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聖女トゥキスモの恋  作者: 水無月 一夜
9/10

-----聖女なのかな?-----

いつも読んでくださってありがとうございます

早速、ムスティさんとジェイク君の3人で神社に向かう

ジェイク君は、初めての遠距離なので不安と期待の入り混じったような複雑な表情だ

今日は風が殆どないので、遠距離も飛びやすい。

ムスティ親子は身体が大きいので、私よりも遠距離も楽そうに見える


神社に近づくと、人が沢山いるのが見える。

今日は何かあるのかな?


私もムスティも、今は出産の予定無いし、ジェイク君は男なので、3人とも血を吸わない

だけど、人間から見たら叩き潰さないといけない標的なので、人に見つからないように用心して飛ぶ


境内に近づくにつれ、スマホを持ったままの人が多くなった。

とりあえずまだ待ち合わせの時間よりも前なので、先ずは昨日悲痛な声の聞こえた裏手の方へ行ってみた。


しばらく行ったところに、倒れている誰かがいました。

それは服を着せられたまま棄てられていたマネキン人形でした。

このマネキンは生まれてからお店が潰れてしまうまで、

とてもみんなから大事にされて、温かい気持ちをたっぷりと味わっていたのでした。

お店が潰れてしまい、廃棄物として悪徳業者によって神社の裏の林に投げ捨てられた、

その時の音が、トゥキスモには悲痛な声として聞こえていたのでした。


私はマネキンさんに声を掛けましたが、目は開いているのに反応がありませんでした。

回復を唱えてみましたが、全く反応しませんでした。

ストローが折れそうになるくらいに、何度も何度も回復をかけました。

でも、結局何も起こりませんでした。


ムスティとジェイクは、一所懸命に何かをやっている、トゥキスモに声を掛けられませんでした。

セミの声が大きくなり、もう昼になってしまった事に気が付きました。


「ひとやすみしよっか」


3人はそれぞれ花の蜜を吸い、羽を休めました。



トゥキスモは、久しぶりに自分が助けられなかった事に落ち込んでいました。

誰か、魔法をちゃんと教えてくれる人が居たらなぁ・・・

そう思って、子供の頃窓から聞こえてきた聖女の話を思い浮かべていました。

亜希さんの部屋の機械(パソコン)から、子供の頃に聞いた聖女の話が流れて来ていたのでしたから

そう言えば、事務所にも亜希さんの部屋にも同じ機械があった

あの機械に聞いたら、聖女の魔法を教えてもらえるかも


そんな事を閃いたのでした。

大分しっかりと休憩をしていると、この辺りまで人が入り込んで何かを探していました。

ああ、今日は本当に人が多いなぁ

そう思いながら、手水舎に行くとスマホをもって、奥さんが待っていました。


トゥキスモは、奥さんのスマホの上に乗ると、「こんにちは」と言いました。

「今日はお友達のムスティさんとジェイク君を連れているのです」

紹介しました。

奥さんは「初めまして、佐藤洋子と言います。シュガーって呼んでください」

「こちらは、お友達のポンポコさんです、このお腹、なんかポンポコ狸みたいでしょ」と笑いながら紹介してくれた。


ポンポコさんは長年のお腹の調子が悪くて、トイレに行けない場所が恐くて、就職も出来ないでいるそう

シュガーさんはポンポコさんのお腹を指さして、「よろしくお願いします」と言いました。


私は、周りに人が居る事も忘れて ポンポコさんのお中にストローを刺して回復をかけました。

ポンポコさんは思わず「痛っ」と声を出してしまいましたが。

ぽっこり膨らんでいたお腹がシュルシュルッと引っ込んで

「あ・・・お腹痛くなくなった」と、唖然とした表情で言いました。


すると、周りから「「「白い妖精さんがいたぞ」」」と声が上がり、大勢が集まって来ました。

どこから出して来たのか、何か所からかは虫取り網を振り回し出す人までではじめました。


シュガーさんとポンポコさんはぎゅうぎゅう押されて、おしくらまんじゅうの中心になっていました。

シュガーさんが、「トゥキスモさん、みんなを治して上げられますか?」と聞いてきました。

劇的に能力が上がったとはいえ、休憩なしで治したとしても精々20人も治したら気絶してしまうと思うのに、数えきれないほどの人がこの境内に集まっているのです。


シュガーさんのスマホに「体力が持たないので、10人ちょっとしか治せません」と言うと

「そうよねぇ」とつぶやいて考えこんでいるようでした。


そしてシュガーさんが、大きな声で、「トゥキスモさんの体力が持たないので、みんなは治せません」と言うと、遠くの方から「なんだと、こんな辺鄙な所まで来てやってるのに、その言い方は何だ」「そのおかしな蚊をよこせ」と言ってくる人たちがいて、言い争いが始まってしまいました。


