまだあるのね?・・あの食事は・・・おあずけですか?

 わたしのほんの少し、ほんのすこーし落胆した表情を読み取ったのか、

「・・わかりやすいですね。しかしもう少しです。」と、再度部屋?の一角に向けて手のひらを向けて軽く横にスライド。

 今度も全く同じように『にゅよっ』と何かがせりあがってくる。もう驚きません。おどろくもんか・・・

「えっ。ひと?」なんせ表れてきたのがはっきり人型・・・でもなんだ?

 全身ツルツル、金属光沢のようで、磨き上げられたプラスティック素材のような・・顔立ちも・・・滑らかな凹凸のみ。

 その・・なんだ?アニメとか映画で見た、顔のパーツのないマネキンのようなアンドロイド・・そうアンドロイドってこんなイメージなの・・・私の中じゃね。

 あー、彼じゃない彼女の前で直立状態になったよ。

「紹介しよう。これが君の生活をサポートする U052プロトタイプ初号機だ。」

「・・・」

「初めまして、マスターわたしはU052-P01号です。」アンドロイド?は自らそう言うと私に握手を求めて、右手を差し出してくる。

 わたしも呆気にとられながらつい、条件反射で右手を差し出し握手に応える。

「ありがとうございます。」そう言いながら、すこーし長めの握手がおこなわれる。

 目はないのに、目を閉じて黙想しているような、すべての動きが止まった状態での握手が続く。

 長いなぁ・・・正直な感想が漏れそうになった時、アンドロイドが口を開く。

「私のことをイメージしていただけますか?」

 うん?なんて言った?私のことをイメージするんですか?ってどういう意味???

「はい。わたしにどのような容貌を求めますか?」

「要望ですか?」何となくアンドロイドの言うことが理解できず、KAYAさんの方を見る。

「ちがう。ちがう。どんな姿かたちを求めるかって言ってる。」

「どんな容姿でもいいの?」

「ああ。ミユキがしっかりイメージできるならな。ただ、それがこいつの基本スタイルになる。」

 今だ手を握ったままの、U052に視線を戻し、

「どんな形態でもなれる?」と聞く。

「はい。マスター、固体様、液体様であれば可能です。ただ先ほどの説明のように基本スタイルが普段のスタイルになります。」

 なるほど、かのバ〇ル2世の〇デムみたいなイメージね。

「はい。その通りです。」

 えっ、こいつ何でバ〇ル2世とか、〇デムとかで解るのよ?

「それは、いまマスターの思考が私に流れ込んでいるからです。接続終わりました。」

 おもむろに手を放すアンドロイド。

「接続が終わったって?・・どういうこと?」何よ接続って、何と何を接続したっていうの。

「はい。マスターの情報を読み込みました。」わたしの情報?

「はい。遺伝子レベルでの解析と記憶などの情報です。」

「・・・え・・・・と・・・・わたし丸ごととりこまれたようなもの?ですか。」

「いいえ、一部正解で、一部誤認です。」わたしが混乱の極みに陥ろうとしている最中KAYAが割って入る。

「もうそろそろこいつの容姿を決めてやって。そんでもってこいつの名前もね。」

「容姿はこんな・・・感じかな?‥んで、名前・・名前はっ・・と。」

 容姿は・・そう『ゆきひょう』、本物より白を強めにして、・・ほとんど白で、名前は『ゆき』

「よし!、これで良い?」

「はい。わかりました。ミユキ様」見る見るうちにユキヒョウを通り越してほぼ真っ白なネコ科の大型獣に変化していく。

 その猫型ロボット・・じゃないアンドロイドの姿で言葉を話されても・・違和感?まあ、慣れが必要かな。

 だから、部屋とかで話すときは普通の女性の恰好の方がいいかな?・・そうそんな感じ。

 わたしが特に言わなくてもこうやって思ったように変化してくれるって便利かもね?

 でも、何か怖い気もするけれど・・・

 あの、〇デムは原型はないんだってね。主人の思考で場面に応じて変化するって設定だったようだし、確か猫型の時にも普通に話してたよね。本当、慣れだわ。

「じゃあ、あとは戻ってからにして、食事に行きましょう。」

 あぁ、やっとランチタイム・・・だったかな。時間の感覚なくなってたわ。


 いざ楽しいはずの食事タイム。ゆきとKAYAと連れもってテレポ。これももう驚かないが・・・・いや、やっぱ驚く!「なんで~!!」

 さっきまで、近未来・・中未来・・遠未來的な場所で時間軸と思っていたのに、降り立った場所はちょっと立派な「峠の団子屋」ですね。

 店内には簡単なテーブル?と台座?椅子があって、茶碗にご飯とみそ汁だよねこれ。あ!その横にお茶も。

 どういうこと??とKAYAの顔を見ると、何でもないといった表情で、「ここがミユキの職場になるね。」と発言。団子屋でアルバイトが私の・・・仕事なの?

「早とちりね?正確にはこの世界の管理ね。」一見平和そうなこの世界と言っても、この団子屋しか知らんが・・・この『世界』の管理って何を管理する?

「まあ、話は長くなるがな・・・」って、ご飯をほおばりながらみそ汁をすすりながら説明始められても頭に入って来んわ!

「この世界の行く末を設計管理して、住民らを導くのがミユキの仕事だ。」

 そんな説明でピン!と来いと?

