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11−15 衛星都市 (3)

「ゴーレムを先行させる。問題無ければ報告する」

「そうしろ」

ブリアレオスの指示で子ブリアレオスが先行する。ヒルデガルドは疲労させない為にブリアレオスが抱き上げている。

「信頼されてるな」

ヨハンが私よりヒルデガルドを助けるブリアレオスを茶化す様に言う。別にオートマトンにお姫様抱っこされるのを羨ましいとは思えない。

「聖女審査で見せつけてるからね」

「なるほど」


 ヨハンの護衛騎士達は当然、このくらいの運動は問題無いので私達の後をついてくる。子ブリアレオスが門に入った直後、ブリアレオスが告げる。

「ヨハン殿下は左の騎士達を、聖女テティスは右の騎士達を攻撃してくれ。徴用された市民とは明らかに違うから分かる」

「おお」

「ええ」

我々が近づく間に子ブリアレオスが何か動いている。剣でも投げたんだろう。こっちに投げるなよ。


 ブリアレオスが左右に役割分担した以上、私達は門に入るとすぐ自分の担当の方に向いた。ああ、なんか蛮族の槍みたいな適当に作った武器を持った私服の男達と騎士がやりあっている。だから4人の騎士に一度にアイスボールを叩きつける。

「がっ」

「ぐぁっ」

悲鳴を無視して私服の男達が複数人ずつ騎士達に槍を刺す。


 一仕事終えた私服の男達がこちらに顔を向ける。

「アングリア騎士団の者か?」

「王家の味方だけど、騎士団とは関係ないわ。私はテティス・ファインズ、聖魔法師にして水魔法師よ」

「…聖女、か」

「今は水魔法師として動いているけど、重症の人の血止めをするわ。動けない人はいる?」

「3人、不味い状態だ。見てくれ」


「ヒルダ!一人お願い」

「う、うん」

ブリアレオスから降ろしてもらったヒルデガルドが一人を治療する。私は眼の前の患者の内出血の部分と外部の傷を治療する。

「明日、医者に診断してもらって」

「すまない」


 もう一人も血止めをする。そこでヒルデガルドからも報告がある。

「応急処置と血止めはしたわ」

そんな私達にヨハンが声をかける。

「おい!こっちもだ」

そちらには4人の私服男達が蹲っていた。ヒルデガルドと二人ずつ治療をする。


「治療、ありがとう。我々はアングリア王家と敵対しないが…」

ヨハンが察して言葉を被せた。

「住民同士やり合いたくないのは分かる。教会の方で蜂起が起こっている筈だ。そっちを守ってくれないか?」

「ああ、そういう事なら神のご意思に適うだろう」

あー、それ西部教会の意志だから、神様関係ないけどね、と心の中で呟く。


 ブリアレオスが行き先を指示する。

「中央通りで信者達が簡易バリケードで騎士達を阻止している。横やりを入れたらバリケードに入れてもらってくれ」

「分かった」

そうしてその場にいた徴用市民達は全員この場を離れた。


「グスタフ!この門を確保していろ」

「はっ」

護衛騎士を二つに分けて、一方を従えて我々は都市内を北上した。

「中央交差点を北に向かえば代官の館がある。そちらでミノタウロスに投薬して、興奮状態にしようとしている」

「今から行けば、丁度鼻息の荒い猛牛が見れるって訳か。そのくらい威勢の良いミノタウロスの方が見ていて気持ちが良いぞ」

「突進して来て跳ね飛ばされなければね」

「跳ね飛ばす方の奴が何を言う」


中央交差点で西を見るとバリケードの前に騎士達が群がっている。その騎士達をアイスボールの乱打で数人倒れさせる。その間にヨハンが同様に市民と対峙している東側の騎士達の背中にファイアーボールを6発叩きつける。

「ぐぁっ」

「ギャー、熱い!」

火だるまになった騎士達に簡易槍を持った市民達が襲い掛かる。もっと援護をしてあげたいが、ミノタウロスを抑えるのが先だ。私達はすぐに北上を再開した。


「不味い、下水道の探知が妨害されている…」

「何でだ?」

「多分、スキュラが近づいているのよ。何らかの妨害を指示されてると思う」

「お前ほどの魔力は感じない。何で妨害出来るんだ?」

「多分、自分の体液を流して魔法干渉力を強化しているのよ」

「自分の住処に小便流すなよ!ケダモノめ!」

「魚の仲間だからその程度汚れても大丈夫なんでしょ」


 だから私達は下水道に気を付けながら進んだ。ブリアレオスの操る6本足のオオトカゲ型ゴーレムが裏通りに潜んでおり、私達を見ると先導する様に歩き出した。どこぞにいた本物のオオトカゲよりずっと速く、静かに歩いてゆく。

 あれれ、行数は稼いだ筈なのにやたら文字が少ない。まあともかく明日も更新します。

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