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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

絵本



友人と怪談白物語をやるために考えた、オリジナルホラーssです。


二次創作等ご自由に改編、利用してください。


URLの記載をお願いいたします。


 白紙の①絵本。

 それはまるで児童が読みそうな①絵本であるにもかかわらず。中身は白紙で、表紙からどんな⑦物語なのかも分からない①絵本だった。

 表紙には、⑩少女と黒い、何か人型の何が描かれている

 ISBNが書かれているから、日本で出版された書物のはずだったのだけれど、記録には存在していない。

 不気味な本だ。

 何でもこれを手にした人は、みんな痩せこけ、意識は虚ろになってしまうとか。ありがちな、呪いのアイテムとしての噂が幾つもあった。

 ③男の父親が話していたのは、そんな話だった。

 ③男の父親の遺品。本当なら、この①絵本も、他のオカルトグッズと同じく処分されるはずだったのだけれど、捨てても捨てても、手元に戻ってきてしまう。

 そんな事で、母親からその①絵本を預かった③男は、棚に①絵本をしまったまま、その後すっかりと忘れていた。

 真っ暗闇、一人暮らしの部屋、ガチャリと音が響く。


「ただいま」


 声は返ってこない。虚しく穴に飲み込まれた。

 ③男はそれを気にした様子も無く、荷物と服をそこらに投げ捨てて、そのままベットに横になる。

 やがて意識は暗闇に落ち。

 ゆっくり。目を覚ます。

 目を覚ましていない。

 これは⑥夢の中。とてもリアルな⑤悪夢の中。

 見飽きるほどに見た、もう一つの現実だった。

 そこは、松明の熱を反射する狭い⑧地下室。まるで⑧地下室かのようだったが、捕らわれているのが、③男ではないことも知っていた。

 そして、③男はこの⑥夢の⑨ルールをいくつか分かり始めていたけれど、この⑥夢の正体には皆目見当がついていなかった。

 ③男の眼前には手術台のようで、そこには⑩少女が横たわり拘束具に繋がれている。手術するにはその拘束具が邪魔になるだろう。麻酔がかかった様子も無くガチガチと鎖をならしている。


 その光景を始めて見たとき、③男は⑩少女を心配していた。

 それも当然、④彼女は拘束されているものの、いたいけな⑩少女にしか見えない。日本人の一般的な価値観に従えばに従えばそうするのは当然だった。

 ④彼女の拘束具を外す。

 男の意識がショートする。

 体を襲う激痛。それは⑥夢とは思えず。最後にはっきりと目に出来たのは、⑩少女の怒りに満ちた表情。そうして、1時間ほどにも及ぶ致命的な体の不調を経験し、③男は一度、死亡した。

 

 ⑨ルールその1。

 ⑩少女の拘束具を外してはならない。

 

 部屋には様々な薬草と、②拷問器具が存在している。出口はない。

 ③男はどうしようかと、途方に暮れていた。少なくとも④彼女の拘束を解いてはいけない。それとなく手を伸ばすが、②拷問器具にこびりついた強烈な死臭が鼻に付く。手を引っ込めて、そして薬草を掴んだ。草がそれらしく、吊されていたから、薬草と言ったが、これが本当は何なのか③男は分からない。

 ただ②拷問器具よりは使うのに障害が少なかったのだ。

 すりつぶし、粉にして、⑩少女に与えてみる。薬草の効果はやっぱり分からなかったけれど、焼けただれたり、泡を吹いたり、反応は様々だった。

 ⑩少女は声にもならない悲鳴、怒り、呪いを吐く。

 ③男も心が痛むが、薬草の効果を確かめるには、一つ一つ実験するしかなかった。

 何せ、⑤悪夢が終わってくれない。一晩経っても、腹が減っても、喉が渇いても痛みがあっても、だれかが死ななきゃ終わらない。

 気がつけば、③男は実験と仕分けをするのに、集中しすぎていた。

 ぶちり、ぶちり。⑩少女の四肢は乱暴に振り回され。そして手の平を脱ぎ捨てられる。

 ⑩少女が向けた、むき出しの腕に刺し示された、③男はようやく意識を失った。


 ⑨ルールその2。

 ⑩少女に正常な思考能力を与えてはならない。

 

 ⑩少女にすりつぶした草を飲み込ませる。麻酔薬の代わりだが、③男はとても自分で服用したいとは思えない。やっぱり幻覚剤のようなものなのだろうからだ。

 

 