「ミユキは、ファンタジーな世界を見聞きしたことないか?」

「有ります。有ります。結構好きで色々読みましたし、アニメもいろいろ・・ですね。」

「なら、簡単だ。やり方は任せる。この世界言わばまだ生まれたばかり、ここに色を付けて、道筋付けて君の思い描く世界にすればいい。」

「私が思い描く世界・・・」

「ああ、ただし、人類の滅亡だけはさせないでくれ。これまでの経験上成功したものは一人としていない。」

「うん?どういうことですか?一人もいないって・・」

「言葉の通りだよ。私たちだけではどうもうまくいかなくて・・ね。人類はどうも滅亡への道を歩むのが好きなようで・・・」

「はぁー?」

「そこで、その人類自体・・あ、これもあちこちからね。本当にありとあらゆる現存世界から採用してゆだねているんだが、取り返しのつかない事態に陥ることばかりでね。」

「・・・」

「それで、今回地球からもほとんど偶然の重なり合いの結果だけれど・・ミユキが選ばれた。」

「・・・それが、・・採用?」

「そうだね。今の地球ももう取り返しようのない時代に突入していて、時間の問題なんだよ。」

「・・・」

「人類の時間感覚だといましばらく時間はあるけれどね。」その瞬間時空の歪みを感じる。

 あ、まだ別次元?

「紹介しておこう。あちらで作業している彼が地球の管理者だね。」

「え?・・・あの?・・彼が地球の神様みたいな人なんですか?」

「あー・・・そうだね。神様ではないが、管理者だ。彼も人類の暴走に手を焼いている。」

 そう説明しながら作業中の彼の前、地球が見える位置にKAYAはわたしを導く。

「ほら見てごらん。今こうしている間にも、あちこちで諍いが起きてるだろう?」

 その話を聞いたのか、作業中の彼が手を止めて私たちの方をちらっと盗み見て、KAYAの姿に気付く。

「あぁそのまま作業して・・」とKAYA

「はい。・・・でそちらの方は?」わたしの方に視線を向けながらKAYAに尋ねる彼

「彼女はミユキ。新しい世界の管理者さ。今日は就任前の見学でね。この地球の出身だ。」

 彼は一瞬驚くような表情をしたが、改めて私の方を見て、

「すまないねぇ。僕の力及ばず・・君にとって僕は反面教師となれるのかな?」

「反面教師?」

「この地球の歴史。当然学んでいるだろう?導いたのは僕。」

 彼は少し目を伏せるようにうつむいたと思うと再び顔を上げ、

「で結果はこの通り。君が実感してきたすべての不条理などの出来事も含めて君の反面教師さ。」

「・・・」

「僕が間違ったと君が思うこと君の導く世界で、修正していってほしい。」

「・・・」なんて答えていいか・・・わからない。

「君にも・・地球の人にも申し訳ない気持ちで一杯だよ。」

「・・いえ・・わたしは・・」何か言ってあげたいけど、何をどう言えばいいのか解らない。

「君がここに来たってことは・・・・だろうけど、最後まで力を尽くしてみたいから」

「すまない。じゃまをしたな。」KAYAは彼の言葉が終わるか終わらないかで会話を打ち切り、再び私を連れて『峠の団子屋』にもどる。

「一度にいろいろなことが有ったので、理解を越えてるのですが・・・、

 彼は最後に何を言いたかったのです?地球がどうなるんです??」

「まあ、君もいずれ知ることになるし心構えも必要だから、説明しておくよ。」

 KAYAは少し座り直すと、お茶を一口すすって、

「地球は後しばらくで人類が残らず死滅する。最も今すぐではないがね。・・

 そのうえで彼は地球人の死滅の間際に地上に降臨して最後の導きを行う。これは君たちの伝説?に残っていると思うが・・・どうかな?」

「さあ?私にはわからないですね。・・黙示録とかです?」

「ああ、そう言う名前だったかもしれない。ただ彼は数千年前からその軌道修正を試みているのだが、それも無駄になってね。つい先ほど地球人類の滅亡が決定的となった。」

「そうなんですか?・・もうどうにもならないんですか?」不思議と悲しいとかいう気持ちは沸き上がってこないが、ただ自分の身がもがれる気持ちだけは存在しているよう。

「もう無理だ。その結果として君が採用された。地球の学んできたものを次の世界へつなぐためにね。」

「私のような・・何もない普通の・・女ですよ?そんな私が・・・」

 何でわたし?、どうしてわたし?もっといろいろと頭のいい、聡い人なら、たくさん居たろうに・・・

「これでもちゃんと採用試験はあるのよ。そのうえであなたが採用なの。自信をもってね。」

「・・・はい。自信はないけれど・・・。彼は・・彼はどうなるのです?」

「彼は地球人と運命を共にすることになるわね。・・それが管理者の運命さだめなの。

 あなたに会って彼もそのことを改めて認識したはずよ。」

「・・・」

「では、あなたの管理する世界の説明に入るわよ。」ちょっと待って、それでも気持ちの整理ってもんが

「もう一度・・・もう一度地球(ふるさと)を見ることができますか?」

 KAYAは、困ったわね。と言った表情を浮かべるが重ねて懇願する。

「気持ちの整理としっかり思いだせるように・・もう一度瞼に焼き付けておきたい・・・」

「・・・わかったわ。」

 そのあとわたしはKAYA とともに無言で地球の姿を目に焼き付ける。

「ありがとう。・・・・地球」

 二度と地球のような世界を生み出さないよう・・・

「さあ、行こうか?」

 わたしの世界が今始まる。全力で・・・全霊で・・・KAYAとゆきと私で・・・













いかがでしたか?続き作りたいですね。読んでいただけますか?

深雪と ゆき と ミユキの世界の作り方どんどん広がっていくんですけれど・・・

また、展開していける日を楽しみにしています。

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