表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の白い結婚  作者: 一番星キラリ@受賞作続刊発売決定:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/112

なぜ……?

 ホテルへ戻る馬車の中。


 フィオナと私は無言だった。


 なぜ宮殿にユーリとライルがいたのか。


 まずライルが宮殿にいるのはおかしいことではない。

 そこが彼の職場であり、騎士団宿舎も宮殿の敷地にあるのだから。


 宮殿にいる理由が見つからないのはユーリだ。


 伯爵家の屋敷に籠り、社交の場に顔を出さないと言われているのに、なぜ宮殿に……?


 ユーリが宮殿の事務官になった。女官勤めを始めた。

 どちらも不正解だと思う。

 絶対に、違う。


 何よりもライルがユーリをエスコートしている理由が分からない。

 しかもその様子をベルナードが見守っていたということは……。


 あれが任務?

 ユーリをエスコートする……いや、護衛している?

 伯爵家の令嬢に過ぎないユーリを護衛することが、英雄であり一国の騎士団長の任務?


 まさか。


 あり得ない。


 そうなると……。

 ベルナードがいたのはライルの従騎士だからと考え、任務と切り離して考える。

 お昼も近いことから、あれはあくまでプライベートの場とするなら……。


 そもそもライルは、国王陛下経由で、ミルフォード伯爵家に縁談話を持ち込んだ。だがそれはユーリなのか、私なのか、明確ではなかった。だからやはりそこは……ユーリ狙いだったのでは? でもいろいろなしがらみを考え、ユーリを一度は諦めた。でも忘れることができなかった。そして偶然、王都でユーリと出会うことになり……。


 結婚とは絶対的に覆せないもの。死別以外で婚姻関係を結んだ二人が、別々の道を歩むことは許されない。縁切りという言葉はあるが、法的には夫婦関係は続く。例え相手が重罪人だったとしても。


 夫婦関係は解消できないため、貴族の間では愛人関係を結ぶ者は多い。それこそある種の文化になっている。私生児も多く、それが多くの火種を産んでいた。


 ライルは……ユーリを愛人にしようとしているの?


 いや、あのユーリが愛人なんかで納得するわけがない。


 というかそもそもユーリは会ったこともないライルについて「え、騎士団の団長!? いや、絶対! 体中傷だらけできっと獣みたいなんだわ! 私は第二王子みたいな優しい男性がいいわ! それに平民成り上がりの侯爵なんて、まがい物よ。絶対に嫌です」と言っていたのに。実際に会って、ライルが第二王子に負けない素敵な男性だったから、心変わりをしたの?


「若奥様、ホテルに着きました」


 フィオナに言われ、意識を現実に戻す。


「……このままホテルのレストランへ行くわ。席、空いているかしら?」


「もしもの時は、お部屋でルームサービスを頼むのはどうでしょうか。もしくは……ティータイムの商談まで、時間があります。街のレストランへ行ってもいいのでは?」


「そうね。……気分転換に街のレストランに行きましょうか」


 私の言葉にフィオナは笑顔になる。


「ええ、そうしてください、若奥様。食事の時は一度、先程見たことは忘れましょう」


「いくら考えても……答えも分からない。考えるだけ、時間の無駄ね」


 ライルと私が白い結婚である理由。

 高級娼館にライルが足を運んだ理由。

 ユーリをライルがエスコートしていた理由。


 もう分からないことだらけだ。


 こうなったら本人に聞くしかないだろう。

 いくら考えても今の状況では、ネガティブな答えばかり見つけてしまう気がする。


 気分転換も兼ね、外で食事をしよう。


 こうしてホテルのエントランスに着いたが、そのまま馬車から下りずに、再び街中へ向かってもらう。


 どこへ行くか考え、一度も行ったことのないお店へ行くことにした。


 その方が全神経が新たな場所の観察をすることになり、ごちゃごちゃ考えることができなくなると思ったのだ。


「フィオナ、あのお店はどうかしら? 赤のひさしの洋食屋」


「新しいお店のようですが、テラス席は満席。でも二階席もありそうですし、いいのではないでしょうか。私がまず、空いている席があるか、確認してみます」


 こうしてフィオナが先に馬車を降り、席が空いているか確認してくれた結果。


「中庭の席が空いているようで、案内いただけるそうです!」

「よかったわ!」


 私も馬車を降り、店内へ向かう。


 一階は天井も高く、広々としており、二階へ向かう螺旋階段が、店内中央に設置されていた。作りの珍しさもあり、若いお客さんが多い気がする。


 案内された中庭に面した席は、奥まった場所にあり、落ち着いた雰囲気。


 しかもその中庭は小ぶりだが噴水もあり、青空も見え、なんだか居心地がよさそうだ。


 フィオナに同席してもらい、着席すると、すぐにメニューブックを渡される。

 ランチの簡易コースで、スープ、サラダ、メイン。追加でデザートと紅茶かコーヒーをつけられるようになっていた。


 そこで私はポタージュと豆のサラダ、サーモンのムニエルを頼み、バニラアイスとコーヒーを注文。フィオナはサーモンではなく仔羊のカツレツを選び、後は私と同じだ。


 オーダーを終え、一息ついた私は……心臓が止まりそうになった。

お読みいただき、ありがとうございます!

二つのコンテストで一次選考を通過し、140万PVを突破した

『転生したらモブだった!異世界で恋愛相談カフェを始めました』

本作の第八章がスタートしました!

恋愛・結婚・夫婦の悩みに主人公が答えつつ

乙女ゲームのモブとして様々な出会いと出来事に遭遇し……。

章ごとで読み切り。ぜひご覧いただけると嬉しいです!

ページ下部に目次ページへ遷移するリンクバナー設置済!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●新作スタート!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄の悪役令嬢は全力ざまぁで断罪回避に成功!のはずが……まだ終わらないなんて聞いていません!
『婚約破棄の悪役令嬢は全力ざまぁで断罪回避に成功!のはずが……まだ終わらないなんて聞いていません!』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