「何故あなたは死なないの」


「さあ」


 ③男は首をかしげてみせる。

 ⑩少女は確かにコミュニケーションを取ろうと言語を話し、いつからか、③男はその言語をまるで日本語のように理解することが出来た。

 ③男も⑩少女も終わりのない⑤悪夢が蝕んで、やがて痛みは心をつなげていた。

 血と血が混ざり、目的も見失う。暴力の中にあるのは、怒りか憎しみか。あるいは愛であったかもしれない。

 浮遊感にも似た、興奮と快楽。そうして、また死んだ。


 ⑨ルールその3。

 ⑩少女は⑥夢の中の出来事を記憶している。


 どんな結末になろうと必ず⑩少女は拘束された状態から始まる。

 いや結末はいつも同じの、二つに一つ。③男、⑩少女のいずれかが死亡することとなって、そこまでまでの記憶は決して消えない。

 また朝が始まる。長い夜と、短い昼。⑩少女をひと思いにくびり殺しても、時間は不平等に長く流れる。やがて、昼の時間にすら両手に血がにじみ始める。

 ③男にとって、どちらが⑥夢か真か。

 ③男は答えない。何をするでもなくただぼうっと過ごしていた。光がなくなり、音がなくなり、そして乾きと飢えだけが残った。けれども⑥夢は終わらず、⑩少女は干からび、なおも終わらず。そして③男は絶命した。


 ⑨ルールその4。

 ⑩少女は必ず拷問しなければならない。

 

 ③男が②拷問器具を手に取る。それは②拷問器具というよりは工具で、日曜大工の道具だった。回転する電動式であれば少しは③男の罪悪感も薄れたかもしれない。

 ⑩少女の腕。肘関節の先に細長いものが当てられる。数分の後、ぶちりぶちりと筋繊維をほぐしバラバラにする音がする。次第に音色は変わり。硬質のものをカリカリと削りはじめる。ただぶら下がった肉塊と成り果てたそれをブチリと切断した。

 加工は⑩少女の四肢に施され、しかし⑩少女は生きていた。見ると出血も既に止まっている。傷口は塞がり、初めからその先などないかのようだった。

 相変わらず化物じみている。


「やはりあなたは悪魔なのね」


「人間だよ」


「それを言うなら君も死なないだろう。殺しても死なない。俺は君が俺の⑥夢の中存在している、俺ではない何かだと思っている。君こそ悪魔なのではないかね」

 

「私は人間だよ」


「そうかい」


「そうよ」


 その問答は、長い間を一緒に過ごした二人の間で、初めて成立した会話だった。そしてお互いの言葉を全く信じていなかった。

 

 ③男はぽつりと言葉を零す。

 

「これは一体何度目の拷問だっただろうか」


 それはすぐに濁流となる。


「答えなくていい。おかしいのは俺だ。おかしな人間だ。普通はこんな苦しみも連続性も⑥夢には存在していない、だから俺はおかしい。だがそんな俺の⑥夢に居座っているお前は何だ。何故お前は俺の中に住み着いている。何故お前を拷問するとこの⑦物語が進行する」


「……」


「しなければならないんだ」


 ⑨ルールその5。

 ⑩少女を拷問すると密室に出口ができる。


 階段を上がり、真っ白な吹雪の中を歩き続ける。


 そこに居たのは。黒いカラスと黒いネコ。③男の上空を飛び回るカラスから目を離し。ネコの後ろからゆっくりと現れたのは、⑩少女のような肉と山羊悪魔のような影③男。その肉は惨たらしく壊され、辱められ、四肢はなく、動いているのも不思議だったが、不思議と出血はなく。その心は山羊頭の影に屈服していた。


「やあ影③男。お前は何か答えてくれるのか、なあ。そんなわけもないか」


 ③男は②拷問器具の1つ、剣鉈を影③男の顔面に叩き付けた。山羊の頭蓋は砕け、それでも肉塊は③男のことを見ていた。

 肉塊が飛びかかる。

 肉塊は③男の顔にまとわりつき。果物のように、ジュースを辺りにまき散らした。

 

 ⑨ルールその6。

 ⑥夢からは逃れられない。


 埃をかぶった絵本の頁。

 独りでに本棚から落ちたそれは白紙ではない。夜が深まるほどに、頁は進む。朝日が部屋へ差し込む頃には、半分程まで絵⑦物語はすすむ。男の目が覚めると、①絵本は既に色を失い、うっすらと跡が残るばかり。やがてそれもかすれ消える。


「また①絵本は初めから。⑦物語はまだ終わらない」


 ⑩少女のような。声が聞こえた気がした

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