それでも負けずにシュガーさんが、一段高い所に上って

手を高く上げました。


「私とじゃんけんをして、負けた人は帰ってください。勝った人は、またじゃんけんをして、10人残った人を治してもらいます。」


付近にいた人たちは、言う事を聞いてじゃんけんをしようと腕を突き上げはじめました。


トゥキスモは、その時、傍の樹に、私の所に来なさいと言われた気がして、その樹にくっつきました。

「なんだと、勝手なこと決めるんじゃねーぞ」

「こっちは重病人連れて来てるんだ」

「ここの神社に来たら治してくれるって書いてあったじゃねぇか」

どうやら昨日トゥキスモをビニール袋に入れた人たちのSNS投稿が拡散されて人が集まってしまったようでした。

「責任者を出せ」「私は責任者じゃないですけど、トゥキスモちゃんが死んでしまいます、無理な物は無理です」「そんな虫より、人間の方が大事だろう」


「お前責任者じゃないだろうがよぉ」とシュガーさんに大きな怒鳴り声が向けられた瞬間


”さぁ回復をかけておくれ”樹に言われたトゥキスモは樹にストローを刺して「回復」を唱えました。


周りの怒鳴り声がドンドンひどくなっていました

ピカッ ドドドドドーン 一面が真っ白になり雷が落ちたような物凄い音がしました。




暫くみんな放心していました。

神社に集まっていたみんなは、あまりの衝撃に、茫然としていましたが、

暫くすると治して欲しかったところは治っている事に気が付きました。


「あっ、痛くない」「あれっ 治ってる」 「嘘っ お腹がすいてきた」 「あれっ だるくない」

あちらこちらから、みんなが自分の身体をさすったり、痛くない事を呟いたり

不思議そうな表情で、自分が健康になった事を確かめていました。


そのうちに皆は、神社で騒がしくしたことに気が付いて、口々にお詫びし、整列しながら賽銭箱にお賽銭を入れて帰って行きました。


シュガーさんは、「また トゥキスモちゃんのお手柄がとられちゃったみたいね」と笑いました。

トゥスキモとムスティさんジェイク君は、ご神木に「助けてくれてありがとうございました」と言いました。


私はシュガーさんとポンポコさんにご神木さんが助けてくれたことを伝えようとしましたが

既に気が付いていた二人は、ご神木に深く頭を下げてお礼を言っていました。


この騒ぎは当然のように、SNSで拡散されたのですが、シュガーさんが神社の事務所に行って、抗議をしてくれたので、神社としてはトゥスキモの事はこれ以上書かないと約束してくれました。


トゥスキモは、これだけ騒がれてしまったら、この神社にはもう、来れないかなぁと思っていました。

シュガーさんが「うちに暫く来ませんか?」と言ってくれましたので、シュガーさんの家にお邪魔する事にしました。

私は自分が知らない呪文を知りたかったのです。

以前亜希の部屋から聞こえてきた聖女の物語をもしかしたら、シュガーさんの所の機械で(パソコン)で聞かせてもらえるのではないかと思っていました。

夕食の時間に、私達はスマホを使って佐藤夫妻と話をしていました。

そして、自分が聖女の力を使えるようになったのは、部屋から聞こえてきた、聖女の物語を聞いたからで、出来たらその話をちゃんと聞いて、呪文を勉強したいと話しました。

すると、旦那さんがパソコンを引っ張り出してきて、聖女の話を色々と検索してくれて読んでくれました。

しかし亜紀の部屋で聞いた話には巡り合えませんでした。

旦那さん曰く、聖女に関連した物語だけで7,821作品もあるんだよって言われたけれど、多いのか少ないのか全然わかりませんでした。


今日はもう遅いから明日にしようと、言われて眠る事になりました。

なんだかんだ言って、シュガーさんのお宅は清潔で、敵がいないので安心なのです。

多分新しい高層マンションなので、周りにクモさんとかが来ていないのです。


疲れ切った3人は、ゆっくりと眠りました。

明日は、ポンポコさんのお友達のお宅に行く事になりました。

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