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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

腐っても鯛とは言えど、腐ってることに変わりはない!

作者: 九十九百人

クラスの一軍女子×妄想の止まらない腐女子のハートフルラブコメ!!!


一軍女子の吉田いつきはレズビアンであり、思いを寄せていたユーリという女子生徒に告白する。「お試しでいいから付き合って」と仮の交際を始めるが、私の好きな彼女はどこか言動がおかしくて…!?


笑って、最後は少しだけ泣ける…かもしれない。そんなお話です。


「ねぇ、放課後ちょっと付き合ってよ」


「………へ?」


今、私の前にクラスの一軍女子、吉田さんが仁王立ちで立ちはだかっている。

しかも、すごい顰めっ面で「呼び出し」というものを受けてしまったようだ。


まずい……、非常にまずい…………。私は、一体なにかしてしまったのだろうか???




放課後になり、私は恐る恐る吉田さんのいる教室へと入った。

吉田さんは、とても美人でスタイルが良く、胸元の大きなリボンがよく似合う。そう、まるで陰キャでちんちくりんで、なにより腐女子の私とは正反対の人物なのだ……!!!


「あ、あの……」


「私と付き合って」


「はい!今、絶賛付き合っておりますぅぅぅ!!!」


「違う。そういう意味じゃなくて。好きだから、付き合って」


「…………………へ?」


私は、すごい間を置いて本日2回目となる素っ頓狂な声を出した。そして、完全に固まってしまった私の頭と体は吉田さんのおっぱ………胸元の一点を見つめて動きそうにない。


「ねぇ、聞いてる?付き合ってよ。私と」


「あ、そうですね………ぜひ、誠に恐れ多いですが、私でよければ、友達に…………」


「は?私は恋人になれって言ってんの」


そんな強気な告白あります!?普通!?

最高の攻め様かよ……!!!ぜひ、妄想のネタにでもさせてくれ!いや、なんなら私がコミケにでも出展を…………。え、いや待てよ。私の聞き間違いでないのなら、これは……つまり………


「………え?恋人?」


「もういい。分かった。あんたにその気がないなら諦める」


「ま、待って!ちょっと動揺しちゃって………!その……考えてもいいですか?」


吉田さんがあんまりにも悲しそうで儚げな顔をするもんだから、気づけば慌ててそう答えていた。

もちろん、私は女性どころか男性すら好きになったことがない。私にある欲求は、男性同士のイチャイチャを壁、もしくはその場の窒素(ここ重要)にでもなって見守ることくらいだったから。はっきり言って、答えた今でも動揺している。

 

でも、吉田さんの気持ちが嘘じゃないんだなってことが分かって、本当に嬉しかったのも確かだった。


「分かった。じゃあ、好きにさせるから、試しに付き合って」


もう攻めになってくれぇ!今すぐぅ。今初めて、私が私を邪魔だと思ったよ……!!!






私、吉田いつきはレズだ。私の幼馴染の男は「もったいないね」と言ってきた。

それはそうだろう。なにせ、私は顔がいい。世の男どもにはざまぁと言うしかない。


そして、そんな私は一年前から好きだった美園雄李(以下、ユーリ)という女子につい先日告白し、付き合い始めた。

このユーリに対し、付き合い始めて分かったことがある。それは………


変だ。



私の言動にいちいち悶絶し、かと思えば壁の一点を見つめ始める。

けれども、はっきり言って彼女のこの挙動不審さは私からしてみれば可愛い。


「あの、よ、吉田さん………」


「は?いつきって呼びなよ。そ、その……恋人……なんだし?一応………」


「よきかな……っ!」


「いつの時代…?」


ほら、この通り彼女はおかしい。主に頭が。




「そ、その…いつきちゃんは……、な、なんで私なんかが好きなの………?」


「え?」


「わ、私、そのブスだし、陰キャだし、友達だって………」


あぁ、まただ。彼女は自己肯定感が低い。いつも『私なんか」と言う。私は、彼女のこういうところは嫌いだ。


「しかも、腐女子だし……!」




…………へ?いま、なんて?




「それに比べて、いつきちゃんは美人だし、可愛いし、モテるし、スタイルもいいし、もう気も強いとこなんか最高に攻めっていうか…!?


「え、ちょ……


「いや、もはやバリタチ!?もう、その俺様さで今まで何人のネコちゃんを骨抜きに…、なんつってぇ!


「おい………


「私はできることなら今すぐにでもいつきちゃんを男にさせたいよ。そして、凡人受けでいいというのなら、私も男に………いや〜、新しい扉が開きそ………


「ちょっと!ストップストップ!!!」


私が勢いよく止めると、やっとこのマシンガンは止まった。

いや、本当に何を言ってたんだ………こいつは……。


「あ、ごめん……。でも、本当にいつきちゃんに私なんか………」


「はぁ…。私の好きな人にそんな言い方されるとムカつく」


私がそう言うと、ユーリは目を丸くして、少し俯いた。私は、胸の奥が複雑な感情になる。


「いいよ、もう。無理しなくて……。女子が女子と付き合うなんて気持ち悪いの分かってるし、お遊びだと思ってくれればいいから……」


「そ、そんなことない!気持ち悪いなんて私は思ってない!う、嬉しかったよ……!好いてもらえるってこんなに嬉しいことなんだって私知らなかった。だから、いつきちゃんはすごいよ!」


あぁ、ほら。やっぱり、こいつは変なやつなんだ。


「いつきちゃんの『好き』ってこんなに美しいものなんだなって…!だから、誰を好きになってもおかしくなんかないよ。気持ち悪いことなんか絶対ないよ!!!」


自分のことには消極的で、さっきまで俯いてたくせに………。


「いつきちゃんはいつきちゃんのままでいてよ!」


私の欲しい言葉を平然と言ってのける。


「ばーか…」


「あ、ごめん。つい………」


「私はユーリしか好きにならないよ」


だから、私は彼女に惚れたのだ。いつも周りのことをよく見ていて、それでいて豊かな感性を秘めている。


私がユーリを知ったのは高一の冬。図書室だった。

初めて見た彼女は、本を読みながらキラキラと目を輝かせて微かに笑っていた。


もちろん、これはBL漫画である。



とある男子生徒が怪我した時は、近くにいた男子生徒に慌てて伝えていた。


もちろん、これは萌え展開の自給自足である。



そんな彼女の何気ない優しさと可愛い笑顔に私は惚れたのだ。


「じゃあ、もうちょい付き合ってくれる?」


「う、うん!」


そうユーリは満面の笑みで答えてくれた。できれば、この笑顔を誰よりも近いところで見れますように…。


「あ!その言葉メモしなきゃ!」


「あぁん?」

ここまで、読んでくださりありがとうございました!

息抜きに書いてみました。拙い文章だったとは思いますが、楽しんでいただけていたら幸いです。

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