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私の白い結婚  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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22/112

なんとか無事に

 指輪の交換は少し焦った状態だったが、床に指輪を転がす、違う指にはめてしまう……という失敗はなかった。


 練習の時はスムーズだったのに。


 誓いのキスで、思わずライルと二人で我を忘れた余波。

 それが指輪の交換で出てしまった。


 それでも山場は越えた。

 残るは宣誓のみ!


「ライル・ウィンターボトム、あなたはこの女性を妻とし、共に喜びを分かち合い、困難には立ち向かい、そして病める時も健やかなる時も、彼女を愛し、敬い、支えることを誓いますか?」


「はい、誓います」


 昨日の練習の時より、ライルの「誓います」の一言に胸が熱くなっていた。

 キス、指輪の交換、そして誓約。

 確かにライルと私は夫婦になる――と強く実感できた。


「アイリ・ミルフォード、あなたはこの男性を夫とし、共に喜びを分かち合い、困難には立ち向かい、そして病める時も健やかなる時も、彼を愛し、敬い、支えることを誓いますか?」


「はい、誓います」


 少し興奮し、声が震えてしまう。それに気づいたライルが気遣うように私を見た。


 その瞳の優しさにジーンと感動し、涙腺が崩壊しそうになっている。


 こんな風に私だけを気遣ってくれる眼差し。

 ずっと憧れていた。

 気付けばそれは、ユーリが独占していたから。


 ようやく私に愛情を向けてくれる人に出会えた。


 その事実に感動しているうちに、司祭からの祝福の言葉も終わる。


 同時に響き渡るリーン、ゴーンという鐘の音。

 拍手、「おめでとう」の歓声、舞い散る薔薇の花びら。


 一人での嫁入り。途中盗賊にも襲われた。

 それでも今日、無事、私はライルの伴侶になった!


 ◇


 披露宴は皆の希望もあり、ウェディングドレスのまま参加した。


 ひな壇に座るライルと私のことを熱心に見ているのは画家だ。

 挙式、披露宴、ウェディングパーティーの様子を記念の絵として描き上げるのが、彼のミッションだった。


「若奥様、披露宴の後、ドレスの着替えがあり、そのままウェディングパーティーが始まります。軽食は提供されますが、きちんとしたお食事は夜のディナーまでございません。よろしければ少しでもお料理、召し上がってください」


 そう言ってフィオナが微笑む。


 挙式が終わってから。私の呼び方が変わった。


 使用人達は一斉に私を「若奥様」と呼ぶようになった。

 ライルは当たり前のように「アイリ」と呼び、自身のことは「ライル」と呼んで欲しいと、少し照れながらお願いした。勿論、それは快諾。義母は「アイリさん」と呼び、ベルナードは「若奥様」と呼んでいる。


 若奥様と呼ばれるのも。アイリと呼ばれるのも。

 どちらもいい。

 もう頬が緩んでたまらなかった。


「アイリ、この鴨肉のコンフィは柔らかく食べやすいです。ぜひ召し上がって見てください」


「は、はい、ライル様……ライル」


 まだ呼び慣れないことに恥ずかしがると、私以上にライルも顔を赤くする。

 そうすると二人でもじもじとしてしまい、食事どころではなく、フィオナから「若奥様、食事を」と言われるループが続いていた。


 それでも披露宴の時間も終わり、自室へ戻り、着替えとなる。


 ミルキーブルーのイブニングドレスは、オーストリッチの羽根が胸元をふわふわと飾る、可愛らしいデザインのもの。こういった可愛らしいデザインのドレスはユーリが着るので、仕立てたものの、一度も着ることがなかった。それでもいつか自由にドレスを着ることができたら……と思い、大切にしまっていたドレスを今回持参していたのだ。


 三年前に作ったので、サイズは心配だったが問題ない。むしろ今の方が少し、痩せたのかもしれない。


「……! 若奥様、こういうドレス、とてもお似合いですよ。髪は下ろした方が合いそうですね」


 フィオナのアドバイスで、髪はハーフアップに変更し、下ろすことにした。

 そしてライルからプレゼントされた薔薇石英の宝飾品一式を身に着ける。


「薔薇石英は柔らかい色合いですから、ミルキーブルーのこのドレスにもよく合いますね」


「本当ね。みんな庶民の宝石と見向きもしないなんて。勿体ないわよね」


 そんな会話をしていると、扉がノックされた。

 フィオナが対応すると、着替えを終えたライルが部屋に入って来たのだけど!


 前髪の分け目はそのままに、でもおろしていた髪も、今は全て後ろへ流すようにしている。

 形のいい額とキリッとした眉が見え、それはそれで大変ハンサム!

 セレストブルーのセットアップも清潔感があり、爽やかで文句なしで似合っていた。


 ポケットチーフは私のドレスに合わせたミルキーブルーで、タイには薔薇石英の宝飾品をつけている。


 とても素敵だった。


「アイリ……。なんて可愛らしいのですか。まるでお人形のようです」


「普段、あまり着ないデザインなんです。……大丈夫でしょうか」


「ええ、とても素敵です。できれば他の誰にも見せたくないぐらいに……」


 そんな可愛いことを言い、ライルは私をメロメロにしてしまう。

 その後のウェディングパーティーでもライルは私とダンスを楽しみ、大勢の騎士達と談笑し……。


 幸せいっぱいの時間を過ごした。


 よってその後にあんなことになるとは……。


 全く想像できていない。

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